5月, 2025年
2025-05-31
マヤ遺跡が「突如出現した都市遺跡」のように大昔は語られていた。けれども時代は進んで、さまざまな“新たな遺跡”が見つかって、いつの間にかマヤも“突如出現した”のではなく、徐々に形成されていった“他の古代文明”と同様な進み方の文明であることが明らかになっている。今回、そういう意味では、よりいっそう“そのこと”を裏付けるような紀元前800年ころから始まったと思われる「ワシャクトゥン遺跡」が公開された。33mのピラミッドがあるなど、本格的(⁉)な遺跡だ。中央アメリカは密林地帯が多い。したがって、いったん文明が廃れて人気がなくなると、その場所は再び“完全な密林”へと戻ってしまう。だから今もって発見されていない古代都市が思いもかけない場所から見つかったりするのだ。マヤやアステカの古代文明は、その起源があいまいなままだ。もしかするとエジプトとか古代中国とかの古代文明と同じように、4000年も5000年も前から少しずつ形成されていった文明であるのかもしれない。そう考えると、人間というのは、結局、どの地域でも、どの人種・民族でも、似たような発展過程を辿りながら“一つの本格的な文明の形”に辿り着く……ということが判る。我が「日本」も鎖国をしていたことによって他のどの地域とも異なる“独自の文明・文化”を築き上げることが出来た。ほんとうは、もう少し、鎖国を続けていた方が、より独自の文化を築き上げられた可能性もある。いまアメリカや中国やロシアや北朝鮮は、それぞれが“半分鎖国状態”へと戻して、独自文化を築き上げようとしている。もし、本格的にそうなったなら、あと何十年後か、何百年後かはわからないが、それぞれが“独自文明・独自文化”を築き上げて、まるで宇宙人に出くわしたような「新鮮な衝撃」を受ける日が来るのかもしれない。そう考えると「日本」はエネルギー資源が乏しいので、もはや“鎖国”は難しいのだが、もしかすると、どの国よりもユニークな「新たなる文化」を作って、世界の人々に驚かれるのかもしれない。結局、宇宙人というのは「地球人の中」に発見するのがいちばん手頃でムリがなく、しかも、必ず“学ぶべき部分”を持っているような気がする。「倖せ」を得るためには、仲良く……が良いのか、独り……が良いのか、難しいところだ。
2025-05-30
「眞子さま」ではなくて、もう「小室真子氏」というべきなのだろう。その小室氏が5月に“子供を出産していた”らしい。けれども、それを公式なマスコミは沈黙している。どうしてなのか。理由は二つある。その一つは、もう「眞子さま」ではなく“一般人”としての「小室真子」であること。もう一つは彼ら夫妻が日本ではなくアメリカで出産し、在外公館に「出生届」と「国籍留保」の届け出をしていない可能性が高いからだ。つまり、公的には日本国は“出産を知らない状態”にある。だから報道できないのだ。もちろん、それは小室夫妻の意志によってなされているのに違いない。つまり、彼らは双方ともに「日本人」ではあるものの、もう「公的な日本人」として生きていくつもりはなく、海外に“骨を埋める”意識が強く、したがって“産まれた児”も「日本人」にする気はなく、公式にも、実質的にも「アメリカ人」として生きていくことを選択させるつもりなのだ。まあ、オーバーに言えば「私達は、もう日本人ではありません。皇室なんて知りません。この子は東洋系の顔立ちですがアメリカ人なんです」という意思表示なのに違いない。なかなか思い切った決断である。元々、小室氏を択んだ時点から、彼女にはそういう意識があったに違いない。「もう、二度と日本国の土は踏まない」という意識だ。もちろん、それがどういうことなのか、解かっている。多くの日本人を“敵に回す行為”であることも知っている。ご両親や、妹、弟が、どういう反応を示したり、どういう状態になったりするか、それも或る程度までは想像できる。それでも、自分が受けた屈辱や中傷から“遁れる手段”としては、これしかなかったのだ。少なくとも、彼女の中では“そういう意識”が強いに違いない。多くの皇族は、皇族として産まれてきたことの“運命(さが)”を黙って受け入れる。そこから逃れたくても、逃れようがないのだ。けれども彼女は「こういう生き方もある」と無言で宣言している。彼女は“ふつう”に生きたかったのだ。だれにも邪魔されず、自分の“道”を歩みたかったのだ。もちろん、生まれてきた児が、やがて“母親とは全く別な考え”を持つとは夢にも思っていない。そこに「運命」というものの不可思議さがある。
