時々、怖いような計画が密かに実行されていく。昨日、日本産科婦人科学会に“子宮移植計画”が提出された。つまり、子宮のない女性に“子宮提供者”からの子宮を移植するための研究・実験を本格的に取り組もうという提案である。まずわれわれ(特に男性)が驚くのは、“子宮のない女性”が実際に存在しているという点である。私などは単純に女性は全員、子宮を備えて産れているものだと思っていた。ところが、そうではない女性達がいるのだ。生まれつき子宮のない女性を「ロキタンスキー症候群」と呼ぶらしい。それとは別に、がんなどの病気によって子宮が失われてしまう女性達もいる。何んと、その両方を合わせると、日本国内だけでも推計5~6万人もの“子宮のない女性”がいるらしい。すごい数ではないか。それなのに、われわれは最初から「私、子宮が無いんです」と言われても、真剣には取り合わず「冗談はやめてください」と言ってしまいそうなのだ。中には「えー、じゃぁ、元は男性だったんですか」と失礼なことを言ってしまうそうである。そういう女性達のために、日本でも“子宮”の臓器移植を行おうというわけだ。ただ、ここでいくつか疑問が起こる。ここで取り上げる“子宮”は人工物ではない。あくまでも成人女性から“提供された子宮”のことなのだ。そうすると当然、提供者たちは“子宮”が無くなる。もちろん、妊娠・出産のための臓器なのだから、50代以降の女性のものでは困る。若々しい女性達の子宮である必要があるのだ。そうすると、誰かの身体から、取り出さなくてはならない。「私はまだ若いけど子宮は要りませんから…」という女性達から譲り受けなければならない。献血と違って、与えても、また新たに生じて来るものではない。表現として相応しいかどうか疑問だが「腎臓」臓器の提供と似ている。一応、それが無くなっても生活に支障はきたさない。但し、ホルモンなどで多少の身体的変化は生じるかもしれない。欧米などではすでに実用化されていて、54例が報告され、そのうち13人の女性が新生児を得ている。大昔、赤ちゃんはコウノトリが運んでくるといった“大嘘つき”がいるが、子宮の売り買いによって、神様はまた一つ、尊厳を傷つけられることになる。
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