2月, 2020年

「浮世絵」Gメンは「眼」だけじゃ弱い

2020-02-06

警視庁は東京オリンピックを前に「テロ防止」を呼びかけるポスターを作成した。浮世絵師・写楽の役者絵をモチーフとして「変だ!見逃すまい。テロ阻止!」などと書かれたポスター、チラシを作り、同時に都内200か所以上の大型モニターでも放映する。そのこと自体は大変に良いことだと私は思う。ただ、せっかく浮世絵をモチーフにするなら、もう少し一目で“それ”とわかるようなポスターにしてほしかった。“浮世絵”と言っても、実際には「眼」だけで、確かに気付くのは眼なのかもしれないが、この“眼だけ浮世絵”では、普通に歩いていて“それ”が目に留まったとしても、何のことなのか正直よくわからない。第一“浮世絵の眼”だとは、言われなければ気付かない。刑事の“鋭い眼”をポスター風に表現したものなのかと思ってしまう。せっかくなら、少なくとも浮世絵の顔全体くらいは表わさないと、浮世絵に見えない。それに、写楽にも失礼な気もする。本当は歌舞伎で“大見得を切っている姿”が「阻止する!」とストップをかける姿に符合するような気もするのだが…。それに、そういう感じのポスターの方が誰もが目に止めて、警視庁の“意気込み”も理解してくれる。特に外国人たちに注目されやすいことだろう。アイデアとして浮世絵の「眼」を使うこと自体は斬新で素晴らしいのに、外国人たちが誰もそこで一緒に写真を写そうと思わないポスターだとしたら残念である。この場合の文字は小さくて良いのだ。むしろ「なんだろう?」と近づいてきて読んでくれる方が良い。歌舞伎の姿だが胸には警視庁のマークが大きく入っているというのが、一番わかりやすい。最近のように、ドローン攻撃やサイバー攻撃やウイルス攻撃も可能な時代には、テロリストたちが“目立つ姿”や“解りやすい恰好”で歩くとは思えない。何を基準に「変だ!」と思えば良いのか、ポスターとは別に、そういう実質的な“要注意人物の特徴”も教えてくれないと、役には立たないような…。

「真剣交際」の“基準”をどこに置くのか

2020-02-05

大阪府が2月に議会提出する“改正条例案”の中に「18歳未満との交際」に関する条例案も含まれていて、その内容に注目が集まっている。基本的には、これまで通り18歳未満との“わいせつ行為”を禁じているのだが、その対象外になる条項として「真剣交際」が掲げられているのだ。つまり相手が18歳以下でも双方とも真剣交際であると認められれば、処罰をしないということだ。このような客観的判断の難しい条項をどうして加えようとしたのかわからないが、あとからひと悶着起こりそうな改正案だ。おそらくだが、親とか周囲とかが二人の交際を認めていて、双方とも「結婚」を視野に入れている、などの場合にはセーフだという意図なのだろう。そうは言うものの、親子が離れている場合、親子自体に会話がない場合、双方が離れている場合、双方が既に同棲している場合、近親婚に近い場合、一方が別居中既婚者である場合、女性がすでに妊娠している場合…どう判断すべきか迷うような事例がいくらでもある。これらの場合であっても双方とも「真剣交際」を訴えればセーフとなるのか。それとも、まともでないものはことごとくアウトなのか。その辺が今一つ不明確である。近年は、必ずしも「入籍・結婚」がゴールであるとも言い切れなくなった。事実婚のようなカップルも増えて来ているからだ。そうすると、必ずしも「婚約」が成立していなくても、真剣交際の壁はクリアできる。親兄弟が認めているかに関しては、直接会わなくても良いなら“画像承認”という形で、それとなく黙認しているケースは多い。もっとも気になるのは、その時は二人とも「真剣交際」だったが、やがて数年経った時、双方ともに“情熱”が失われてしまうケースだ。決して“ウソ”をついたわけではなくて、その時には真剣だったが、後になって気持が変化し、双方とも“慣れと惰性”で交際が続けられている、というケースは稀ではない。しかも、都合が悪い事に、そうなってしまった時には条例適用の「18歳」を過ぎているのだ。そのように考えると、変化していく“気持ち”というものを条例に組み込もうとした時点で、この改正案は間違いと言えるのではないだろうか。