2025-05-29
世の中には「どうしようもない奴」としか言いようのない人物がいる。ここに登場させる羽賀研二氏もそういう一人だ。「羽賀研二」と言えば、或る程度の年齢に達している人なら誰でも知っている。妙な言い方だが「昔の梅宮アンナの恋人」だ。ふたりは揃って週刊誌上で“ヌード”を披露したこともある。羽賀研二氏を知らない人たちに、彼を説明するのは難しい。一言でいえば「どうしようもない奴」なのだ。世の中には「根っからのワルイ奴」もいるが、彼はそういうタイプではない。あくまでも「どうしようもない奴」なのだ。だから、彼は優しい。特に女性には優しい。今回、梅宮アンナ氏は“電撃結婚”を公表した。なんと出逢って10日で入籍したのだという。「大丈夫か」と誰もが思う。念のため、わたしもホロスコープなどで確認をした。正直に言って「結婚」のタイミングとは思わないが、ただ「生れ変り」「変身」「新たな扉を拓く」タイミングとしては符合している。だから長続きするかは疑問だが、とりあえず“新たな扉”は拓いたのだ。相手が誰であるかは、あまり問題ではない。彼女にとって、生まれ変ろうとする意識が強く働く時期に、それを「叶えてくれるかのしれない」相手が出現し、一緒に“新たな扉を拓いた”だけなのだ。人はそうやって、不安や葛藤を振り払おうとする。それを公表した日の夜に、独りの男性が彼女に向けてメッセージを与えた。直接ではなくSNS上でだ。それが「どうしようもない奴」の羽賀研二氏だ。彼はこれまでなんどか刑務所に入っている。一時期は結婚もして、子供も居たのだが、現在は離婚している。いまの職業が何なのか、よく解らない。ただ「どうしようもない奴」は元々“気配りのある男”なので、こういう場合でも、さりげなく「結婚おめでとう」とメッセージを与えている。アンナ氏の父親である梅宮辰夫氏は、羽賀氏に対し「あいつは稀代のワル」と評したが、ほんとうのワルは「おめでとう」などと純粋に祝福などしない。「どうしようもない奴」だから、世間がどう想うかもちゃんと心得て、純粋に「おめでとう」と祝福したのだ。
2025-05-28
最近の調査によれば、50歳時における“生涯未婚者”の割合は年々増えて、男性で約3割、女性で約2割に達しているようだ。もちろん「生涯未婚者」だから、過去に“結婚”の経験がなく、自分の子供も居なくて、妙な言い方だが“仕事を持っている”人たちの比率だ。つまり男女とも、ふつうに働いているが、これまで結婚経験のない人たちの割合ということだ。この調査で興味深いのは「共食」という項目で、これは“誰かと一緒に食事しているかどうか”という割合なのだが、ほぼ毎日「家族の誰かと共食している」という割合が約3割に達していることだ。したがって、結婚はしていないが、家族の誰かと一緒に暮らし続けているケースが、そのまま“この割合”になっているものと思われる。まあ、その大半はご両親か、どちらかの親か、兄弟か、祖父母のどちらか……といった感じになるのだろう。ここには出て来ないが、もしかすると「ペット」と一緒にという方達もいるのだろう。現在まで“未婚で来ている”理由として上げられているのは「結婚したいと思う相手に出逢えなかった」というのがいちばんで43%、「一人の生活が好きだった」が25%で続く。