「single-blog2.php」* 有料カテゴリ:「過去の占いコラム」は一括2,000円で全て読むことが出来ます。// ざっくりとは終了 // Header画像を変更する事

過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


曲がり角の時代


時代は“急速に変化している”という実感をいろいろなところで思い知らされる。いつもの通り道なのに、先日まで存在していた店が無くなり、新たな店がオープンしている―そんな光景はことさら珍しくもない。都会の中心部ではどこでも日常的に体感できる。ところが地方へ行くと、そうはいかない。何十年経っても、変わらない風景というのがある。それが美しく景観に恵まれた地域であれば、その方が良い。けれども、そうではなくて重苦しい雰囲気の錆ついた商店街とか、老齢化した住宅街の場合、変化のなさは活気のなさに繋がっている。

世の中全体は急速に変化しながら、それに取り残されていく地域、企業、人、分野等もある。急速に変化すること自体、良いのか、悪いのか、一概には結論付けられない。多分、良い面と、悪い面とがあるのだろう。そういう探求などする間もなく、時代は間違いなく変化する方向へと動き出している。例えば小学生の教科書が四割増しとなるのだという。“ゆとり教育”等という言葉がもてはやされた時代、円周率を「3」という整数で教えた教師が、再び「3.14…」に戻すのだという。その分、また教科書が厚みを増した、という訳だ。普天間やダムの問題だけでなく、こういう微妙な問題でも、行政の犠牲となってしまう子供達はいる。薄い教科書で教えられた子供達は、その前後の世代が厚い教科書で教えられていることに、やがて気付き“薄っぺらな人間”に育てられたことを嘆くかもしれない。近代史をきちんと学べない日本の子供達は、中国や韓国や北朝鮮などの一方的ともいえる歴史解釈に対抗できない。北朝鮮ほどではないが、教科書で学ぶ“近代の日本国”は、中国や韓国の子供たちにとって“良い国”ではなかった。それでもインターネットの発達によって、或いは日本旅行や留学体験によって、それらの誤解や弊害やわだかまりも徐々に薄れつつある。世界の“思想”や“情報”や“文化”の共有という点において、インターネットのもたらした功績は計り知れない。

その一方でインターネットのもたらす功罪もまた忘れてはならない。大衆を先導してしまう可能性のある手段でもあるだけに、使い方によっては“悪魔”とも“凶器”ともなりうるからだ。特に「ツイッター」という活用の仕方は、政治や企業に悪用される可能性も含んでいて、私個人はあまり好感が持てない。それでなくても、日本人というのは根拠のない“噂”であるとか“風評”であるとかに先導されやすい。週刊誌のようなネタに洗脳されやすい民族なのだ。例えば雑誌とか、TVとか、ネットとかで、何度も同じお店が紹介されると、いつの間にか自分自身もその店を訪れていたかのような錯覚に陥る。そして周りの人に対しても、雑誌読者やTVモニターの話を、あたかも自分自身の体験であるかのように話してしまったりする。そういった或る種危険な催眠術的効果をツイッターというのは促進しやすいのだ。

日本ばかりでなく、インターネットの普及によって、世界がほぼ同時進行のような形で、渦を巻く時代の変化に押し流されそうになっている。ところが実際には、それは国や地域の中枢部とも言うべきところで生活や仕事をしている一握りの人々で、大部分の地域や大衆は遅れながら、ゆっくりとその後を付いて歩んでいるにすぎない。それでも確実に世界のどの国や地域もが、大きな時代の渦に飲み込まれつつある。或る意味では国や人種や民族の個性が無くなり、横一線に並び始めたとも言えるし、特に“新興国”と呼ばれる地域で、追い付け追い越せのパワーが、今や“先進国”地域を抜き去り始めたともいえる。但し、あまりに急速に、あまりに多くの矛盾を抱えながら走り始めた国々は、やがて立ち止まらざるを得ないときが来るのに違いない。

既に立ち止まり始めた国々では、もちろん日本もその中にあるのだが、手作りとか、触れ合いとか、長年の勘とか、伝統とか、絵手紙とか、古式豊かな技法とか…に“大いなる価値”を見出す時代に入りつつある。“エコ生活”というのも、その多くは“昔に帰ろう”という呼びかけに過ぎない。もちろん、その一方で“太陽発電を取り入れた住宅”や“電気自動車”や“省エネ家電”等も次々と発売され、近未来と手を繋ぐエコ製品も、金さえあればの話ではあるが…我々の暮らしを徐々に変えつつはある。

