人は何かしらの“大きな称号”を与えられてしまうと、なかなか簡単に“それ”を振り捨てられない。もう、それは過去のことなのだ、とわかっていても、その部分から脱却できない。そういう意味で「世界2位」の“称号”を得ながら、それを見事に振り切って、もう一度「ゼロ」から学び直し、38歳で“二度目の大学卒業”を成し遂げた知花くらら氏は“立派”の一語に尽きる。しかも彼女は「これはゴールではなくスタート」とハッキリ言いきっている。その部分も素晴らしい。彼女が“ミス・ユニバース日本代表”に択ばれたのは2006年だった。「世界大会」では日本人女性として誇らしい“世界2位”を獲得した。その後は、お決まりのようにモデルとして、女優として、キャスターとして、多数のタレント活動をこなしてきた。2017年には結婚し一児の母ともなった。現在は“第二児”を妊娠中でもあるという。そういう中で、かつて上智大学を卒業している彼女は、再び京都芸術大学を社会人枠で受験し、大学生となり、妊娠中の“つわり”の中で“卒業制作”に取り組んだ。こうして38歳だが“建築科”を見事に卒業できたのだ。しかも、そのことを「スタート」と言い切っている。もちろん“建築科”を出た彼女が出発点とするのは、実際の“建築物の設計”であるのに違いない。つまり、彼女は“何か”を自分の設計・建築で建てたいのに違いないのだ。それこそが、彼女の“第二の目標”となったに違いない。だから“最初の目標”であった「ミス・ユニバース」を“振り捨てる”ことが出来たのだ。人は“新たなる目標”を見つけた時に、“過去の称号”を捨て去ることが出来る。もちろん、彼女の中で実際にそういう気持ちだったかどうかはわからない。むしろ、過去の“輝かしい称号”など意識していなかったかもしれない。人は往々にして“過去の自分”に振り回される。“輝かしい栄光”とか“輝かしい称号”とかは、一歩踏み出す“勇気”を挫けさせる。けれども彼女は違った。自分の“新たな目標”だけ見て、周りの思惑など気にすることなく、もう一度キャンパスに飛び込んだのだ。
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