昔のように、世話好きなおばさんが“善い人を紹介してくれる”ような時代ではなくなったから、自分から積極的に“出逢いを求めていく”人以外は、なかなか“出逢えない”のが現状かもしれない。もちろん、近年は「お見合い制度」なども復活してきてはいるが、ネット上では「マッチングアプリ」なども普及しているが、或る程度の“条件を満たしていること”が必要で、実際には“誰でも簡単に入会できる”とか“気に入った相手とすぐ出逢える”というものでもない。そうなると“異性との交際経験の少ない人たち”にとっては、ますます“踏み込むのが難しい世界”のようになってくる。わたしが気になるのは、調査対象の人たちに“悩み事を相談できる友人”が「0」と答えた男性が50%も居ることだ。女性は「0」ではなく「2人」となっているのに……。ということは、女性は未婚でもそれなりに“話せる相手”がいるから良いのだが、男性は“話し相手”自体も存在していないことになる。しかも調査対象の人たちの多くが、男女に関わらず「出来るだけ働き続けたい」と希望している。親兄弟も傍に居なくて、子供も居なくて、愛する異性も居なくて、話し合える友人もいない……男性の生涯未婚者たちは、その寂しさや孤独を埋める手段として「死ぬまで働き続ける」というのは、あまりにも寂し過ぎる。少なくとも、自分の好きな趣味くらいは持っていないと、仕事を離れた無口な男性はますます無口になって、ぼんやり沈む夕日を見つめている……というのは、あまりにもの哀し過ぎるような……。
2025-05-27
ドジャーズの大谷選手の報道に紛れて、いま一つ大きく報道されていないが、今年のヒーローは間違いなくカブスの鈴木誠也選手だ。何しろ現在まで打点においては大リーグのナンバーワン49打点を叩き出している。ホームランも大谷選手には少し劣るが、それでも14本だ。これらが、いかにすごい数字であるかは、日本のプロ野球と比べてみれば判る。現在、日本ではパ・リーグの場合、レイエス選手と万波選手が共に本塁打9本でトップ、打点は中川選手が26打点でトップだ。セ・リーグの場合、阪神の佐藤選手が本塁打12本、34打点と両部門でトップだ。これらをみても解るように、アメリカのメジャーでの鈴木選手の49打点というのは、群を抜く数字なのだ。もちろんホームランだって、日本でならトップになれる。まあ、大谷選手のような天才型は別として、鈴木選手のように大リーグで“徐々に成績を伸ばしていく選手”は少ない。ましてや“打点王”というのは、そのチームのけん引役であることを証明する勲章だ。しかも、群を抜いている。残念なのは、まだホームランが大谷選手に4本ほど引き離されている点だ。これも、今年はムリかもしれないが、来年や再来年になって“追いつき、追い越す”ことは可能かもしれない。年齢的にも、鈴木選手はまだ30歳でプロ野球選手として、あと3~4年は体力的にも十分に通用する。こういう選手は極端な調子の波が少ないので、平均的な数字は今後も期待できるだろう。これまで日本の選手はどちらかというと技巧派とでもいうか、ほんとうの意味でのスラッガーは少なかった。大谷選手が出て来たことで、日本人選手たちが“大リーグの世界”でもリラックスして立ち向かうことが出来るようになってきたような気がする。かつて大リーグで一時的ではあっても活躍した新庄選手は、現在では日ハムの監督として手腕を振るっている。その成果がようやく表れ、今シーズンの日ハムはトップを走る位置にいる。やがて、大谷選手や鈴木選手や山本選手のような大リーグでもトップを争う選手たちが、日本に戻って英才教育を施し、世界一の野球王国を創っていくのではないだろうか。
2025-05-26
