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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


未来への計算


最近、年金問題が世間の注目を集めている。多分、将来に対して不安を持つ人が多いからなのだろう。私は正直なところ、自分自身の年金がどうなっているのか全く分からない。もう大昔の話になってしまったが、私にもサラリーマンの時代があり、厚生年金から国民年金へと切り替えているので、そういう意味では今回の社会保険庁のミスは他人事ではない。それはそうなのだが、だからと云って自分の記録を調べるでもない。

経済的な不安と云うことなら私の場合、目前の不安の方が、はるかに大きい。当然のことながら私の場合、占い以外に収入源がない。したがって、そこからの収入で生活が成り立っているわけだが、そこには何の保証もない。つまり、毎月どれくらいの収入となるのか、自分でも全く予測ができないのだ。ハッキリ云って、来客が急になくなるとか、急病で倒れてしまうとか、何かの理由から生活費が拡大するとかした場合、生活設計は大きく狂って万事休すとなってしまうだろう。

そのようなことを考えると、どうしてもネガティブな発想となってしまうので、普段は努めて考えないようにしている。

したがって、たぶん十年ほど先のこととなる年金問題は、私にとってまだ当分差し迫った問題としては捉えられないのだ。それに現代のような変動の激しい時代、数字だけで未来を正確に推定・分析するのは多分不可能のような気がする。私は、江別から札幌に移ってからの7年間は、特に運と云うものに左右されながら生きて来たような気がする。

ちょうど7年前の6月、私は未来への不安いっぱいで生きていた。住む場所さえも定かではなく、針の筵のような日々の中で、毎日苦悶し続けていたような気がする。

そんな日々の中で、ある日、私は裁判所の近くにある公園のベンチで、何気なく時間つぶしも兼ねて咲き乱れる花々を見ていた。のどかに初夏の日差しが照りつけ、この世のものとも思えないほど花々は美しかった。

私は何故か、今現在の苦境から…救われるんだ…と、ぼんやり思った。のどかで美しい花々が私を祝福してくれているように思えたのだ。実は同じような経験を、私は以前にもしていた。一度は15歳の時、入院していた病院から退院した朝で、思いがけず急に退院できた喜びで、私は感謝の気持ちでいっぱいだった。二度目は30代半ばで、いったん総てを失って絶望していた私は、このとき新たな職場を与えられたのだった。この日も明るい日差しが天使のように私の周りをふんわりと包んでくれていた。

このような過去の体験から、7年前の6月も、何かが私を救ってくれるかもしれない…と云う漠然とした思いがあった。事実このときを境に精神的には解放され、私の運気は変わり始めたような気がする。

私は、占い師である自分が、占いによってと云うより、ある種の天啓・予感によって未来を感じ取りながら生きて来たような気がする。そして今、何故か7年前の6月を思い出した今、計算できない未来が着々と開始されようとしているような気がする。

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