若者の「テレビ離れ」という言葉が飛び交って久しい。もう6~7年前から言われているような気がする。一部の人たちはもっと前から「やがて各家庭にテレビはもう必要がない時代が来る」とまで言っていた。けれども、今回、信頼できるリサーチ会社が行った調査では、必ずしもそうではないことを明らかにした。もっとも、その記事自体には《「テレビ離れ」が加速で放送界が激震》と書かれてあるのだが…。私には、どうしても、そのようには読めなかったのだ。その調査は2015年に行ったデータと、2020年に行った調査とを比較して「こんなにテレビ離れが加速している」という風に記してあるのだが、いったい、どこをどう捉えれば、そんな風に読めるのか理解に苦しむのだ。その記事では、前回(2015年)からの5年間で“こんなに変わった”という風な視点で、一日にテレビを見る人の割合を2015年には85%だったものが79%にまで“減った”と、大騒ぎしている。けれども、実際にはまだ“8割の人たち”が毎日テレビを見ている。年齢別では、60代以降に関しては、実は5年前も今も全く変わらず95%くらいの人たちが毎日見ている。本来であれば、この世代だって少しずつ減っていく方が自然だと思われるのに、何ら変わってはいないのだ。十代はどうかというと、昨年10才~15才は56%が視聴し、16才~19才は47%が視聴し、20代では51%が視聴している。つまり、約半数の若者たちは未だ毎日テレビを見ている…ということになる。もっとも2015年の調査に比べれば減っていることは事実だが、完全に「テレビ離れ」というほどの減り方ではない。ここで重要なのは十代後半から二十代の若者というのは「単身生活者」も多く、家族と一緒に暮らしていても「自分の部屋」を持っている場合が多い。したがって、本人の意思によって“テレビの視聴”を選択できる。もし“ネット動画”とか“受験勉強”とか“恋愛”とか“自分の趣味”などに自分の時間を使いたければ、それが十分可能な世代なのだ。或る意味で「受け身の時間」ともいうべき“テレビの視聴”は、日本人の若者たちにとって、まだまだテレビは“欠かせない存在”であることを意味する。実際、十代における“ネット動画”の視聴は、男性48%、女性37%と半分にも至っていない。一部の人たちが言うほどには「テレビ不要の時代」が日本では、すぐにはやって来そうにない。
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