タレントの大久保佳代子氏が雑誌インタビューの中で“老いの恐怖”について語っている。女性の場合「更年期」というものがあるので、より“老いの足音”というものを、男性よりも実感として感じやすいかもしれない。大久保氏の場合、現在54歳だから、まさに更年期そのものに突入していて、その結果として、さまざまな症状として“更年期”や“老い”を感じているようだ。彼女いわく「肌のくすみ」「白髪の浸食」「気分の落ち込み」「浅い眠り」「生理の減少」「体温の不安定」そして「尿漏れ」……といった各部分で実感しているらしい。男性でも同様なのかもしれないが、男性には閉経もなければ生理もないため、その明確な“区切りのライン”というものが判然としていない。それでも、或る程度の年齢に差し掛かれば、体力の衰えは嫌でも実感するところで、基本的には“似たようなもの”と言えるかもしれない。昔から、男性は“定年”になって仕事を離れると、急速に“衰え”が目立ってくる人たちもいる。現代は、定年になっても働き続ける人が多いので、そういう意味では昔ほど「定年→老い」という結びつきにはならない。ただ女性の場合、子供のいる人は“子供たちが家を出た後”に急速に“老いの恐怖”を感じ始める人たちもいる。子供達がいる間は、或る種の責任感と緊張感で、心身とも“我が身”が保たれていることもある。また女性によっては、やはり“閉経”という現象が、嫌でも“老いの始まり”のような気持を抱かせるかもしれない。もっとも、最近は逆に「閉経してからが、ほんとうの自由な女になれるのよ」と言い切る女性たちも居る。大久保佳代子氏の場合、もはやタレントとしては十分に活躍して名前も知られ、人気も得て、財産も築いたであろうから、そういう意味での“老いの恐怖”はないはずだ。ただ健康面だけは、当たり前の話だが“お金”でも“地位”でも買えない。ましてや仕事時間が不規則で“お酒好きな人”の健康面は、あまり保証できないのだ。もう少し、仕事をセーブし、或る程度、規則正しい生活に舵を切った方がほんとうは良いのだろう。ただ“売れっ子芸人”“個性派タレント”として、仕事への意識が強そうなので、彼女の場合は“老いが急速に進んで”初めて、ちょっとだけ後悔をするのかもしれない。
2025-05-25
トランプ大統領というのは、ときどき“わからないこと”をやる。今回は、その刃を“ハーバード大の留学生達”に向けた。つまり、ハーバード大学の留学生達の「受け入れを禁止する」というのだ。世界で、もっとも有名な大学の一つであるハーバードへは外国から多数の留学生たちがやって来ている。学生たちの三分の一は留学生で占められている。どうして、そんなにハーバードの留学生達を“毛嫌い”するのか。それには理由があって、実は留学生達の多くが、イスラエルのガザの攻撃に対して抗議デモを行ったからだ。アメリカ政府は基本的にイスラエルを支持している。したがって、留学生たちの行動は基本的には“イスラエルへの抗議デモ”なのだが、間接的には“アメリカ政府”への抗議デモでもある。つまり「トランプは間違っている‼」と言われたに等しい。頭脳優秀な学生たちから「トランプは間違っている」と抗議されたも同然なのだから、そりゃ単純なトランプ大統領は怒るに決まっている。実は日本からも100名以上の学生たちが、留学生としてハーバード大で学んでいる。もっともたいていの日本人留学生は、その時のデモになど参加していない。それでも、実質的に“留学生憎し”となった大統領は最初に、ハーバード大への助成金を凍結し、次に税制上の優遇措置を取り消し、最終的に“留学生受け入れ禁止”を打ち出した。困るのは、とばっちりを受けて“留学生で居られなくなる”可能性が出て来た関係ない外国人たちだ。もちろん大学側は「資格停止は憲法違反」として提訴する予定だが、きちんとした解決まで時間がかかる可能性もある。思いもよらぬところから、追放される可能性が出てきた日本人留学生たちは「エリート街道」が塞がれた格好だ。それにしてもハーバード大に100人以上もの学生が留学していたこと自体が驚きだ。国際人として、エリートコースを歩むうえで“通行手形”となっていた“ハーバード大卒”の資格が失われてしまうかもしれないのだ。人生は、どこで何が起こるかわからない。将来のエリートコースとして選択したはずの道には、思わぬ“陥没穴”が出現したことになる。
