掌の記号の種々相―星型と十字型

a-1のように人差し指の下、やや指先近くに十字型が出現するのは、恋人や配偶者に対して尊敬を伴った純粋な愛情を示す人の相である共に、優れた社交性の持ち主であることをも表しているようです。欧米の手相教科書では「幸福な結婚の表示」として、古くから知られている相です。この十字型は、頭脳線の方へと引き寄せられていると、上記の意味になりません。

a-2のように中指の下で星型や十字型が出現するのは、共に好ましくない運命の暗示で、手相家キロは「短命の相」とし、何人かの実例を挙げています。中村文総氏は「運命の子、宿命の玩具としての人生を歩む」とし、樫尾太郎氏は「循環器のマヒ」としているようです。運命線先端が十字で止まるのは、大いなる失脚や悲業の最期を遂げる人の相とも云われています。

a-3のように薬指の下に、やや大きめの星型が太陽線上に出現するのは、華やかな人生を象徴するもので、大いなる名誉・名声に恵まれる人の相です。これは星型であることが条件で、十字型ではいけません。また、太陽線上でも、その先端部分でも、どちらでも構いませんが、やや大き目であることが条件です。華やかな分野に向き、地味な分野では成功できません。

a-4のように太陽線を十字型がストップさせているのは、それまで築いてきた社会的な地位・名誉を致命的なスキャンダルが台無しにしてしまう形で、人生と云う坂を転げ落ちていくようなケースにしばしば見受けられます。この場合、十字の先にも太陽線が刻まれていれば、一時的に失った地位や名誉を、時間をかければ復活させていくことは可能となります。

a-5のように小指下の水星線上に十字型や星型があれば、今現在、経済的な窮地に立っているケースが多いものです。その場合、水星線自体に力があれば、その窮地から脱出できるし、弱々しい水星線の場合は詐欺的な災難に遭って借金を抱え込むとか、自己破産や債務整理などで丸裸になっているケースが多いようです。若い人の場合は、今後十分に立ち直れます。

a-6のように結婚線の終末付近に、星型や十字型がある場合は、配偶者や恋人に危険が迫っていることの予告で、急病で倒れるとか、大きな事故・怪我に遭って、死の淵をさまようとかするものです。この場合、結婚線のその後が水平に刻まれていれば一時的な状態で止まりますが、大きく下降している場合は回復難しく、危険から逃れるのが難しい暗示となります。

a-7のように感情線の下、掌の外側付近に星型や十字型が出るのは、大きな事故や事件に巻き込まれやすい人の相であって、アクシデントによる怪我、外出中の事故に要注意の相です。この場合、十字よりも星型の方が激しいトラブルとなります。この付近に各種の記号などが出やすいのは、性格的にも闘争的なところを持っていて、敵を持ちやすい人の相と云えます。

a-8のように生命線の内側を走る金星線(別称=影響線・印象線)上に星型、又は十字型があるのは、愛する人に突然のアクシデントや災難が降りかかる形で、この場合「愛する人」とは、配偶者・親・兄弟・子供・恋人など、そのとき最も身近にいる人となります。戦争で配偶者や恋人を失くした人にも、事故で愛する親を失った人にも、見掛けることがあるものです。

a-9のように生命線の内側で、中央部より下方に逸れるような位置に、やや大き目に星型が出現するのは、親、又は親代わりの人が急死するサインとなります。この場合、その星型から小線が伸びて、運命線に向かっていくケースもあります。これが形良く運命線に流れ込むなら、親の死は必ずしも不幸には終わらず、大きな遺産をもたらし幸運を呼び込むこともあります。

a-10のように生命線の下部で、まるで生命線にまとわりつくような形で、比較的小さな十字型が出現することがあります。この場合、生命線に接近はしますが、その線上には掛からないのが特徴です。また、一つの十字だけでなく、二つ、三つと出ているようなケースも見られます。いずれも重い慢性的疾患を抱えている形で、癌の場合もしばしば見受けられます。

a-11のように生命線の下部から外側に流れる「移動線」上に星型や十字型が出現するのは、移動や旅行に関連するところから思わぬ災難や事故に遭遇するサインで、時として火災や地震や台風によって住居を奪われることがあるので注意が必要です。特に海外旅行の多い人や、仕事上の移動や出張が多い人は、アクシデントに遭っても大丈夫なように備えが必要です。

a-12のように太陰丘(月丘)の下部に、十字型が出現するのは「水難の相」で、この場合十字型は一つとは限らず、二つ、三つと出ているケースもあります。水難事故などに要注意の相ですが、大雨の被害やアルコールによるアクシデント、稀に泌尿器系の疾患として表出されていることもあります。海外渡航は船旅が凶で、飛行機に変更されれば災難を逃れられます。

a-13のように頭脳線の末端に星型や十字型があるのは、悩み多き人に見受ける相であって、仕事に対して限界を感じやすい人の相と云えます。中高年の場合は、しばしば危険な兆候を意味し、精神の均衡を失って、発作的に自殺を考えるなどしやすい傾向がみられます。思いもかけぬ事故・怪我によって、それまでとは180度異なった環境に追い込まれるようです。

a-14のように頭脳線上で、中指下に位置する部分で、くっきりと十字型が出現しているのは「神秘十字形」の変形であって、霊感鋭く、宗教や運命学、或いは呪術を極めていく人にしばしば見受けられます。本来「神秘十字形」は頭脳線と感情線との中間に大きく刻まれるのが特徴ですが、このように小さくても神秘的な能力を発揮することは共通しているようです。

a-15のように頭脳線の途中で、その線上に触れるか触れないかギリギリのところで、小さな十字型が出現しているのは、怪我・事故の多い人の相であって、この十字が一時的に出現しているなら、数か月の間だけは、人一倍用心するのが賢明と云えます。永久的に出現している場合は、特に目に関連する疾患や、脳神経に関連する事故などに要注意の相となります。

a-16のように生命線上にやや大き目の星型が出現するのは、突発的な病気・事故によって生命が脅かされる形で、普段、健康だからと云って油断はできません。このような徴が生命線上に出現するのは、激しい痛みや苦悩を伴う外部要因が働くケースが多く、病気であれば急病で激しい痛みを伴い、事故である場合は手術を必要とするような怪我が一般的です。