10月, 2015年

神話伝説から生まれた五行相生理論

2015-10-30

五行相勝(相剋)理論(中国戦国時代末・約2400~2200年前)から少し遅れて、「五行相生理論」が登場(約2150~2050年前)してくることになります。占いの研究者の感覚からすると相生理論の方が先にありそうですが、実際には逆な誕生順序なのです。もちろん、この「相生理論」の方も、「王朝交替説」に由来しているのです。すでに過去となった王朝交替が、見事に五行相勝の理論に当てはまっていたため、新たに誕生した五行相生説においては、その当時における神話伝説の帝王たちの順序を引き合いに出して展開されることになります。

つまり、ここで語られる神話伝説上の帝王たちは、

という順序で、その当時の人々の間に、五帝王として出現していたことが知られていたのです。
図らずも「木」→「火」→「土」→「金」→「水」の相生順になっている…という仮説です。

これらの順序の法則を、自然界に求めると、

ということになるのです。

自然界の原理が、ここでも「王朝交替説」という形で巧みに利用されたのです。
改めて「相勝(相剋)」「相生」の二つの五行理論を図解すると【1図】のようになります。

相勝(相剋)・相生の二つの五行理論(図解)

けれども、五行相勝(相剋)理論にしろ、五行相生理論にしろ、自然界の栄枯盛衰を表す理論として人々を納得させるものを持っていました。その当時だれもが信じた「天人相関説」の具体的な表れとして、王朝交替を画策する人々だけでなく、当時の学者・大衆にも見事に受け入れられたのです。やがて王朝交替説だけでなく、人間の運命の栄枯盛衰を推し量る羅針盤としても、占術家たちに継承され、現在まで2000年以上の長きにわたって用いられることになっていくのです。

今日、日本で「四柱推命」(「子平」「算命学」「命理学」「八字」「命学」等…)と呼ばれる占術の土台をなしている基礎は、十干十二支で構成された干支暦に基づく命式の表出と、その組み立てを陰陽・五行理論に基づく相互作用の分析・解読から判断することにあるといえます。そこで干支暦の成り立ちや仕組みについて、もう少し知っておいていただかなければなりません。

すでに述べたように、干支暦の出現は早く、今から3000年以上前の商王朝(一般的名称は「殷王朝」)期には使用されていたことが確実視されています。ただし、その当時の干支暦は、その日付だけが干支によって記されているもので、「月」は「漢数字」で表わされ、「年」は「王即位から○年」というような記され方をしていました。そして、まだ「時刻」に対しての表記は存在していませんでした。

「月」の表記は「一月」~「十二月」までですが、時として「十三月」の月も存在していました。それは当時の暦が「太陰太陽暦」だったからで、月の満ち欠け(形状)に従って「1か月」を定めていたからです。月の満ち欠けを用いると、1か月は「30日間の大の月」と「29日間の小の月」の繰り返しとなります。現代のように「31日間」の月というのは存在しないのです。そこでどうしても、1年間の日数が現代よりも少なくなります。つまり、毎年、徐々に季節が移動することになるのです。そこで季節の調節をするため数年間に一度「閏月(うるうづき)」と呼ばれる調節月を暦に挟むこととなるのです。その閏月のことを、商王朝では「十三月」として扱ったのです。

干支構成表

干支暦の表記に「干支日」だけでなく、「干支年(歳)」や「干支月(節)」や「干支時(刻)」が登場するのは、中国における戦国時代中期頃(紀元前400~300年代)ですが、戦国末期と思われる記録によれば「甲子」を60干支の起干支とはせず、「甲寅」の方を起干支として、甲寅年・甲寅月・甲寅日…から暦日をスタートさせています。やがて前漢代の『太初暦』の改暦で、干支月が飛ばされる形となって、現代と同じ配列「月干支」表記へと変わりました。【1表】

その後は、太陰太陽暦から太陽暦への切り替えはありましたが、干支暦そのものは年・月・日・刻に何ら手を加えることなく今日まで60干支を循環させ続けています。

王朝交替説として登場した五行理論

2015-10-30

肉眼観察可能な「古代の七惑星」に対する星神思想がもたらした「陰陽」「五行」という概念は、けれどもすぐに現代のような陰陽・五行理論に発展したわけではありません。

私の主張するように「陰・陽」=「太陰(月光)・太陽(陽光)」として捉えた場合、当然、自然界のあらゆるものが陰と陽とに分けられることになります。たとえば男女を陰陽に分類する場合、当然、その性器が「陰唇」とも呼ばれて、日蔭(ひかげ)に隠れる女性は「陰」となり、その性器が「陽根」とも呼ばれて、日向(ひなた)にさらされる男性は「陽」となります。

