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タロットの秘密

大アルカナ「11」(又は「8」)=力(欲望)


ここに示した4種類のタロットカードは、いずれも古代エジプト文明を、その図柄デザインの中に取り入れているカードです。 ただし、私の秘密のカード解釈は、一般に知られているものとはその多くが異なり、まったく独自の古代エジプト文明解釈に裏打ちされており、 エジプト系カードを用いながら、原初タロットカードの真実の姿を皆様にお伝えしようとするものです。

STRENGTH(力)

アンセント・タロット

アンセント・タロット

ネフェルタリー・タロット

ネフェルタリー・タロット

トート・タロット

トート・タロット

カラシマ・タロット

カラシマ・タロット

タロット解説

このカードは、アンセントやカラシマのカードでは「8」となっていて、ネフェルタリーやトートのカードでは「11」のナンバーが与えられています。けれども、図柄は大体共通していて、女神、もしくは王妃と思しき女性が、ライオンのそばにいて平然としている様子が描かれているようです。トートのタロットでは、人面がいくつもある奇妙な獅子身に裸の女性がまたがっていて、地下ドグマを支えているかのような図柄となっています。
一方ネフェルタリーのタロットでは、マルセイユ系のタロットで用いられている女性がライオンの口を押さえ、手なずけている図柄が使われています。いずれにしろ、四枚ともライオンと女性と云う点では共通しているのです。ただ、マルセイユ系やウエイト系のオーソドックスなタロットでは、普通の女性が描かれているのですが、エジプト系のタロットではそれぞれに違っています。
ネフェルタリーのタロットでは、イシス女神が描かれ、カラシマ・タロットではアトウム神に守護された女性が描かれ、アンセント・タロットではセクメト女神が描かれ、トート・タロットでは女神なのか、王妃なのか、一般女性なのか、図柄だけからはハッキリとしません。
このトート・タロットの図柄は、ライオンの顔面に当たるところに、複数の人面が描かれていますが、実はそれ以外の背景にも心霊写真のようなぼんやりとした顔面がいくつも描かれています。トート・タロットは、偉大な魔術師としても、呪術師としても知られるクローリーの指示によって描かれたカードとされているだけに、もっとも霊的作用を受けている可能性が高いようです。
古代エジプトにおけるライオンは、極めて古くから王家の守護神として崇められていました。スフィンクスはその代表的な存在です。それは、別なカードのところでも説明したように、星座としての「獅子座」の象形を太陽が通過して行くとき、古代エジプトの時代は夏至を迎えていて、ナイル河の増水が始まり、エジプト暦上の年始となって、スフィンクス神殿からギザの二大ピラミッドの谷間に、夕日が沈んで行く姿を見ることができたからです。
この地平線下に沈んでいく太陽を「アトウム神」と見立てるのです。そして、その創造神・アトウムから生まれたとされているのが「シュウ神」と「テフヌト神」です。共に、神としてレリーフ・図像として描くときには、牡ライオン、牝ライオンの形象として描かれます。つまり、カラシマ・タロットがアトウム神を描いたのは意味のないことではないのです。また、ネフェルタリー・タロットのイシス女神も、エジプト神話上、テフヌトの孫娘に当たっていて、牝ライオンに無関係とは云えません。ただ、エジプト神話上、誰もが認める牝ライオンの女神は「セクメト」で、「ラー神」の娘として広く認識されています。
つまり、多神教の古代エジプトにおいて、その代表的な太陽神は、昼間が「ラー神」で、夕方が「アトウム神」なのですが、そのラー神の娘がセクメトで、アトウム神の娘がテフヌトなのです。さらに、その孫娘がイシスと云う図式です。
云うまでもなく動物としてのライオンは、百獣の王として古代から恐れられていました。しかし、半面、その風貌は堂々としていて王家の守護神に相応しいものを備えてもいました。ここでもう一つ、注目すべき事実を披露しておきましょう。
実はこのカードの図柄にきわめて近い姿のレリーフが、古代エジプトには存在しているのです。もちろん、このような事実を見出している研究者など居りません。それはエジプト先王朝期に分類される出土品で「ゲルゼー期のナイフ」として有名なものです。その柄の部分の裏面に、立ち上がりかけた左右のライオンを、手で軽く止めているかのような男性の姿が描かれているのです。女性と男性の違い、左右と片側の違いはあるけれども、手で軽くライオンを制する構図は同一です。実際には、片手で軽くライオンを制するなど不可能なことを思えば、この類似を偶然で片づけることはできません。この構図の下の場面では、ライオンが山羊を襲っている図柄も描かれているところから、その獰猛さを軽視しているわけでもないのです。つまり、ライオンをも支配下に置く神王を描きたかったのだと思われるのです。
牝ライオンとして描かれたセクメトにしろ、テフヌトにしろ、戦場では特に力を発揮し、邪悪なものすべてを焼き尽くす力があると信じられ、炎の熱風を吹き付け、時には父親にさえも反抗する存在として神話上では描かれています。
したがって、実占上では、情熱的でライバルにも打ち勝ち、競争社会に強い半面、怒りやすい我が侭娘としてのイメージで、各種判断するのがふさわしいカードと云えるでしょう。

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