「アンナ」という芸者なのだそうだ。しかも、その芸者、今は舞台で“おんな”を抱いている。それでも、ちゃんと“性転換”して、芸者になれるのだそうだ。どうやって芸者になるのかというと、新橋の芸者さんに弟子入りして着物の“着付け”や“所作”など教えを受けたからだ。本当は浅草の芸者さん「浅草ゆう子」さんに弟子入りすべきだったのだが、2月20日に亡くなってしまった。12歳から浅草の芸者置き屋「新菊の家」に奉公で入り、16歳で芸者デビューをし、何と80年近くも芸者として働き続けた方だ。享年96歳。それから一日置いて、元宝塚のトップスター・湖月わたる氏が舞台「雪まろげ」で“芸者を目指す女アンナ”を演じることを記者会見で宣言をした。元々“男役”で、現在は「ベルばら45」で“おんな”を抱いている。それが一転して今度は“芸者役”を演じるというのだ。その切り替えのためには、私生活でも超ミニスカート姿に切り替えることで乗り切ると断言。その湖月氏の発表を待つかのように、本物の浅草芸者として80年近くを過ごした「ゆう子」氏は亡くなった。きっと今回の舞台では「アンナ」の背後霊として、のりうつってくれるに違いない。何しろ80年も芸者をしていたのだ。川端康成や田中角栄や美空ひばりなど著名人から愛された芸者は、性転換したばかりのアンナを危なっかしくて見ていられないに違いない。さりげなく背後に憑いて、芸者らしい着付けや所作を教えるに違いない。この舞台は、今は亡き名女優・森光子氏の代表作の一つで、主役である東北温泉街の芸者・夢子を演じていた。その夢子の“妹分”に当たるのが「アンナ」なのだ。だから、もしかすると森光子氏も見てられなくて一緒に“背後霊”となって、湖月わたる氏の所作などを手伝うかもしれない。こうして“芸者を目指す女アンナ”は二人の大ベテランがさりげなく手を貸して“舞台・芸者”らしくなっていくのだ。
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