金星環、木星環、土星環、太陰環などの総称を「惑星環」と言います。惑星環は、通常、惑星丘を取り囲むような、或いは切り取るかのようなカーブを描いて刻まれる特殊な線です。時としては、切れ切れに断続しながら刻まれたり、他の線に流れ込んで一体化しながら刻まれたり、本来の惑星丘を食み出すような形に刻まれたり、二重三重に刻まれたりすることもあります。 また、楕円形にきれいな弧を描くのが本来の形ですが、歪んでいたり、直線的に刻まれたり、その一部分だけが刻まれていたりすることもあります。微細な線として刻まれるケースも多く、慣れないと見逃してしまうこともあるから注意が必要です。
金星環の実例 金星環は、惑星環の中ではもっともポピュラーな線で、「金星帯」と呼ばれることが多いものです。欧米人よりも日本人の方が発生率は高いように思われます。その名称からすれば、金星丘上に刻まれるべき線ですが、実際には人差指と中指の間から出て、薬指と小指の間に至る弧形の線です。 切れ切れの場合と、ほぼ楕円形に切れ目なく刻まれる場合とがあります。切れ切れの方が表われ方としてはソフトですが、いずれの場合も感覚が鋭く、気難しい一面を持ち、芸術や性愛や神秘世界に対して特別な感性・素質・才能を秘めているのが常です。 時としては、異常なほどの潔癖感、夢想癖、神経過敏、天啓・霊感、性的倒錯、凝り性、ヒステリーなどが示されたりします。実例として示したのは、セクシーな歌と踊りとで一時代を築いたある女性歌手の金星環です。
土星環の実例 土星環は、稀にしか見受けられない相のひとつで、欧米の手相教科書では良い評価を与えられていません。手相家としてもっとも有名なキロの著書では、精神病的傾向から自殺した婦人の手が実例として掲げられていますが、必ずしもそういう人ばかりがこの相を持っているわけではありません。 ただ、土星環に憂鬱な傾向が秘められていることは確かで、物事を深刻に受け止めやすく、孤独を好む一面も感じられます。私が、ここに実例として示しているのは、ある俳優の土星環ですが、その名演技は誰もが認めるところです。 独自の世界を築き上げる芸術家や学者に見られることが多いようです。ただし、金銭的な事柄から窮地に追い込まれやすい傾向が見受けられるので、上手い話には乗らない心掛けが必要です。
木星環(ソロモン環)の実例 木星環は、「ソロモン環」という名称の方で主に知られています。栄華を誇った古代フェニキア王の名からとられた名称ですが、旧約聖書によれば、この王に関して「その左手に長寿あり、その右手に富と権威とがあり」と記されていて、当時から、木星環を「富と権威のしるし」と見ていた可能性があります。 一方でソロモン王は、信仰心の厚かったことでも知られていますが、ここに実例として示した木星環の持ち主も、信仰心の厚かったことでも知られている日本の政治家です。木星環は、実例として示したように完全な形で刻まれるケースは少なく、その一部分が斜めに刻まれるのを見ることは比較的多いものです。