どうも我々には「合同結婚式」という名称には何となくのアレルギーがある。別に“祝典”なのだから、そんなことを想い出す必要はないのに、やっぱり頭の片隅の「大丈夫かな」という想いを拭い去ることが出来ない。一時期、世間を騒然とさせた「統一教会」による合同結婚式の光景だ。あれからもう何十年も経って、おそらく“統一教会の合同結婚式”に関しては、知らない世代のカップルたちが今また「合同結婚式」を行っている。もっとも今回の舞台は韓国ではなく、中国の上海だ。上海の「海洋公園」と呼ばれるところで、22組のカップルが、多くの観光客などに見守られながらタキシードとウエディングドレス姿で「合同結婚式」を行った。式のクライマックスでは、花婿たちがドレス姿の花嫁に対して何故かヘルメットをいっせいに被せる。実はこの「合同結婚式」に参加している新郎たちは、いずれも中国の“ネット出前サービス”大手の「ウ―マラ」に所属する配達員たちなのだ。上海市では、社会全体に“新業態”で働くグループや個人に理解を求める意味も兼ねて、この「合同結婚式」を企画したという。つまり、宗教ではないのだが、どことなく“統一化”されているのは、中国の“国家意志”のようなものが垣間見られるからなのか。最近は何でも、アメリカに次いで新しいものが“すぐ社会に浸透していく”傾向を持っているのが中国社会だ。まるで「もう一つのアメリカ」のような感じさえあるのだが、アメリカが“無差別に生み出す”のとは違って、中国の場合には何となく「国家」として“生み出させている”感が否めない。だから何であれ“統一感”が出てしまうので、そこが奇妙なことには“宗教”と、ちょっと似てしまうのだ。つまり何でも“統一し過ぎる”のは、妖しくなっていく前兆なのかもしれない。
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