「風水財布」なんて存在しない

2020-02-04

巷には、やたら財布に凝る人がいる。バッグのように趣味的に凝るというのではなく“風水的に凝る”人達だ。けれども、元々風水に「財布の法則」などはない。いや、正確にいうと「風水」と「財布」には何の繋がりもない。風水が関わっているのは、本当は居住空間(家相)のみなのだ。財布が占いと関係しているとすれば、それは観相学の立場からで、風水学の立場からではない。元々「風水」という言葉は「風を蔵して水を得る」という表現からの造語で、それが風水学の“究極の教え”でもある。もっとも原初は、子孫に幸運を与える「葬祭方法」の教えだった。やがて、それに「繁栄を導く王宮建設」の教えが加わる。この二つが合わさって、現代まで伝わる風水学の基礎がつくられた。何の占いでもそうだが、最初から完成している占いなんて存在していない。占いは徐々に歳月を経て“一つの形”がつくられる。まあ、そういうわけで本来、風水と財布は関係がない。但し、観相学的な立場から言えば、運命、とりわけ「金運」と無関係ではない。なぜ、このようなことを書いたのかというと、婦人公論にアパホテル社長として知られる元谷芙美子氏の「財布」について書いてあったからだ。元谷氏は4~5年前から財布を使わなくなったという。以前はブランド物の財布を用いていたらしいが、がさばって取り出しにくいので、止めてしまったらしい。それで現在は銀行預金を引き出した時の封筒を、そのまま財布代わりとして用いているという。ところが、ただ封筒をそのまま使用しているわけではない。その封筒にサインペンで「お金は大切に使いましょう」という言葉と、自分自身の姓名とを記してある。まるで、お札のように記してある。そこに20万円くらいづつ入れて用いているらしい。古銭や領収書などは、サンリオの「ぐでたま」ジッパー付きビニール袋を用いているらしい。何んとも、ユニークな財布ではないか。但し、ここで注意しなければならないのは、それは4~5年前からだ、という点なのである。つまり、彼女にとっては、もう「お金」を儲けようとも貯めようとも思わなくなって後のことだという点である。これを勘違いし、自分も真似たら「大金持ちになれるかも…」と考えた人がいるなら、それは違っている。元谷氏は現在、周りの人たちのため“お金を使う”よう心掛けているという。つまり、財布代わりの封筒は、あくまで“使ってあげる”ための財布だという点だ。けっして、貯めようとか、儲けようとか、そういうための財布ではない。極端なことを言えば、一生懸命にお金を使おうとする人には「貯める財布」「儲ける財布」など不必要なのだ。

「国家非常事態宣言」が次々発動される⁉

2020-02-03

またまた心配なニュースが飛び込んできた。ソマリアで2月2日「国家非常事態宣言」が発動されたのだ。滅多なことでは発動されない危険信号。なぜ発動されたのかというと異常なほどサバクトビバッタが大量発生して、ソマリア国民の食料を食い荒らしているからだ。虫の嫌いな私などから見ると、こういう大型のバッタの大群が所狭しと飛び交うこと自体が恐怖であるが…。それでなくても、ソマリアという国は昔から災害が多い。もしかすると、本当は人間が生活する地域としては適していないのかもしれない。実はもう一つ、気になるニュースがあって、ブラジル南東部では異常気象で豪雨が止まない。こちらも何万人もが住居を失い、避難生活を強いられている。世界的には「中国」の新型肺炎が大々的に報道されているが、今年の不気味な“自然災害”次のターゲットが「ソマリア」なのか「ブラジル」なのか、今のところ微妙としか言いようがない。私があえて取り上げるのは、今年の自然災害が、単純な自然災害というのではなく、何かしら「防ぎようのない恐怖」を撒き散らす存在に限られているからだ。こういう連鎖は、実は一国だけを襲っているのではなく、あちこちに“飛び火”しながら、その“本当の正体”を潜めている部分にある。かつてニューヨークが9.11に襲われた時、あれは“人災”だったわけだが、燃上がる黒煙の中に、丁度心霊写真のような感じで、その黒煙に“悪魔”と思しき画像が撮影されたことがある。そういう画像を見ると、やはり“防ぎようのない災難”だったのだなと感じたものだった。元々「災難」というのは、予期せぬときに予期せぬカタチで発生することが多い。そういう時、普段は不信人な人達でも、急に信仰深くなって、神仏に手を合わせたりする。人間は“未知の恐怖”に弱いのだ。よく「宇宙人に襲われる」という話があるが、宇宙人よりも、身近に存在する昆虫とか爬虫類とか野生動物とかの大群に襲われる方がはるかに怖い。もしかすると、第三次世界大戦などより、予期せぬ者達に襲われる方が人類滅亡につながるのかもしれない。

