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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


歩き出したロボット


かなり前から、だましだまし使い続けていたパソコンがとうとう壊れた。ある日、朝起きてスイッチを入れたら、再起動画面となって、お化けのような大きな文字が修復画面に出てきた。もしかしてと思い、もう一度スイッチを入れ直してみたが駄目だった。私が使用していたのはウインドウズMEだったが、この前に所有していたパソコンのときには、しばしばこの巨大画面が出て、そのあと不思議にも通常画面に切り替わって元に戻ったりしたものだ。だから、時間が経てば戻るかと期待したのだが駄目であった。

そうと分かれば、新しいパソコンを購入するしかない。仕方なく富士通の最新型を買った。新しいものは当然のことながら画面が鮮明だ。それは確かに良い。ただ、どうもこのパソコン、ちょっと触れただけで画面がすぐに切り替わるとか、実際には押していないのにタッチされた形になって起動してしまう。あまりにも過敏に反応しすぎる。ハッキリ云って使いづらい。たんに慣れないからであろうか。そうかもしれない。だが、そうでないかもしれない。

新しいから、最新型だから、便利で使いやすいと思うのは幻想のような気もする。現に、この家に越してきてから、ビデも一度も使っていないし、食器洗い機も一度も使っていない。特にトイレのビデはどうも好きになれない。お尻が濡れる感触が好きになれない。紙で拭き取る方がよほど気持ちが良い。ところが、稀にホテルなどでビデしかないところがある。あれは困るのだ。私など、わざわざポケットからティッシュを取り出して拭いたものだ。私は原始的に出来ているのか、以前タイの田舎に行った時なども、水洗ではない汚れたトイレに入らなければならなくて、一緒に行ったメンバーは「とても汚くてする気にならない」と云っていたが、私は平気だった。

都会生活、或いは現代生活に慣れると、あらゆることがコンピュータの手助けを借りないと出来ないかのような錯覚に陥る。もちろん様々な分野で、コンピュータやロボットが今やなくてはならない存在になっていることは事実だ。まるで生命をもった助手のような活躍を各所でしていることも事実だ。これらに逆行するような生き方は事実上できない。

ただ、コンピュータやロボットに振り回されるのだけはごめんだ。

占いの世界でも、一時期コンピュータソフト全盛の時代があった。あらゆるソフトが出現し、私自身も占星学などで、その監修を行ったりもした。ところが、意外にもブームは長続きしなかった。大体がコンピュータ関連を好む人たちは移り気な人が多い。すぐに飛びつくが、すぐに離れていく。第一コンピュータだけで個々の運勢を読むのは無理があるのだ。確かに生年月日時を打ち込めば、回答はすぐに出てくる。しかし、人間の運勢は生年月日だけで一から十まで決まるほど単純ではない。そんなことは漠然と誰でも感じているはずなのに、四柱推命の大家や、占星学の大家や、六星占術の大家は、どうもその辺が本当には分かっていないらしい。

特にコンピュータ好みの人の中に占星学の研究者は多い。欧米では事あるごと占星学上の小さな仮説・新説が発表されている。その結果として、現在でも溢れるほどの研究領域が、占星学にはある。おそらく、そのすべてを身につけている実占家は一人もいないだろう。これを読んだ研究者の方で、すべてを身につけていると胸を張れる人が一人でもいるだろうか。残念ながらいないのだ。それくらい占星学の領域は広い。しかし、広く、深いと云うことと、それが優れていると云うことはイコールで繋がらない。かえって繁雑にしてしまっているきらいさえある。それに気づいていながら、誰もそれを口に出そうとはしない。それが占星学の世界だ。

たとえばロボットが歩きだしたからといって、そんなことは数万年前から、人間は行っていた。つまり、歩き方がどんなに進歩したとしても、それだけで人間の役には立たないし、人間を超えることもできない。計算能力は人間よりもはるかに精密だが、その能力を発揮するには人間の指示が今のところは必要なのだ。どうも占星学の種々な学説や技法を見ていると、実際に困っている人たちや、悩んでいる人たちの拠り所としては、あまりに抽象的すぎて任せるに足らないもどかしさを感じさせる。

ある方が私に対して「先生は手書きでホロスコープを作るのですか?」ちょっと驚き、一方で軽蔑したかのような云い方をした。「一時期パソコンで出したのですが、また手書きに戻したのですよ」と云ったら「正確ですか?」と疑うような眼をした。「いや、多分、あまり正確じゃないですね、手書きですから…」その方は、二度と私のもとへは来なくなった。私はそれで良いと思っている。コンピュータは確かに精密なホロスコープを作り出すが、沈黙したままなのだから…。

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