確か2005年の頃だったと思うが、当時、堀江貴文氏率いる「ライブドア」が「日本放送」の株式を買い占め、さらには「フジテレビ」の株式まで買い占めていった出来事がある。連日、TVのワイドショーでも取り上げ、堀江氏は一躍、世間の注目を集めた。それは、ただ単に「TOB(株式公開買い付け)」によって「フジテレビが買い占められるのか」という興味と、もう一つは“筆頭株主”となることで、巨大企業でも「自由に操れるのか」という驚きが、世間に生じたからだった。もちろん、株式会社が「株式」で成り立っていることは誰でも知っているが、その株式を“買い占める”ことで、事実上“自分の会社にしていく”という部分が、なかなかイメージとして理解しにくい。結局、ライブドアはフジテレビの買収をあきらめたのだが、妙な“遺恨”が両社には残った。さて、時は経って現代、今また北尾吉孝氏率いる「SBIホールディングス」が「新生銀行」に対して「TOB」を宣言した。既に19%ほど保有している“筆頭株主”なのであるが、今後、30%ほど買い増していって“完全傘下に治める”方針のようである。もっとも、そう宣言された方の「新生銀行」は“寝耳に水”だったようで態度を保留している。実は現在、新生銀行はSBIと競合するマネックス証券と包括提携を結んでいる。そちらとも協議しなければ、うかつな反応は示せないのだ。仮に拒否されても「SBI」が「新生銀行」の株を買い占めていくことは間違いがない。現在、SBI側は“地銀再編による連合構想”というものを打ち出していて、要するに次々と傘下に収めて“メガバンク”に対応する勢力を築き上げようとしているのだ。既に8行ほどに資本出資していて、その構想は着々と進行中なのだ。「新生銀行」は、これまで傘下に収めてきた銀行とは、世間の認識度が違う。SBI側にしてみれば「ぜひ欲しい」銀行なのだ。しかも「SBI」の背中を「みずほ銀行」が推している。買収資金を“供与する”話まで進められているらしい。一方「新生銀行」と提携している「マネックス証券」も、いろいろな意味で“確保しておきたい”気持ちが強い。案外、双方の綱引きが証券市場だけでなく、社会面でも“大きく取り上げられる日”がやって来そうな気がする。
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