アメリカ第40代大統領だったロナルド・レーガン氏が6月5日死去しました。11日には国葬が行なわれるそうです。
1980年から89年にかけての丸8年間、第40代大統領として、世界に「強いアメリカ」を印象付ける役割を果たしました。けれども、私がここで取り上げようとしたのは、そういう部分に光を当てたいからではありません。彼の人生には、人間としての哀しみが横たわっているからです。
アメリカ人にとって、大統領というのは最高の栄誉であり、成功・出世です。ある意味では、世界的に見ても、ナンバーワンの成功者的存在といえるかもしれません。けれでも、彼がその座を射止めたのは70歳になってであり、若い頃からエリートコースの道を歩んでいた人物ではありません。彼の最初の仕事は、水難救助員です。その後、新聞のスポーツ記者となり、さらにラジオの解説者などを経て、30代から40代にかけては映画界へと身を投じ、ハリウッド俳優として活躍しました。
政界入りは47歳のときであり、当然のことながら、政治家としては遅いスタートでした。その後、カリフォルニア州知事となり、大統領への道を開きました。
大統領になって以後は、インフレなき景気拡大を目指し、83年以降、空前の景気拡大へと舵取りをきったのです。その一方、当時のソ連を「悪の帝国」と呼び、中性子爆弾の製造、核ミサイルの研究・開発して対決姿勢を強めた後、87年になって冷戦体制からの転換を行い、核全廃条約に調印しました。
さて、問題はこれからです。
大統領の座を降りて以降、レーガンの身に変化が起こり始めます。94年になって、自らアルツハイマー病に侵されていることを公表したのです。やがて、その病気は進行し、彼は自分が何をやっていた人間かも解らなくなるのです。過去の輝かしい栄光は、廃人同様となった彼には、もはや存在していないのでした。
ロナルド・レーガンは、1911年2月6日イリノイ州に生れています。水星はやぎ座21度にあって、太陽とは45度、海王星とは180度の位置関係にあります。
彼が、カリフォルニア州知事となった66年、出生時の水星は、トランジットの冥王星と120度、海王星と60度、天王星と120度、土星と60度と、さまざまなアスペクトを形成していました。
次いで、大統領となった80年11月、出生時の水星は、トランジットの冥王星と90度、海王星と30度、天王星と60度と、それぞれの惑星が進んだ形で再びアスペクトを形成しているのです。
そして、アルツハイマー病となった94年、出生時の水星は、トランジットの海王星と0度、天王星とも0度となっています。
トランジットの冥王星、海王星、天王星のような動きの遅い惑星は、出生時の惑星と滅多にアスペクトを形成しませんが、それらが集中する年は、重要な出来事が起こってくる予告となります。
出生時のホロスコープに、水星と海王星との緊密なアスペクトを持つ人には、芸術や文学で大いに才能を発揮する素質の持ち主も多いのですが、反面、精神の均衡が崩れて、幻想、幻覚に悩む人、痴呆症となって行く人、麻薬やアルコール中毒で人生の階段を踏み外していく人も少なくありません。
掲載日:2004年06月20日
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