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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「嫌な職場なのに転職しない」が貧困化原因⁉


最近“日本の貧困化”を指摘する声が、各方面から上がっている。25年間も賃金が上がらない国ーというのは確かにおかしい。その原因については、いろいろな人がいろいろな角度から解説するが、いま一つ、わかったようでわからない。そう思っていたら丁度良い本がPHP新書から出た。『51のデータが明かす日本経済の構造』宮本弘暁著がそれだ。この本の中で著者はさまざまなデータを駆使して、日本ではなぜ労働市場の流動化が進まないのか、日本だけが貧困化していくのか、について述べている。それらの解説の中で、一つだけ、とても解りやすいデータがあった。日本人が他のアジア人種と決定的に違っているのは「イヤな職場に勤め続けている」人の割合がダントツに多いという点だ。つまり、この職場、この企業に「これからもずっと勤め続けたい」という人の割合が極端に少ない。アジア圏のほかの国では、例えばインドでは86%の人たちが「いまの職場で働き続けたい」と思っている。ところが日本ではそういう人は52%しかいなかった。これはアジア圏で最低の比率であり、他の国から大きく引き離されている。つまり、ほんとうは勤め続けたくない職場で働いている人が半数近くもいるのだ。それならば「転職の意向を持っているか」というと、これが、そうでもない。日本では転職の意向を持つ人は25%しかいないのだ。職場の中で、半数近くの人が今の職場に「ずっと勤め続けたい」と思っていないのに、転職の希望はその半分の人たちしかいない。そうすると、あとの半分の人たちは「イヤな職場だけど、我慢してここで働き続ける」という考え方なのだ。これでは“活き活きとした雰囲気の良い職場つくり”は難しいような気がする。何となくだらだら働き続けている……ような職場環境が自然に作られていってしまう。一方、インド、ベトナム、中国の人たちは、40%以上の人達が“転職の意向”を持っている。しかもこの順序は、実は「いまの職場に働き続けたい」と思っている比率の高い国の順序でもある。つまり、どういうことかと言えば、いまの職場に満足し、これからも働き続けたい希望を持ってはいるが、もしも“より良い条件の職場・仕事”があるのであれば「転職の意向を持っている」ということなのだ。つまり“働く”ということに対してきわめて意欲的というか、前向きな印象を受ける。それに対して日本は「とりあえず今の職場で働くしかない」的な印象が強い。仕事に対して“後ろ向き”なのだ。もしかすると「転職」そのもののイメージが、これらの違いを形作っているのかもしれない。日本は、もっと転職者たちを“優遇すべき”なのだ。
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