鳩山政権が誕生して1ヶ月が経った。予想以上の大差をつけて自民党を蹴散らし、念願だった政権獲得を果たした民主党だが、その後の霞ヶ関の評判は今一つパッとしない。週刊誌などは早くも新政権に対して総攻撃を開始している。実際「ムダを省く」と云っておきながら、現実には「95兆円です」と云うのでは、誰もが「おやっ…?」と思って当然であろう。もちろん、そうなることは予測できていたはずで、選挙前だから「削ればいくらでも無駄なお金が出て来るんです!」と叫んでいたに過ぎない。その叫びにマスメディアも根拠なく同調し声高に歩調を合わせていただけだ。したがって新政権が抱える種々の問題点は、それを生み出した感のあるマスメディアにも責任がある。私がこれまで民主党に関して全く触れなかったのは、こうなることが最初から判っていたからだ。大体、社民党や国民新党との合意だって、極めて危ういもので、いつ亀裂が生じてもおかしくはない。
それ以前に、民主党本体だって、決して一枚岩ではない。晴れやかに船出した鳩山「日本丸」だが、どうも穏やかな航海というわけにはいかないようだ。それでも国民の支持は今も7割方ある。この支持率が下がらない内に、次々手を打っていかないと、国民の期待は絶望へと変わってしまうだろう。
ただ占い的な観点から云うと、鳩山氏は運気の良い時期に総理となった。したがって年末までは一応無難に切り抜けられる可能性が強い。問題はその後だ。
私には鳩山総理に関して最初から気になっていることが一つある。それは彼の話し方だ。もともと慎重な物言いをする人だが、総理となって「くぐもった話し方」をすることが多くなった。対個人と話す時にはあれでも良いが、国民全体に向かって話すとき、或いは諸外国の首脳を相手に話す時、ああいうくぐもった話し方では一国を統治し、代表して相対する者として少々覇気がなさすぎる。覇者としてもっと堂々と明確な物言いをしなければいけない。それが国を率いる―と云うことだ。そういう点で、小泉元総理の話し方は合格点である。私は昔、演劇サークルに所属していたとき、よく「声がこもる」と云って注意されたものだ。人間は内向的で周りを気にし過ぎ、秘密めいた考え方にとらわれ、迷いが生じて決断が鈍ると、どうしても声は内にこもるようになる。それでは一国の総理は務まらないのだ。
話し方だけでいえば、前原大臣の話し方は線としてやや細いが「くぐもったところ」はなく、スッキリとしている。ただし、この人は口唇が左右不均衡で人相的に歪みが見受けられる。こういう人は「恨みを買いやすい」と云う特徴がある。この点を注意しないと、足元をすくわれかねない。つまり、弱者から恨みを買わないような発言・行動を心掛けることだ。よくTV・新聞などで国民の支持・評価が数字として出されるが「6割以上の人が支持している」と云っても、だから正しいとは必ずしも言えないものだ。何千億という巨額が投じられるダム工事などに対し、税金が使われることを、その地域に無関係な人達の多くが賛成する筈がないからだ。羽田の「ハブ空港化」にしても、その方が便利な事など何十年前からだって判り切っていたはずで、今更の感がぬぐえない。
私が新政権の目玉政策の中で最も懸念するのは「子供手当」で、これは不公平なだけでなく、経済対策として即効性に乏しく、何よりも学力の低下につながる。新興国の子供たちの「真剣な学び方」は経済的な貧しさと大いに関係がある。飽食の国から「必死に学びとろうとする子」は生まれない。貧しい地域ほど「学ぶことの喜び」と「知識が経済的豊かさを生み出す」ことを本能的に知っている。だから真剣に、必死に学ぶ子が多数誕生するのだ。欲しいモノが簡単に手に入る国で、黙っていても大人が与えてくれる国で、必死に学ぶ子は生まれない。教師をバカにし、親を軽んじる子供を増やすだけだ。当然、そのような政策を打ち出した政治家が尊敬されるわけもない。むしろ何年か経って「子供手当」が廃止となったら、その時点で親だけでなく子供達も政治家を信用しなくなるだろう。金持ちの親が、子供の欲しがるモノを何でも与えて、遊んでばかりで勉強しなくなった…と途方にくれる姿を考えてみれば良い。そうなって急にお小遣いを廃止すればどうなるか。
もう一つの新政権の目玉が「年金対策」だ。ところが国民の期待が最も高い長妻厚生大臣は、官僚に見事に操られている…との声が囁かれている。ミイラ取りがミイラになっている…と囁かれているのだ。大丈夫か。野党の時には威勢が良くても、いざ与党となって自分の出番となったら、途端に意気消沈と云うのでは「正義の味方」が泣く。
「正義の味方」と云えば、TVのミステリーチャンネルで『逃亡者』が再放送されている。妻殺しで死刑を宣告された無実の医師が、護送の途中の列車事故から逃亡し続けていく内容で、アメリカの実在事件にヒントを得てドラマ化された名作だ。私の子供の頃に放映され、手に汗を握りながら食い入るように見つめていたのを昨日のことのように思い出す。人間と云うのは変わらないもので、リチャード・キンブルは今でも私の中のヒーローなのだ。このドラマを見るたび、正義って何だろう、と思ってしまう。現実に「殺人犯の逃亡者」が傍にいたなら、見逃してあげることが出来るだろうか。逃亡者の云う言葉を、そのまま信じてあげることが出来るだろうか。そしてこのドラマのように、逃げながらも同時に自らが関わった人達を、自分を追って来た刑事の命までをも救う努力が出来るだろうか。日本の政治家たちにも、ぜひ見て欲しいドラマだ。
掲載日:2009年10月30日
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