2025-05-24
北海道石狩市で4月13日に見つかった「新生児の遺棄事件」その容疑者が、5月23日“DNA検査”により親子関係が証明され、正式に逮捕された。近くに住むアルバイト従業員17歳の少女だった。母子手帳は発行されておらず、家族にも知らせず、病院にも行っていなかったようだ。特徴ある白いバッグに“へその緒が付いた新生児”を入れて近くの住宅の敷地内に遺棄したものと思われる。現在、詳しいいきさつを捜査中で、警察でもまだ状況把握が完全に出来ていないようだが、だいたいの経緯は、これまでの報道から推測できる。おそらく少女は“予期せぬ妊娠”をして、動揺し困惑し続けながら、病院に行くこともせず、だれにも言わず出産に至ってしまった……ということだろう。それにしても出産が近づけば、必ず、お腹が目立って、挙動もスムーズに行かなくなり、独りでの出産は大変だったに違いない。時々こういう人が居るが、昔から言うように「女は弱し、されど母は強し」で、女性の身体は産むまで“本能的な強さ”を発揮できるようになっている。だが実際に出産してしまうと、どうしてよいか分からなくなる……のが未婚の母の多くだ。この少女の場合は特に、家族も知らなかったようなので、だれにも相談できなかったに違いない。ただ通常こういう場合に、多くの女性は“発見されやすい場所”に新生児を置く。それは早く発見されて「誰かに育ててもらいたい」という本能が働くからだ。運命学的な観点から言えば、どうしても女性は、自分の分身である新生児を、すぐ“ひとりの人間”として捉えるのが難しく“自分のモノ”意識が強いのだが、実際には母体を離れれば、もう別の生命体であって「新生児」としての“ひとりの人生”が始まっている。もう“母親の所有物”ではないのだ。だから、その後のことは「本人の運命」に任せた方が良いのだ。もし、運命的に恵まれていれば、どんな不遇な環境や状況に生れても、必ず、育っていくに長じて“本来の姿”、つまり「恵まれた環境」を手に入れるようになる。母親が与えるわけではない。だから“新たなる生命”は、そういうふうに“自然に手放すこと”を思えば、今回のような悲劇は救えたに違いない。強運な新生児は、必ず、逆境から抜け出す「運」を持っている。
2025-05-23
最近、組織犯罪としての“詐欺・窃盗犯罪”がどんどん拡大している。特に多くなってきているのが“警察を語る”犯罪者たちだ。われわれはどうしても「警察」という言葉に弱い。だから、それがニセモノでも「警察」と言われると、なにか逆らってはいけない……かのような気持ちが働いてしまう。そういう心理をつけこんで組織的な詐欺集団は活動するようになってきた。特に「容疑者たちの持ち物から、あなた名義のクレジットカードが出て来た」などといわれると、身に覚えがなくても「もしかしたら…」などと思ってしまう。仮に容疑者たちの持ち物からクレジットカードが出てきたところで、それが即「利用されている」など考えられないが、パニック的になっている時にはどうしても「ほんとうですか⁉」という反応になってしまう。そして「これから確認しますので、あなたの個人情報をすべて確認していきますので話してください」などと言われると、もう、その警察がホンモノかどうかというよりも、自分のカードが「不正利用されていないかどうか」の方が気になって、すべての情報を伝えてしまったりする。その電話の後に“警察官を名乗る人物”がやってくれば「捜査上必要なので、確認作業のため2時間だけ貸していただきます」などと言われれば、手渡してしまいやすい。もちろん、その後2時間経ってカードは戻されるが、その時には、もう預金が引き出されていたりする。そういった感じで「警察」を名乗る詐欺集団が多くなっているようだ。昨日、フィリピンのマニラ近郊で暴力団系詐欺集団「JPドラゴン」のメンバーモリヒロ・マサトなど7人が拘束された。最近は海外に拠点を移して、そこから電話をかけ、実行するのは日本居住の者たちという手口が多いようだ。かつては「安心・安全な国」として知られた日本だったが、もはや、その看板はない。日本の経済の長期低迷が、いつの間にか“詐欺集団に引き込まれていく人物”を増やしている。「警察」を名乗る集団だけは早期に消失させていかないと、真面目な高齢者は特に「警察」を信じ込みやすい。