人の寿命と企業の寿命の不思議

2020-02-02

人に“寿命”があることは誰でも知っているが、企業に“寿命”があることはあまり知られていない。よく何百年も続いている企業や商店が紹介されるが、本当に途切れることなく続いた企業や商店は稀であって、その多くは途中で企業名が変わり、一時期は閉鎖していたが復活させたとか、別の業態に変わりながら生き延びたとか、血縁のない人物が社長を受け継いだとか、本当に“生まれたままの姿かたちを保って”何代も続いて何百年も生き延びた企業というのは稀にしかない。山形県に「大沼」という百貨店があった。多分、その地域では知らぬ人の無い百貨店であったに違いない。それが、今年に入って自己破産をした。そこで働く従業員は190人余りとのことで、その後の受け皿がないとか、退職金が出ないとかいうことで騒がれている。近年、日本の地方都市では高度成長期に産まれた百貨店が次々と閉鎖に追い込まれている。こういう時、必ず騒ぎ立てる人がいるが、時代の趨勢というものは古今東西の歴史が証明するもので、いかんともしがたい。人間に“生命力”があるように、企業にも“生命力”がある。勢いのある時にはどんどん成長していくが、生命力が衰えていくと、その企業にもほころびが目立つようになる。例えば「大沼」百貨店の場合、1950年に誕生している。そして1956年には関連した「丸久」が開店、1967年には「大沼酒田店」が開店、1970年には「大沼米沢店」が開店、1971年には関連の「十字屋山形店」が開店、ここまでが“勢いのある時代”だった。人間に例えると十代から二十代にかけてどんどん発展したわけだ。けれども、やがて衰退の時期が訪れる。1984年「大沼酒田店」閉店、2000年「山形ビブレ」閉店、「山形松坂屋」閉店、これらの店は途中で店名を変えている。2018年「十字屋山形店」閉店、2019年「大沼米沢店」閉店、そして今年に入っての自己破産申請だった。こうしてみてみると、人間と同じように齢を取って時代の趨勢に逆らえず、無くなってしまうのは仕方がないことだ。誰が悪いわけでもない。但し、山形のような地方都市は日本中にある。そういうところで「大沼」予備軍が、わんさかいることを忘れてはならない。

2020年2月の運勢

2020-02-01

野球部の主将が、強盗団の主将(⁉)になる時

2020-02-01

2017年夏、彼はもっとも輝いていた高校生だった。なぜなら、その年の夏の甲子園で優勝した花咲徳栄高校の主将だったからだ。彼は2年生の時から既に野球部の主将だった。それも全員一致して選んだほどの頼れる主将だった。だから、その3年後にまさかこんな形で“紙面を飾る”ことになるとは誰もが予想しなかった。千丸剛(20歳)無職。強盗致傷罪で逮捕。しかも、その内容が良くないのだ。昨年4月26日。見知らぬ民家へと5人で押しかけ、その家のご主人と妻とをバールなどで襲って瀕死の重傷を負わせたのだ。金品を奪う目的だったが、激しい抵抗と大声とで、結局、何も奪うことなく逃走している。何んとも“救いようのない事件”なのだ。かつて甲子園で、優勝校の主将として誰より輝いていたはずの球児は、その2年後に強盗団の一員となっていた。逃走用の車は事前にナンバープレートを変えておくなど、計画性もあったらしい。それにしては何も取らずに逃走するなど稚拙に過ぎる。一体、あの夏の主将はどうなってしまったのか。実は、二塁手としても出塁率が良いことで期待されていた彼は、難なく駒大に進学した。もちろん野球部に入った。ところが、この野球部でイジメに遭ったらしい。そこから彼の人生は狂い始める。やがて野球部を辞め、同時に学校そのものも辞めてしまった。こうして彼は無職になったのだ。野球部はイジメによってやめたのだが、もう一つ、彼に関しては、仲間の財布から金を盗んだことが発覚して辞めた、という噂もある。これに関連して、彼には“お金”に関し、或る種コンプレックスがあったようで「金を持っていれば優遇される」とSNSの中で疑問を投げかけていた。彼が学生時代、実際に金を盗んだのかどうかは分からない。けれども、今回の事件は、どことなくそれが単なる「噂」だったのか、それとも「真実」だったのか、連想を呼びやすい話ではある。こうして、千丸剛は20歳にして「犯罪者」になってしまった。甲子園で優勝旗を持った選手の手には、手錠が掛けられている。

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