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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


地底世界としての地下街


私の住むマンションから歩いて3分ほどの所に地下鉄乗り場へと通じる入り口がある。もちろん、本来は地下鉄利用者のための入り口であるが、そこから続く地下道を歩いて行くと「大通」と呼ばれる市の繁華街へと通じている。さらに進むと夜の顔として知られたススキノへの出口があり、確か来年には札幌駅ともつながる工事が今も進められている。つまり、いったん地下道へと入ってしまうと、地上に出ることなく、大通へも、ススキノへも、札幌駅へも、歩いて辿り着けてしまう地下道が間もなく完成するはずなのだ。今日のような吹雪の日には、北国において地下道のありがたさは身にしみて感じる。当然、真冬の地下街は暖かく、地上の寒さとは対照的だ。地下道は札幌のような寒さの厳しい地域では大変に価値あるものとなる。

私は若い頃、札幌よりも北風が強く、体感温度がはるかに低い室蘭で育った。真冬になると唸り声をあげながら襲ってくる北風の寒さと云うのは、その地域に暮らした者でなければ分からない。立っていること自体が難しいような強風に立ち向かって歩くのは、或る種、覚悟のようなものを伴わないと出来ない。まして真冬は路面がテカテカに凍っていて滑るのだ。ああいう地域にこそ地下道や地下街が必要なのだが、実際には北海道では札幌以外、本格的な地下道や地下街を整備することは中々に難しい。これは北国だけの問題ではなく、逆に暑い地域であっても、真夏は地下道や地下街が整備されていれば、どんなに暑さをしのげるか分からない。つまり、地下道や地下街と云うのは、極端に寒い地域・季節にも、極端に暑い地域・季節にも、多大な恩恵をもたらしてくれるものなのだ。

実際、世界の主要な国々で、大都会と呼ばれる地域の多くは地下道や地下街を持っている。特に年中暑い地域においては、当然のように地下道や地下街が網羅されつつある。そうしないと、海外からの観光客を呼び込むことも出来ない。実際、暑さに慣れていない私などはシンガポールでも香港でも台北でも地下道や地下街を見つけるとホッとしたものだ。なかでもシンガポールの地下街は大変整備されていて、地上が蒸し暑いだけに見た目にも美しく都会的に感じられた。おそらく今後各国で続々と作られていく地下街や地下道は、単に実用性ばかりでなく、より華やかで魅力的な趣向を凝らしたものになっていくに違いない。地球温暖化で、日本でも関東から西の地域では年々気温が上昇している。真夏は35~39度に達するのが当たり前となりつつある。そういう意味でも地下道や地下街は必要性を増してくるに違いない。

私が若い頃に愛読していた『ムー』等では、理想郷としての「シャンバラ」を地底王国に求めていた。それはもちろん伝説の架空王国で地下街などとは違うのだが、このまま地球温暖化が進めば、気温が上昇し過ぎて厭でも地下道や地下街へと人がなだれ込むような時代が来ないとも限らない。札幌では14日連続零下に達せず、この分で行くとあと数日で観測以来130年ぶりの新記録に達するらしい。寒いのは嫌だが、雪まつりが出来ないほど気温が上昇し続けるのも困る。雪そのものは降っても、気温が高いと雪質にざらつきが多く真っ白くならないので、雪像がデコボコしやすく汚いものとなってしまうらしいのだ。私がまだ室蘭に居た時、雪まつりの最後の日に札幌へと来た。大通りを歩いたが、気温が高く、道路はぐちゃぐちゃで雪像はどれもみごとなほど黒々としていた。中には崩れかかっているモノさえあった。開始前日が一番きれいだが、今年等それすら保障できないかもしれない。

オバマ新大統領のワシントンの映像などを見ると、どうやら札幌などより寒そうで、思えば「先進国」と呼ばれてきた国のほとんどは四季のハッキリした国々であった。けれども近年発展してきた新興国の多くは極端に暑いか寒いかで、より地下道や地下街を必要としている地域のような気がする。ドバイのように人工的なスキー場を造ってしまう国もあるが、どこか侘しい。ただ、巨大な水槽に囲まれた海底レストランでの食事と云うのは1度で良いから体験してみたいものだ。不思議なもので人工的な夢の世界と云うのは「1度は体験したい」けれども、そこに暮らしたいかと云われると、何故かそうは思わないものだ。超セレブの生活と同じで、1度は体験したいが、ずっとそうありたいとは思わないのが普通だ。けれども100年後の人々は、地球全体に人工太陽が輝く地底世界で、ごく普通に生活している人々なのかもしれない。

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