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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


1日2万人の悩める人たち


今年3月から政府支援で開設された24時間無料相談の「寄り添いホットライン」に1日2万件以上の電話が掛って十分に対応出来ない状態なのだという。あらゆる相談を無料で受け付けているという点と、種々な支援体制を用意しているという点が悩める多くの人達を引き付けたのだろう。今は電話を20回掛けて1回繋がる程度というから、その盛況ぶりが窺える。相談の多くは貧困と孤独に関してのようで、5日間何も食べていないとか、死にたいとか、待ったなしの状況で掛って来る場合も多いようだ。生活保護費を不正に受給する人達もいれば、本来はすぐ受給すべき状態なのに中々与えられない人達もいる。近年は働きたくても働けない若者達も急速に増えて来ていて、いったん生活保護となったら今度はそこから中々抜け出せない社会構造もある。ここ20年程の間に日本は急速に経済がやせ細って“普通に生活していく”こと自体が難しい国へと変ってしまった。

私は“人間の運命”を占い師という立場から研究し続けてきたが、永い人類の歴史上という観点から見れば“平和で実り多い時代”もあれば“争いや苦難に翻弄される時代”もあった。どちらかといえば今は、後者の時代に突入しつつあるのではないかと思える節がある。さらに「国」という単位の推移で見れば、日本は平安時代や安土桃山や江戸時代後期が比較的世の中が安定し経済的にも恵まれ文化芸術に彩られた時代だったような気がする。同じように繁栄したのが敗戦後の昭和30年代半ば~60年代半ばにかけての約30年間で、高度成長期からバブル期まで良し悪しは別として“経済が潤い未来が輝いて見えた時代”であったような気がする。その一方で経済至上主義的な“狂乱の時代”でもあったが、世界中にその存在感をアピールできた時代でもあった。

ところが、急速にやせ細った日本経済は失業者を増やし、生活保護家庭を増やし、企業倒産や自己破産者を増やし、治安状態さえも徐々に悪化している。地震・津波・原発問題で多数の市町村を破壊し、職や住居を奪った。かろうじてそれらから逃れた人達にも、次々と重税の波が押し寄せようとしている。そういう時に「寄り添いホットライン」が出来たのだから、貧困と孤独の悩みが多数寄せられるのは当然と言えば当然かもしれない。妙な言い方になるが、今の世の中の不公平感が、これに拍車を掛けている。世の中が公平に感じられれば、周りのだれもが似たような生活の仕方をしていれば、貧困と孤独というのはあまり感じず済むように出来ているのだ。丁度“戦後の焼け野原”がそういう状態で、周りのだれもが生きることに必死で、多くの人達が愛する家族・親戚を喪い、似た者同士としての“暗黙の連帯感”を持っていた。だから貧困ではなかったし、孤独ではなかったのだ。或る意味で「戦争」は国民全体に平等で、その結果としての焼け野原は“生きていくための戦場”に変わった。いやでも「生きる」という強い意志を持たなければ生きていくことが出来ない日々だったのだ。

けれども、今は違っている。世の中が公平ではないのだ。天と地ほどの収入格差がある。労働力の「差」というのでもなく、才能の「差」というのでもない。いわば“運の差”なのだ。世の中のだれもが孤独でもない。幸せな家庭・家族に囲まれている者もいれば、一人膝を抱えなければならない者もいる。大勢の仲間・友達に囲まれる者もいれば、常に単独行動を余儀なくされる者もいる。性格の「差」というのでもなく、常識の「差」というのでもない。これらが、よりいっそう貧困と孤独を強めるのだ。

占いは、これらの人達の救いにはならないか。実はこれこそが私が占い師を継続し続ける最大の理由なのだ。もちろん、個人的な悩みにはこれまでにも対応してきているが、こういう根本的な問題「運命」にどう対処すれば貧困や孤独から脱出できるのか。いや正確に言えば「運命」をどう利用すれば“幸運を掴める”のか、その完全解明と提唱こそが私が果たさなければならない最大の課題なのだ。

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