一時期、日本は国民の7割までが“中流”と答えた時代があったが、もはやそれも遠い昔へと変わりつつある。明らかに経済的な格差と歪みが種々な形で生じつつある。先にも述べたように、それは個人としてだけでなく、地域にも、企業にも、分野にもあって、今後ますます広がりを見せていくのに違いない。平等にしよう―という努力のはずが、どっちつかずと成って、結果的に“縮小していく日本”を作り、皮肉なことに“格差の拡大”を生み始めていることにどれだけの人が気付いていることだろう。あらゆる面で“曲がり角に来ている時代”大都会では今日も新しいビルが完成し、新しいお店がオープンし、新しい装いをした女性たちが闊歩している。その一方で、忘れ去られたように何十年も前のビルのシャッターが閉められ、歩く人も乏しく、老朽化した住宅が立ち並び、まるで揃えたかのようなくぐもった服装をした老人達がふらふらと歩いている地域がある。

「ex-module-past-post-list-01.php」出力:single-post用の過去記事ループ処理

過去の記事一覧素顔のひとり言

  • 「大谷選手の故障」と「株価予測」が見事的中‼

    早いもので今年も“雪景色”の季節となった。そこで、今年一年の「波木星龍の占い予言」を振り返ることにする。私は別に、有名人の予言とか、社会的な予言とか、本当はそんなことはどうでも良い 続きを読む

  • 波木星龍の公的な「予言の的中率」

    占い師の評価というのは、必ずしも“的中率”にあるわけではないが、そうは言っても“どの程度的中しているのか”は、その評価の重要なポイントであるには違いない。よく“口コミ”と言われる“ 続きを読む

  • 自らが創り出す「未来」

    占星学や推命学の研究者の中には“先天的な運命”を動かしがたいものとして、本人の“意志”とか“選択”とか“努力”などを認めないような判断の仕方をされている方が多い。私自身も占星学や推 続きを読む

  • あまりにもお粗末な「ツタンカーメン」番組

    こういう番組をどう捉えれば良いのだろう。制作サイドは日本の視聴者をあまりにも軽んじすぎているのではないだろうか。7月18日のTBS古代エジプト世紀の大発見プロジェクト「ツタンカーメ 続きを読む

  • 日進月歩で「後退していく」占いの世界

    世の中、日進月歩で進んでいくものが多い中で、まるで“後退りしている”ような世界が「占いの世界」だといってもよい。どうして後退りなのか、ここ20年ほど「新たな研究」「新たな学説」「新 続きを読む

  • 人は“さまよいながら”生きていく

    人間社会は「勘違い」で成り立っている。例えば、私は“書きもの”などでは何でも明確に“ズバズバ書く”ので、現実にもさぞかし「即断即決の人」「迷いのない人」「怖い人」であるかのよう誤解 続きを読む

  • 「パスワード」という魔物

    私は元々が“IT型の人間”ではないので、日頃から“IT関連のもの”は苦手である。その中でも一番厄介なのが「パスワード」で、あらゆる場合にこの部分で躓いてしまう。何故、もう少し簡単に 続きを読む

  • 占い依頼者との「距離」について

    当然のことながら、占い師は常に何らかの悩みや問題を抱えた相談者や依頼者と相対して仕事を行っている。初めての依頼者もいるが、その多くは過去に“占っている方”で、いわば“常連さん”に属 続きを読む

  • 「使命感」の持っている美しさ

    どのような世界であっても「使命感」の中で生きている人達は、それぞれに“美しい”ものです。もちろん、これは外見的なことではなくて、“生き方としての美しさ”です。その人なりが滲み出てく 続きを読む

  • 日本人であるということ

    今年は正月から週刊誌が飛びつきそうな話題やネタが矢継ぎ早に飛び出している。「ベッキー不倫騒動」があり「スマップ独立失敗」があり「甘利金銭疑惑」があり「宮崎育児不倫」があり「清原覚せ 続きを読む