過日、久しぶりに「風水講演」(読売新聞社主催・積水ハウス共催)を行った。最初の予定では、私の講演は午前11時28分から開始される…という予定であった。主催者側は最初、午前9時には会場入りしてほしい…という要望だったが、午前11時28分という細かな時間枠を設定しながら何故そんなに早く行かなければいけないのか―私からの疑問提出で会場入りは10時半に変わった。よくTV出演などでもあるのだが、何時間も前からスタジオ入りさせたりする。ときには何度もリハーサルしたりもする。どうも、ああいう芝居がかった部分が好きになれない。それにTV局によってはきちんとした控室を用意していなかったりもする。別に立派な控室などいらないが、それなら何時間も前から呼びつけるべきではない。
今回の場合は、会場が一流のホテルということもあって、控室はもったいないほど広かった。普段は結婚式の親族控室らしい。私は講演用にいくつかの図面を用意しメール添付で提出していたが、実際の映像画面としては一切確認していなかった。元来、そういうことに対して神経質ではない。主催者側が何時間も前から来て欲しいというのは、一つには映像の配置・順番、壇上やマイク等のテストといったことに対しての配慮もあるらしい。私はいつも“出たとこ勝負”で、講演用の原稿も一切持たない。文字通り手ぶらで会場入りする。1時間なら1時間、30分なら30分、時間に合わせて話すだけだ。私は昔から占いの鑑定であっても、時間に対しては正確である。30分の鑑定は30分ぴったりで、1時間の鑑定なら1時間ぴったりで鑑定する。よくイベント等で「1人5分で鑑定できますか?」等と問われるが、別に5分でも私自身の方は何ら問題はない。例え鑑定依頼者が、その続きを要求しても「今日は無料鑑定で5分間と決められていますので…」と平然と客を突き放す。よく客に粘られて5分のはずが20分も鑑定しているような先生がいるが、私には信じられない。依頼を受けた占い原稿でもそうだが、私は要求された文字数ぴったりに書く。多くなったり、逆に少なくなったりすることは、まずない。文字数ぴったりに書く。まあロボット的と言おうか、コンピュータ的と言おうか、あまり人間味のある方ではない。
そういう私にとって、今回の風水講演は30分間と短い時間の二回講演だ。そういう風に身体に言い聞かせて会場入りしている。最初が午前11時28分、次が午後3時28分…そのはずであった。ところが実態は全く違った。まず、最初の講演者が予定をオーバーして話し続けている。“収納のプロ”と呼ばれる人の話らしいが、正直、私は会場入りするまで名前すら知らなかった。しかも、その方が話し始めてから会場入りしているので、顔合わせもしていない。すぐに控室に入っているので、関係者とは全く顔を合わせていないのだ。挨拶回りの好きな人もいるが、私は基本的に嫌いなので出歩かない。二番目の講演者は建築士らしいが、この方の話も予定時間をオーバーした。結局、私が実際に講演者として壇上に立ったのは11時53分であった。私は素早く計算する。…ということは12時23分までだな…。私は実際、その時間で話を終えた。午後の部も同じようなものであった。私は話の内容を大きく変えてみた。正直、どう話を持って行ったって30分で終わろうと思えば終われるんですよ、と前の二人の講演者達に教えたかったのだ。しかも“収納のプロ”と呼ばれている方は持ち時間が私よりも30分も長い。それなのに時間にきちんと話終わることが出来ない。確か関西方面の方だったようだが、講演で全国をくまなく飛び回っている…と聞いた。私のように滅多に風水講演の依頼が来ない占い師とは訳が違うはずだ。にも拘らず、予定にきちんと合わせられないのではプロではない。
後で聞いた話では、主催者側は私が「ドクターコパ」などで知られる一般的な風水を述べてくれることを期待した向きがあるらしい。私が“風水は占いの一分科に過ぎない”と述べたことがお気に召さなかったらしい。それならば波木星龍を呼ぶべきではない。もっと、そういう話をしてくれる人物がいくらでもいるはずだ。私は最初、持ち時間を知らされる前に主催者側から「どういうテーマ内容で話すのか提出して欲しい」との要請で“職業別による幸運な住宅”と“家族別による幸運な住宅”と“恋愛運・金運を招く風水の秘訣”の三つを語ることを伝えておいた。イベント会社からは「多分1時間」との話だったので、まあ三つくらいあった方が良いかな…という軽い気持ちから提出したテーマであった。最初から30分と知っていれば、最後のテーマだけでも十分であったのだ。それでも約束をした以上30分で三つ私は話した。
これを読売新聞社の関係者や積水ハウスの関係者が読んだなら二度と私にお声が掛らないかもしれないが“収納のプロ”に1時間も与えて、どんな話をさせたのか知らないが、一般の方達にとって“収納”の話が“風水”の話よりも二倍の魅力を持っているとは私には思われない。にも拘らず前の二人の話が長引いても、関係者の誰ひとり私の元に謝りにも来ない。まるで「メインはそっちなのだから遅れたとしても当然」のような雰囲気さえあった。この人達みんなプロなのか。プロ意識を持って仕事をしているのか。
占いイベントでもよくあることだが、何時までと決まっていても、次々とお客さんが続いて引き延ばしになることがある。それなら最初から、大体の時間配分をすればよい。今回のように11時28分等という微妙な時間を最初には指定しながら実際には11時53分になるのであれば、主催関係者を十数人も配置する必要がないではないか。午後の部でも改まらなかったということは、話し手も素人なら主催側も素人の集団だ…ということになる。もし関係者がこれを読んだなら、ぜひ私にコメントを寄せていただきたいものだ。
掲載日:2010年03月21日
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