一般的な日本人にとって「爬虫類」は“怖い生き物”、或いは“気味の悪い生き物”の印象が強い。私は爬虫類でなくても動物は苦手だが、そういう“生き物”を怖がらない人たちもいる。彼女の場合も、おそらくそうであったに違いない。そして、それは彼女が沖縄の石垣島で育っていることが関係しているかもしれなかった。多分、子供の頃にさまざまな“生き物”を見て育っていて、爬虫類に対しても免疫性があるのだ。だから、そのアルバイトを知った時にも、別に“怖がる”とか“気味悪がる”とかの反応がなかったに違いない。彼女にとって、生き物は身近だったから、それを運ぶことにも、さして抵抗感がなかったのだ。しかも高額な報酬が得られる。都会の喧騒を離れ、大好きな自然と触れ合うことができ、お金のかからない一人旅ができ、ちょっぴり探検家の気分も味わうことができ、世界各地を旅してまわれる。こんな“おいしいアルバイト”はないと思っていたことだろう。実際、彼女には「罪」の意識が少なかったから、SNSを使って自分と同じような“アルバイト女性”を求めてもいた。とはいっても、本当にそれが「犯罪」だと知らなかったのかというと、そうは言えない。彼女の中では「その国では禁止だが日本では犯罪ではない」という捉え方をしていたに違いない。実際、日本の国内法では「罪」には問えない。だから、その国から出国するまでが問題で、出国してしまえば自分はもう「運び屋」ではなく、単なる海外旅行者なのだ。けれども、今年4月23日のメルボルン空港で出国直前、彼女は国際的な野生動物密輸組織の一員として逮捕された。彼女が空港に預けたスーツケースからは現地で生息するトカゲが19匹が窮屈そうに生息していた。もし、彼女が現地の刑務所に入りたくなければ日本円で1600万円を支払わなければならない。報酬も高額だが、リスクも高額なのだ。現地報道は何よりも動物愛護の観点から「日本女性の冷血さ」という書き方になっている。彼女・知花茜容疑者は国際組織の一員「運び屋」とのレッテルが貼られたので、もはや普通に海外に旅行すること自体も難しくなった。“おいしいアルバイト”は、彼女を“罪を背負う人生”に変えたのだ。彼女は「罪」の意識が少なかったので、堂々と名前を出し、海外旅行好き女性としてSNSを行っていた。その画像を見ると、一つだけ私の注意を引く部分があった。彼女の「眼」は目頭から眼尻に向けて“大きく吊り上がって”いる。謂わば“斜め型の眼”をしているのだ。そして、こういう女性は性格的には勝気で負けず嫌いで努力家なのだが、動物好き、特に“爬虫類を好む”女性に多く見られる眼でもある。彼女が昔から“こういう眼”だったのか、それとも“こういう仕事”を始めて眼が変わっていったのか、何とも言えない。現地報道は「冷血女性」のように記したが、彼女自身は自分と一緒に「オーストラリアから日本に旅行しようね」という“仲間意識”でしかなかったのかもしれない。
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