ちょっと気になったので過去の記録を調べてみた。過去「運び屋」としての任務には失敗したが、無事体内から排出して現在も健康で暮らしている人物に、コカインの小分け72個分を飲み込んでいた人物が居たそうだ。小分けの量が同じかどうかわからないが、今回の場合には体内解剖により246個の“小分け”を飲み込んでいたことが判明している。「ウドウ」という42歳の日本人男性は、最初コロンビアの首都ボゴタから4時間35分かけてメキシコシティーへと飛び、そこから成田向けの航空機へと乗り込むことに成功した。成田までは12時間35分の長旅となる。ところが、男性の体内では既に“危険信号”が点滅していた。小分けしていた袋の一部が溶け始めていたのだ。メキシコシティーを離陸して間もなく「ウドウ」の様子がおかしくなった。その変化に乗務員が気付いた。顔面蒼白で激しく痙攣し始めていたのだ。その異様さが操縦士の方にも伝わり、緊急事態として近くの空港へと急きょ着陸した。すぐに救急車が手配されて病院へと運ばれる準備を整えたが、既に死亡していた。もしかしたら乗務員は離陸前から“その男の異変”に気付いていたのかもしれない。何しろ246個ものコカインを飲み込んでいるのだ。仮に小分けした袋が破れなかったにしろ、普通に機内で長時間も座っていられるわけがない。当然といえば当然なのだが「運び屋」は飛行機の中にいる間、食べ物や飲み物を口にしたがらない。長時間飛行では、それだけでも健康に支障をきたす。実際、昨年、成田でX線撮影により検挙されたチリ人男性は、病院に移され体内の薬物が排出されるのを待っていたが、その途中で小袋が破れて死亡した。今年3月にも「運び屋」としての任務そのものには成功し、身体の中の“仕分けされた覚せい剤”が出て来るのを待っていた男性が、宿泊していたホテルの部屋で変死した。体内の覚せい剤の一部が破損してしまったのだ。つまり、体内に隠して「薬物」を密輸するというのは文字通り“命がけ”なのだ。そういう“命がけ”の任務をなぜ行うのかと言えば、多くの場合には「借金を背負っている」からだ。断れない事情を抱えているからだ。おそらく「ウドウ」という日本人男性も、そうだったに違いない。そうでなければ土台が無理な“246個の小分け”など飲み込まない。もしかしたら強引に飲み込まされた可能性もある。短時間の飛行ならともかく、長時間の飛行で成功する確率は極めて乏しいと思われる。「日本国」のパスポートを所持していれば疑いをかけられにくい。“疑いをかけられない”もう一つの条件は、真面目そうに見えることである。だから、真面目そうに見える人は“大きな借金”など作ってはいけないのだ。
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