仮想通貨の取引所「コインチェック」から580億円分もの「NEM(ネム)」流出事件が起こって2カ月弱が経った3月22日午後6時45分、盗み出されたネム通貨のほぼすべてが別のコインや現金へと交換された。そこに関わったのは1万3千を超える口座であり、知らずかかわった取引所や口座もあれば、知っていて交換に応じた取引所や口座もある。犯人と思しき人物は、通常では入れないダークサイトを経由していて、ネット技術関係の専門家か、闇関連の関係者か、どちらかが関わっていることは確実と思われる。今月18日にNEM財団が“追及打ち切り”を宣言していた。簡単に言えば、お手上げ宣言である。それによって、変換されず残されていた通貨が一斉に動き出し、資金洗浄を終えた。犯人が開設したと思しき“闇の取引所”では画面が変わり、北朝鮮の金正恩氏が札束に埋もれて高笑いする画像となっている。もちろん、これは“ブラックユーモア”的画像で真実とは思えないものの時期が時期だけに、100%のジョークと受け取ってよいのか、それともどこかでつながっているのか、真相は“闇の中”である。G20でも“仮想通貨”に関する議論は交わされたらしいが、国によって捉え方が微妙に異なるだけに、実質的には“今後に持ち越し”のような結果になった。それにしても「ネム流出事件」とは何だったのか、改めて考えさせられる。多くの人は新興企業が招いた“セキュリティのミス事件”として捉えたかもしれない。けれども、考えようによっては深夜を狙った「銀行強盗」だったのだ。580億円もの貨幣が一挙に盗み出された。現代の銀行では、実際にはほぼあり得ない。現実の貨幣を盗もうとした場合、580億円は大量過ぎて運び出すのが大変だからだ。大体、通常の銀行だと金庫にそれほどの金額を保管していないのではないだろうか。こういう事件が起こると、銀行強盗を扱った過去の映画が妙に懐かしく、しかもすがすがしく思えるのはなぜだろう。
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