陰陽理論で注目すべきは「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」という転換作用の理論です。これは、そのまま「冬至」の陽光(日照時間)最短から、「夏至」の陽光(日照時間)最長へと切り替わっていく現象・変化を、そのまま言い表したものと捉えることが出来ます。もちろん、1日の内でも、真夜中12時は「陰」の極点であり、真昼の12時は「陽」の極点となります。

その結果、

と、定められたのです。

五行それぞれの性質は、

これらを図表としてまとめると【1図】のようになります。

陰陽・五行と七惑星(図解1)

次に、それぞれホームグラウンドを持つ五惑星を、より「五つの行(めぐ)り」として、法則化する手段として、中国における戦国時代(今から約2800年前~2300年前)末期に登場したのが「五行相勝の理論」です。この文字を見て、中国占術に精通されている方は「五行相生」の間違いではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。実は、五行理論には「五行生成理論」と「五行相生理論」と「五行相剋理論」があるのです。そして、その「相剋理論」の初期の名称が「相勝理論」なのです。なぜ、この名称に拘るのかというと、この「相勝理論」は、元々「王朝交替理論」として登場しているからです。

これについて理解するためには、古代中国における「天人相関説」を把握していなければなりません。天人相関説とは、「天上星神世界」=「地上人間世界」(天空上の神々の世界で起こるもろもろの出来事は、そのまま地上の人間世界としての中国王朝世界に反映される)…という考え方です。したがって戦乱の世において、次の王朝を打ち立てるにふさわしい者は、自然界における次の「五行の徳」を備えた王者でなければならない―という説が唱えられたのです。

現代の日本人にはなかなか理解し難い「徳」という存在が、すべてに勝って「王」としての資質を定め、勝者を導く、という考え方です。そのための理論として登場したのが「五行相勝の理論」なのです。

具体的には、中国最古の王朝である「夏(か)王朝」を「木の王朝」として捉え、続く「商(しょう)王朝」(一般的名称では「殷(いん)王朝」)を「金の王朝」として捉え、それに続く「周(しゅう)王朝」を「火の王朝」として捉えていました。そして、その火の王朝を打破する王者は「水の徳を備えていなければならない」という理論なのです。

ここで初めて実態を伴った自然界における「五行相勝理論」が展開されるのです。

つまり、

それぞれが、強さと、弱さの中で、相勝していくのが自然界だ、というのです。秦の始皇帝(肖像画)

事実上、「火の王朝」である周王朝がすでに崩壊していた戦国時代にあって、次に王朝を打ち立てる者が誰になるのかは、予断を許さない状況下にあったのです。そういう中で登場した「五行相勝理論」に基づく大胆な仮説は、大衆の支持を集める説得力を持っていたようです。実際に次の覇権を握った秦の始皇帝は、自らを「水の徳を備えた王者」として位置付けているからです。

「水の王朝」となった「秦(しん)王朝」では、新たに「せんぎょく暦=秦暦」を採用しています。この暦の特徴は、「水」の支配期間である「立冬」を歳首(としはじめ)とする10月から1年をスタートさせていることです。ちなみに、10月を歳首としているのは、中国の長い歴史の中でも秦の始皇帝の時代のみです。肖像画に描かれた秦の始皇帝は、常に黒の衣裳を身に付けています。それは「黒」が「水」の色として、自らを「水の徳のある王」として描かせようとした表れのようです。

江戸JAPAN極秘手相術 超入門から極秘伝まで一挙公開

2015-10-29

これまでの日本の手相占いは、実はすべて西洋式だった!気血色判断法など、なぜか隠蔽されてきたホンモノの江戸JAPAN手相術がいま甦る!

古代エジプト守護神占星術

2015-10-29

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古今東西の占い書籍を裸にする~どう読み、どう評価し、どう利用すべきか~

2015-10-28

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2015-10-28

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2015-10-27

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2015-10-26

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2015-10-23

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