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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


技術は一級品でも白馬が泣いていた贋作の森⁉


世の中には「超一流の技術者」がたくさんいる。けれども、その多くの方々は“無名”である。特に著名な芸術作品と呼ばれるものの“精巧な複製品”を作ることは、よほどの“腕(技術)”がなければ出来ない。但し、芸術作品の複製品は許可がなければ基本的に“制作”も“販売”も出来ない。「著作権法」と呼ばれる法律が、許可なく複製することを禁じているからだ。昨日、この著作権法に問われた裁判が東京地裁で行われ、被告の版画工房経営・北畑雅史に対して判決が下され、懲役2年、執行猶予3年、罰金100万円という判決が出された。つまり、被告人は有名な東山魁夷氏の「白馬の森」など5作品の贋作(偽物の複製品)を画商に頼まれて制作した。元々被告は版画工房を経営しているくらいだから、贋作が禁じられていることは百も承知のはずだった。ただ元画商から、その“腕(技術)”を見込まれ依頼されて、断る勇気を持たずに制作してしまったのではないか、と私は推察する。優れた技術者は、往々にしてその“腕”を見込まれて作品を依頼されると、断れないことが多い。なぜなら画商という“目利きのプロ”が自分の技術を高く評価している証だからだ。「白馬の森」という作品は東山魁夷氏の作品の中でも、特に幻想的で美しい。画家や版画家なら、だれでもが「こういう作品を遺したい」と思うような作品なのだ。また芸術を愛する人達なら、自分が夢のある家を建てたなら、落ち着く部屋の壁に「ぜひ飾っておきたい」と思うような作品なのだ。つまり、作品の芸術的な良し悪しとは別に、無条件に視る者に“ロマンと安らぎ”を与える不思議な作品なのだ。もしかすると、贋作者は“違法な依頼”なのではないか、と疑いながらも、その一方で純粋にこういう作品を模写する悦びを味わっていたのではないか。相当長期間にわたって行っていたらしいので、つまり、多くの購入者は“疑うことなく購入している”ので、ただ単に技術が優れていただけでなく、ホンモノだけが持つ“趣き”さえも表していた部分があったのかもしれない。ただ描かれた白馬に潜む“或る種の哀しさ”だけが、贋作であることを物語っていた……。
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