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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


「声相」と「筆相」と「気」が物語っている真実


その電話は、最初5秒ほど沈黙があった。それで私は20分ほど前に掛かってきた電話の主と同一だな…と直感した。「…先生のところは風水も見ていただけるのですか?」「風水ですね。ええ、見ますよ」「名前の方はどうでしょう?」「ええ、見ることは見ますが…鑑定の依頼ですか?」「……」「鑑定ではないのですか?」「これからすぐに伺っても良いのですか?」「いえ、私のところは予約制なので…今日なら、午後5時からであれば予約を受けられますが、どうなさいますか?」「それでは5時にお伺いします」

受話器を置いた後なんとなくスッキリとしなかった。私には、その電話の主が20分ほど前にも掛けて来て、電話に出ようとしたら切れていた電話の主と同一であることが読み取れていた。その声や話し方から、60代くらいの男性で多分小さな会社を自営しているような社長タイプの声質であった。ただ、何となく引っ掛かるものがあった。その訊き方と云うか、尋ね方と云うか、何かがある話し方だったからだ。

通常、私は怪しい方の場合は予約を受けない。後でトラブルになるのが嫌だからだ。だから私はその時にも「鑑定ですか?」と訊いたのは、何かしら意図を持って掛けて来ているなら止めた方が良いのでは…と云う風な意味合いからだった。本当に予約してくる方と云うのは、躊躇しながら占いに関しての質問などしてこないからである。ただ私が鑑定依頼を受けたのは、その方が社会的地位を得ている方に違いないと思ったからである。

電話や書体云うのは不思議なもので、その人物の社会的地位・身分のようなものを無言のうちに物語っている。何故か隠しきれないものである。以前、私のところにも「振り込め詐欺」の電話が掛かって来たことがあるが、その電話の主は、自らを政治団体の大物だと名乗った。ところがその声や話し方が全然政治的ではない。明らかに無理がある。私は一瞬で解かったが、面白いのでそのまま聴いてみた。結局、その政治団体らしき処へ寄付をしろ、と云うたぐいの話で説得力もない。多分年齢も20代で「やらされている」と云う感じだった。

手相とか人相とかについては誰でも知っているが、声相や筆相に関しては意識しない人が多いかもしれない。私だって、別にそれらを特別学んだわけでもない。学ばなくても、意識しなくても、それなりの社会的地位・立場にある人の声・話し方、文字・書き方には一種特有の「相」と云ってよいものが存在するものだ。それは世界各国どこへ行っても共通である。そのようなことは別に観相家でなくても注意深く世慣れた人であれば誰でも気付いている。例えば見知らぬ人から届いた一通のハガキでも、その文字や書き方を見れば大体どういう生活をしている人なのかは想像がつく。別に手相や人相を見なくても、それくらいは筆相や声相だけでも判断できるものだ。しかもそれらは何となくの「相」であって、特別どうだからと限定的な形や音があるわけではない。

午後5時になって、その方は来た。電話からの予想通り会社社長であった。それも私が予想したよりも立派な会社の社長であった。人相的にも長年地位・肩書を得て生活している人の相であった。ただ、その「気」は衰えていて、精神的な焦りや問題を抱えていることが読み取れた。どんなに手相や人相が立派な方であっても、気が充実していない時には迷いが出るもので事業などの判断に狂いが生じやすい。「これがうちの代表取締なのだが、みんな名前が良くないでしょう?」彼は自分のところの企業パンフレットを広げた。本人も含めて四人の取締役の名が掲げてあった。だが私が一見したところでは、特に問題があるような名前の持主はいなかった。「別に問題があるような名は含まれていませんが…」「……そうですかね。悪いって言われるからなあ…」「いったい誰がそういうのか知りませんが、私の見るところでは、別段大きな不幸や災難を抱えて生きて来られた方がいるとは思われません」「まあ確かに、みんな経歴は良いんですよ。それぞれ社長とか部長だった者も一人いるけど、まあトップで来ている」「会社の経営状態だって、そんなに悪いようには見えませんけど…」「まあ、赤字経営にはなってないけどね。でも良くない。私の運勢が悪いんでしょうか?」「そんなに運勢が良くないなら、トップでなんかいれませんよ」「でも、ここに移ってから良くない」「この社屋は、風水的に云うと営業力が年配者たちになるはずなので、そういう点からいえば若々しさはありません。本当は取締役とかに若い人を持ってくれば良いのですが…」「営業にはいないんですよ、息子はどうですか?」「正直云って、息子さんはこの業種が向いていません」「息子も嫌いだと云っている。コンビニでもやらせようかと思っているのですが…」「コンビニも向きません。もっと大きなお金が動く非日常的な分野でないと息子さんには合いません」このようなやり取りが1時間以上続いた。

鑑定が終わろうとしていたとき、私に予約の電話が入った。そのやり取りを聞いていた彼は急に「お宅のところは時間制なんですね」と云った。「ええ、そうですよ」彼の顔色が変わり「今日はお金を持って来ていなかった」と財布を確認した。80余名の従業員を抱える社長でありながら、財布には1万4千円しか入っていなかった。私は自分自身のうかつさを感じたので「2万円ですが、今日は1万円で良いです」と云った。「いや、そんなわけには…明日お届けに来ます」「いや、今回だけはサービスします」「いや、そういうわけにもいきませんから、あす、必ずお届けにあがります」「では、もし居ない時には郵便受けにでも入れておいてください」そういうやり取りで帰って行った。

ところが、それから5日以上経っているが、何の音沙汰もない。私は何とも後味の悪い思いを引きずっている。

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