2025-05-22
ヨーロッパ最大規模の映像コンペティションとして知られるドイツの国際映画祭で、日本から出品されたNHKドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」が見事“金賞”を射止めた。原作は三浦しをん氏の同名小説で、今回のドラマでは女優の池田エライザ氏が主演している。この原作小説は2012年に本屋大賞を得ている作品で、もう13年も経っている。その翌年に映画化もされるなど日本でも評価の高い作品だが、海外で、それも欧州で“国際的な価値ある賞”を受賞した意義は大きい。これは本来、日本の辞書の編纂に取り組む人物たちに照準を当てた作品で、日本語の持っている“意味”や“解釈”と格闘している人たちの話だ。つまり、元々地味な領域だし、世間的にそれほど評価される仕事でもない。しかも「日本語」は欧州の人たちにとっては“異世界”なはずで、その意味と格闘するなどといっても、奇妙にしか映らないような印象を憶える。もちろん、近年はアメリカで「将軍」が大ヒットしたように、日本のアニメガ作品が世界的に注目されているように、Jポップが再ブームを生み出しているように、日本の“文化”や“言語”そのものにも一部の欧米人たちから注目が集まりつつある。さらに主演した池田エライザ氏には、その人自身に“不可思議な魅力”がある。さまざまな要因が重なっての“金賞”とは思うが、なによりも“辞書を創り出す人々”をドラマ仕立てにした原作者の力量は大きい。原作出版から13年も経って、改めて脚光を浴びたことが素晴らしい。小説やTVドラマは、一時的にブームを創り出すものはときどきあるが、そのブームが過ぎてしまうと、跡形もなく「忘れ去られてしまう」ものが多い。そういう中で、こういう地味な作品でありながら、何度も“光が当てられたこと”自体が素晴らしい。近年、若い人たちの間で“最先端なもの”に向かう人たちと、それとは逆に“古典的なもの”或いは“微かに生き永らえてきたもの”に向かう人たちの…両方の人たちが出てきている印象を持つ。しかもその二つが決して拒絶し合うのでもなく、しずかな分水嶺で共存し合っている。じっくりと見渡せば、令和の時代とは、そういう時代なのかもしれない。
2025-05-21
時々こういう衝動的な犯行を行う人物がいる。千葉船橋市の「自宅内で人質立てこもり」を行った容疑者・和田敢士(32歳)だ。彼は5月19日の夕方、自宅リビングで音楽を聴いていた。多分、音量強めで聴いていたに違いない。それを59歳の母親に注意された。一応、本人の供述では「それで家族全員を殺そうと思った」ということになっているが、母親だけでなく“家族全員”と述べているので、つまりは日頃から、家族全員から“あれこれ”注意を受けていた可能性が強い。少なくとも、家族の中に“彼の仲間”は居なかった…ということだろう。それにしても、母親と妹を“人質にとって自宅に立てこもる”という筋立ては、あまりドラマチックではない。もう少し場所を変えるとか、人質相手を変えるとか、した方が何となく“事件っぽい感じ”が出てくる。今回のだと、果たして「立てこもり事件」として、扱って良いのかどうか、ちょっと気恥しい。彼が立てこもってから、同居している彼の実兄が100当番通報している。実兄が通報しているということは、日頃から、弟なら「そういうことをするかもしれない」と思っていたからだ。そうでなければ、まずは兄貴が弟を説得するか、行動として“取り押さえるか”していただろう。