「真っ赤な惑星」とは言うまでもなく“火星”のことである。今月31日に15年ぶりに地球に“大接近”するらしい。日頃、占星術に興味を持っている人たちでも、実際に夜空を見上げ“惑星観察”をすることは滅多にないだろう。ところが、古代の占星術師というのは“実際に観測した星たち”を記録してホロスコープの判断を行っていた。それだけに、こういう“火星が接近してくる夜”など大興奮だったのだ。火星は、惑星たちの中で唯一“赤い”。血のように赤い。炎のように赤い。その“赤い輝き”がどんどん迫ってくる。古代の占星術師の頭に“炎で焼く尽くされた町”、或いは“戦場で血が噴き出している兵士”、王の背後から襲い掛かってくる刃…などの幻影がちらつく。動きが速く、その動きが変幻自在で予測できないのが“真っ赤な火星”だった。当然、古代の占星術師は火星を“不吉な星”と見立てた。その真っ赤な火星が地球に接近してくるのは、不吉な出来事が起こる予兆に違いなかった。これが古代の占星術師たちの“判断方法”なのだった。今考えると、非科学的なのだが、意外なほど“これが的中”する。だから、いつの間にか、これらの意味が、火星の意味合いとして定着していった。西洋占星術だけでなく、東洋占星術の解釈もほぼ同様である。ちなみに五行の「火」は“火星”から来ている。「火」の方位は“南”だが、これは真夜中に“真南”において“真っ赤な火星”は輝きを増すからである。ちなみに「金」は“西方位”だが、これは“オパールのように輝く金星”が夕方、西空にひときわ大きく輝いて見えるからである。だから王宮では金星が見え始めると、“宝石まばゆい美女たち”が歌い踊って王を楽しませたのだ。なぜなら、夜空では太陽から金星は48度以上決して離れない。それと同じように、麗しい美女たちは王のそばから離れない。それが王国が繁栄する秘訣だったのだ。
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