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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


眠らせる記憶と蘇らせる記憶


たまたま出掛ける機会があって車中で読む週刊誌を買ったら、サイパンで逮捕された三浦和義のことが27年前にさかのぼって、あれこれと報じられていた。彼が良くも悪くも「運命的な人生」を歩んで来ていることは間違いがない。彼の手相に関しては以前このコーナーで記したこともある。興味のある方は、そちらの方を読んで欲しい。

私は「ロス疑惑事件」の頃、占いもサイドビジネスとして行ってはいたが、一方で会社勤めの時代であった。社内の昼休み食事時に、その話題を最初に出したのは私であった。その時にはまだ『週刊文春』にしか伝えられていなくて、同僚たちの反応が知りたかったからである。案の定、社内でロス疑惑事件を知っていたのは二人しかいなかった。だから私が「本当だろうか?」と問いかけても、特別みんなからの反応はなく、後になって連日ワイドショーで取り上げられるようになるとは、その時点では思いもしなかった。

ところが、その後、さまざまなメディアが彼に注目するようになる。ロス疑惑に関する話題・記事は、単に事件としてだけではなく、やがて彼自身の私生活にも及び始め、マスメディアはこぞって彼の姿を追いかけまわすようになったのだ。当然、会社の中でも話題は駆け巡るようになる。

私はみんなが注目し始めた頃になると、もう熱が冷めていて、連日マスコミにもみくちゃにされている彼を見ると、その内だれかに殺されるのではないか、とさえ危惧したものだ。その後も、彼だけでなくマスコミにもみくちゃにされている人物を見るたび、何かしら暗然たる気持ちになってしまう。確かに取材する側も仕事として必死なのかもしれないが、あまりにも追いかけまわすような取材の仕方には疑問も覚える。

運命的な人物や事件と出逢うたび「過去を背負って生きる」と云うことの意味を考えさせられる。人間は誰しも過去を背負って生きている。長い人生の中には「消し去りたい過去」もあれば「留め続けたい過去」もある。自分の過去の人生から消し去ってしまいたい出来事は、記憶の中で本能的に眠らせているが、それは眠らせているだけであって、本当に消えてしまったわけではない。記憶と云う装置は驚くほど性能が良く、実際には鮮明に記憶しているものだ。ただ、鮮明な記憶のままだと日常生活に支障があるので、厭な過去と云うのは記憶が薄れるよう仕組まれている。一方、留め続けたい記憶は、いつでも簡単に蘇らせるよう常にスタンバイしている。本来、人間は幸せな記憶やうれしい出来事の方が思い出しやすいように出来ているのだ。

だから年齢が行けば行くほど、過去の辛い経験だとか、苦しい体験、厭な出来事、消し去りたい過去は記憶から薄れて、幸福だった時代や嬉しかった出来事、感動や感謝の良い記憶だけが引き出されやすい。これは神様が人間に与えてくれた最高の贈り物かもしれない。

そのような点から云っても、厭なことや悲しい出来事を何回も反芻をするのは、生き方としても神様がくれた記憶のメカニズムに反している。何回も反芻するから、厭な記憶や悲しい感情が蘇って固定化されてしまうのだ。「寝た子を起こす」と云う格言は、本来の意味からは外れるかもしれないが、記憶装置としての脳の役割には見事に当てはまる。同じ反芻なら、嬉しかった出来事や感動・感謝の出来事に対して用いると良い。そうすると、その記憶が固定化され、今度は未来に対してのイメージとして脳の記憶に固定化されていくからだ。よく潜在意識の活用法として「未来の幸福なイメージを想像する」方法が採られるが、実際には感情が伴っていないと成功率は低い。この場合、未来の…と思わず、むしろ過去の記憶から幸せだった時に焦点を当て、その時の感情を再現させた方がはるかに効果的だと思う。自分自身の記憶なので、蘇らせやすいし、何度も同じ感覚で繰り返し実行できるからだ。それこそ神様がくれた最高の記憶の活用法なのではないだろうか。

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