「single-blog2.php」* 有料カテゴリ:「過去の占いコラム」は一括2,000円で全て読むことが出来ます。// ざっくりとは終了 // Header画像を変更する事

過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


人間を叱る太陽と大自然の脅威


各地で「お祭り花火」の季節となった。私の暮らす札幌でも今日は花火大会があるのだが、どうも天候の方がすっきりしない。元々の予報は晴れだったはずだが、今日になったら「夕方から雨」の予報に変わった。マンションの広いベランダから豊平川河畔の花火大会が見られる―と云うことも販売時のウリだったはずだが、見慣れてしまうと特別の感動もない。ましてやここ数年、この時期の天候があまり良くない。夏祭りは暑いから良いので、気温が25度に達しない祭りは今一つ盛り上がりに欠ける。

盛り上がりに欠けると云えば、マスコミが騒ぎたてた割には日本における「皆既日食」も悪天候で精彩を欠いた。最良の観測地と云われた悪石島の天気予報は当初「晴れ」と云われていたのに「曇り」に変わり、やがて「雨も…」と変化し、その日・その時間帯になると「暴風雨」となって、とても観測どころではなくなってしまった。皆既日食やダイヤモンドリングは晴天であってこそのものなので、ツアーに参加された方達には「お気の毒に…」と云うしかない。今回の皆既日食にかこつけて「占い商売」をしていた人たちもいるが、元々現代の占星術において「皆既日食」に特別の意味が存在しているわけではない。皆既日食に意味を持たせていたのは古代の占星家(天文家)、及び古代の為政者たちなのだ。

古代の占星家たち、例えば都市国家ウラリットの占星家は「日食」を「王が汚される日」と捉えていた。と云うのも、輝く太陽を王冠を輝かせている王に見立てていたからだ。したがって「王は彼の家臣に攻撃される」といった予測が行われることになる。これは実際の遺跡粘土板文書中の記録だ。したがって、実際に王は都を去るとか、身代わりの王が立てられるとかした。身代わりの王は神官の息子から択ばれ、百日が経過後殺されて丁重に葬られた。

古代ギリシャの時代には、BC585年5月28日?の日食が奇跡を起こし、メディア王国とリディア王国とが15年間続いた戦争を、日食が出現して辺りが闇に包まれたことで終結させている。古代のインドや中国においては、日食を「太陽が悪魔や龍に飲み込まれる現象」と捉えていて、その出現する天空位置に大きな意味を持たせ「黄幡神(おうばんしん)」や「龍の頭(ドラゴンヘッド)」として占星術に取り入れている。

日本では推古(天皇)36年3月2日に日食があったが、日食の日が近いことを心配した天皇は2月から病が重くなり、日食から5日後の3月7日に崩御されたという記録がある。どうも日食と云うのは不気味な印象を為政者たちに与え続けたようだ。無理もない。皆既日食の場合は太陽が徐々に欠けていって、辺り一面が真っ暗となり、急速に冷え込み、まさしく「暗黒の昼間」が出現するのだ。これに古代人が恐怖を感じない筈がない。したがって、一部の商売上手な占星家が「皆既日食は幸運のチャンス」などと喧伝していたが、古代人が幸運など感じるはずがないのだ。むしろ「天空からの戒め」として、暗黒の昼間を体得したに違いないのだ。そういう意味では「皆既日食ツアー」に参加し、人間界の科学である長期予報が外れて大自然の力を思い知った人達は古代人に近付いたとも云える。

そうは言うものの…私は以前から「長期予報」というモノに疑問を持っている。私の占いが当たる確率よりも低いくらいで、まあ科学の粋を寄せ集めているはずだが、私の占いと同じように今一つ信頼(?)に欠ける。いったん梅雨明けを宣言したはずの関東も、曇りや雨の日が続いている。それに「北海道に梅雨はない」という表現も、近年は嘘に思えて仕方がない。気象変動が起こっているなら、その辺も見直すべきではないのか。

それはともかく今回の皆既日食現象は、先にも述べたように幸運よりも大自然の脅威を改めて知らしめる効果があった。それよりも少し前、北海道の大雪山系で真冬の寒さが老人達を飲み込み凍死させた。その二日前には東北で竜巻が老人のいる民家を飲み込んだ。その前日には山口の集中豪雨で土石流が老人達を飲み込んだ。そう…みんな古代人がとらえたように飲み込まれているのだ。大自然は、無言の内に我々に何かを伝えようとしている。

「ex-module-past-post-list-01.php」出力:single-post用の過去記事ループ処理

過去の記事一覧素顔のひとり言

  • 「大谷選手の故障」と「株価予測」が見事的中‼

    早いもので今年も“雪景色”の季節となった。そこで、今年一年の「波木星龍の占い予言」を振り返ることにする。私は別に、有名人の予言とか、社会的な予言とか、本当はそんなことはどうでも良い 続きを読む

  • 波木星龍の公的な「予言の的中率」

    占い師の評価というのは、必ずしも“的中率”にあるわけではないが、そうは言っても“どの程度的中しているのか”は、その評価の重要なポイントであるには違いない。よく“口コミ”と言われる“ 続きを読む

  • 自らが創り出す「未来」

    占星学や推命学の研究者の中には“先天的な運命”を動かしがたいものとして、本人の“意志”とか“選択”とか“努力”などを認めないような判断の仕方をされている方が多い。私自身も占星学や推 続きを読む

  • あまりにもお粗末な「ツタンカーメン」番組

    こういう番組をどう捉えれば良いのだろう。制作サイドは日本の視聴者をあまりにも軽んじすぎているのではないだろうか。7月18日のTBS古代エジプト世紀の大発見プロジェクト「ツタンカーメ 続きを読む

  • 日進月歩で「後退していく」占いの世界

    世の中、日進月歩で進んでいくものが多い中で、まるで“後退りしている”ような世界が「占いの世界」だといってもよい。どうして後退りなのか、ここ20年ほど「新たな研究」「新たな学説」「新 続きを読む

  • 人は“さまよいながら”生きていく

    人間社会は「勘違い」で成り立っている。例えば、私は“書きもの”などでは何でも明確に“ズバズバ書く”ので、現実にもさぞかし「即断即決の人」「迷いのない人」「怖い人」であるかのよう誤解 続きを読む

  • 「パスワード」という魔物

    私は元々が“IT型の人間”ではないので、日頃から“IT関連のもの”は苦手である。その中でも一番厄介なのが「パスワード」で、あらゆる場合にこの部分で躓いてしまう。何故、もう少し簡単に 続きを読む

  • 占い依頼者との「距離」について

    当然のことながら、占い師は常に何らかの悩みや問題を抱えた相談者や依頼者と相対して仕事を行っている。初めての依頼者もいるが、その多くは過去に“占っている方”で、いわば“常連さん”に属 続きを読む

  • 「使命感」の持っている美しさ

    どのような世界であっても「使命感」の中で生きている人達は、それぞれに“美しい”ものです。もちろん、これは外見的なことではなくて、“生き方としての美しさ”です。その人なりが滲み出てく 続きを読む

  • 日本人であるということ

    今年は正月から週刊誌が飛びつきそうな話題やネタが矢継ぎ早に飛び出している。「ベッキー不倫騒動」があり「スマップ独立失敗」があり「甘利金銭疑惑」があり「宮崎育児不倫」があり「清原覚せ 続きを読む