そうしていないのは、弟を“危険人物”とみなしていたからだ。実際、容疑者は部屋の中に灯油を撒き、包丁2本を持って、母親と妹とを監禁していた。ただ、どう考えても、この容疑者の「家族全員を殺す」という計画には落ち度がある。確かに部屋に灯油を撒いて母親と妹は監禁したが、同居していた実兄は拘束できなかった。そうなると、確実に兄は110番通報する……とは、どうして考えなかったのだろう。それに、仮に家族全員を「灯油を撒いた部屋」に閉じ込めたとして、そこに火を点けたなら、確かに家族は死ぬかもしれないが、自分はどうするつもりだったのだろう。彼ら家族が暮らしていたのは一戸建ての借家である。したがって、もし火を点けて全焼した場合、家族は亡くなるかもしれないが、彼自身も自宅を失うことになる。もしかすると彼は、最初から犯行後は自首しようとしていたのか。それなら居住場所を確保できる。家族と折り合いが悪い者は、親戚とも折り合いが悪い。したがって、この人物をかくまってくれるとか、救済してくれる人物は出て来そうもない。そうなると、もはや路上で好きな音楽を聴くしかないではないか。母親にリビングで音楽を聴くのを注意されたら、自分の部屋でボリュームを下げて聴いていれば良かっただけの話なのだ。彼が刑務所から出てきた時、彼を出迎えるのが母親しかいないとしたら、こんな哀しい出迎えは……ない。
2025-05-20
これは意外に“面白い展開”になって来たのかもしれない、という気が私にはする。フジ・メディア・ホールディングスの“株価の行方”と、SBIホールディングスの会長である北尾吉孝氏による「SBIネオメディア」設立の動きだ。昔の時代劇で「大岡裁き」というものがある。「当山の金さん」の方が知られているが、名奉行による“公正で人情味ある裁定”のことだ。北尾氏は先頃、そういうふうな形で“フジテレビ問題”に一肌を脱ぐ決意を語った。ところが、実際にはフジ・メディアの現経営陣側が、北尾氏の“出現の仕方”を快く思わなかったか、彼の出現そのものを“封印する”決断を下した。現経営陣側は、元々は外資からの提案である“北尾氏を始めとするメンバー”が加わることを完全に拒否し、自分たちが“望ましいと思う社外取締役4人”を選出した。これに激怒した…と伝えられるのが北尾氏だ。なにしろ彼は、自分から“この問題”に首を突っ込もうとしたのではない。大株主である外資から提案されて“その気”になったのだ。そうして“背中の桜吹雪”を見せたつもりだったのだが、現経営陣は「あれって映画の世界でしょう、うちには関係ありません」と断ったのと同然であった。まあ言葉遣いこそ丁重だったが、見事に「梯子を外された」形となった。通常、はしごを外されると、人は落っこちるのだが、北尾氏は、地表すれすれで独自の「SBIネオメディア」設立を掲げて、何とか体裁を保とうとしている。さて、フジ・メディアの株価は“現行体制の続行”を宣言した後の昨日、奇妙にも大きく上昇した。それは外資なのか、或いは村上ファンド系なのか不明だが“株の買い占め”を続行していることを窺わせる。つまり「フジ・メディアの変革」をあきらめてはいない可能性が強い。一方のSBIホールディングスの株価は“横ばい”で、北尾氏の新会社を、特に“応援しようとする人達”が出現したようには今のところ見えない。だが、北尾氏の新会社の構想は、実は現在、アメリカなどで起こって来ている「主要な金融機関がメディア領域にも進出する」新たな潮流の先鋭になるかもしれないのだ。わたしが思うに、本格的な動きは7月くらいからになると思うが、もしかすると、既存のTV局などにとって“脅威の存在”へと徐々に成長していくかもしれない。つまり梯子を外された“当山の金さん”だが、半分“やけっぱち”で開始した事業だが、実は将来の“大きな鉱脈”を掘り当てているのかもしれない。
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