「single-blog2.php」* 有料カテゴリ:「過去の占いコラム」は一括2,000円で全て読むことが出来ます。// ざっくりとは終了 // Header画像を変更する事

過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


1000円で人生が買えるか


最近、占いの業界もいろいろな意味で変わりつつある。時代が時代なので、そのこと自体は当然と云えば当然かもしれない。

つい先ごろ、私のところに携帯電話に「メール鑑定」のコンテンツを提供している企業から、鑑定士を募集している旨のメールが届いた。私は自分が教えた占い師を何名か紹介したが、プロに募集をかけるのに一次選考、二次選考の試験があって、それに合格したら採用されるのだという。ずいぶん大袈裟だと思ったが、まぁそれまでは良い。

実際に採用されてみたら、何と一通につき250円が支払われる仕組みであると云う。プロの報酬として、何と馬鹿げた価格設定であろうか。しかも、模擬試験の内容から云って、決して些細な占い相談などではない。相談者の方が600文字以内で送信してくるものに、600文字から800文字で回答していくもので、これだけの文字数で回答していくのであれば本格的な占い回答となることは必至だ。私の経験から云って、本格的に占いながら回答した場合、これだけの文字数を使って文面を書くと最低でも2時間はかかる。そうしないと、きちんとしたメール鑑定とはならない。複雑な問題なら3時間くらい掛かることもある。文字で回答するのは、後にまで残るだけに向き合って直接鑑定するより神経を使うものなのだ。それが真剣で誠意ある占い師のメール鑑定本来の姿だ。だから、私自身は個人的に3800円で行っているが、これ以上値段を下げる気は毛頭ない。

その携帯電話占いのコンテンツ会社は、ユーザー側からは一通につき1000円を入金させるらしい。したがって占い師に対しての報酬は、その四分の一、と云うことになる。その比率も電話占い等と比べて低すぎると思うが、その会社側からは「一日何十件もこなしていけば、決して安い報酬ではない」との説明があったようだ。つまり企業側は(出会い系メールのように)次々メールを打っていけばそれなりの金になる、と開き直っているようにしか、私には聞こえない。

本当に文面を真剣に読んで、種々な角度から占ったなら、それだけで20~30分は掛かる。それから真摯にメールを打ち始めたなら、どう急いだとしても800文字書くのに私なら40分近くは掛かる。一通だけでそうなのだから、5~6通も書きあげれば一日が終わる。何度も云うが、それが誠意ある占い師の仕事の仕方なのだ。

その企業は、企業として優秀かもしれないが、少なくとも個々の人間が発する一通のメール、一つの相談事に対して重く受け止めると云うことの出来ない人たちの集まりのようだ。だから、そういう発想ができるのだ。

そしてそういう集団が、次々と占いの世界に進出してくることによって、悩める人たちを本当に救おうとしている誠実で正当な占い師が生活の場を失い、隅に追いやられていくようになることを私は危惧する。

ユーザー側にしても1000円で個々の問題を素早く占って貰えることで利用したくなる気持ちが解からないわけではないが、一日に何十通も矢継ぎ早に回答している占い師たちの解答なのだと云うことをぜひ知っておいてもらいたい。その上で1000円で人生や運命の決断や解答を買える気がするのであれば、利用してみると良い。例えば、あなたが「250円で占って欲しい」と云われたら、どのような気持ちで、それに応じるであろうか? 複雑で真剣な悩みや相談事を本当に任せて大丈夫なほど、力を入れて占う気持ちにはたしてなれるものであろうか。

占いや占い師を馬鹿にする人たちはともかく、まともな人なら私の考え、感じ方に共感してくれるに違いない。

占いは家電量販店でモノを買うのとは明らかに違う。新しければ…時流に乗っていれば…安ければ…格好良ければ…みんなに知られているから…と云うような基準で選ぶようなものではないはずだ。

特に「安ければ…」という選択の仕方は他人ごとながら、どうしてもお勧めできない。ほんの些細な出来事を見てもらうのだから…と云うならまだ良いけれども、人生を左右するような決断や悩みを「安い」を基準に選択してはならない。人生を行く手を踏み誤らないためにも…。

「ex-module-past-post-list-01.php」出力:single-post用の過去記事ループ処理

過去の記事一覧素顔のひとり言

  • 「大谷選手の故障」と「株価予測」が見事的中‼

    早いもので今年も“雪景色”の季節となった。そこで、今年一年の「波木星龍の占い予言」を振り返ることにする。私は別に、有名人の予言とか、社会的な予言とか、本当はそんなことはどうでも良い 続きを読む

  • 波木星龍の公的な「予言の的中率」

    占い師の評価というのは、必ずしも“的中率”にあるわけではないが、そうは言っても“どの程度的中しているのか”は、その評価の重要なポイントであるには違いない。よく“口コミ”と言われる“ 続きを読む

  • 自らが創り出す「未来」

    占星学や推命学の研究者の中には“先天的な運命”を動かしがたいものとして、本人の“意志”とか“選択”とか“努力”などを認めないような判断の仕方をされている方が多い。私自身も占星学や推 続きを読む

  • あまりにもお粗末な「ツタンカーメン」番組

    こういう番組をどう捉えれば良いのだろう。制作サイドは日本の視聴者をあまりにも軽んじすぎているのではないだろうか。7月18日のTBS古代エジプト世紀の大発見プロジェクト「ツタンカーメ 続きを読む

  • 日進月歩で「後退していく」占いの世界

    世の中、日進月歩で進んでいくものが多い中で、まるで“後退りしている”ような世界が「占いの世界」だといってもよい。どうして後退りなのか、ここ20年ほど「新たな研究」「新たな学説」「新 続きを読む

  • 人は“さまよいながら”生きていく

    人間社会は「勘違い」で成り立っている。例えば、私は“書きもの”などでは何でも明確に“ズバズバ書く”ので、現実にもさぞかし「即断即決の人」「迷いのない人」「怖い人」であるかのよう誤解 続きを読む

  • 「パスワード」という魔物

    私は元々が“IT型の人間”ではないので、日頃から“IT関連のもの”は苦手である。その中でも一番厄介なのが「パスワード」で、あらゆる場合にこの部分で躓いてしまう。何故、もう少し簡単に 続きを読む

  • 占い依頼者との「距離」について

    当然のことながら、占い師は常に何らかの悩みや問題を抱えた相談者や依頼者と相対して仕事を行っている。初めての依頼者もいるが、その多くは過去に“占っている方”で、いわば“常連さん”に属 続きを読む

  • 「使命感」の持っている美しさ

    どのような世界であっても「使命感」の中で生きている人達は、それぞれに“美しい”ものです。もちろん、これは外見的なことではなくて、“生き方としての美しさ”です。その人なりが滲み出てく 続きを読む

  • 日本人であるということ

    今年は正月から週刊誌が飛びつきそうな話題やネタが矢継ぎ早に飛び出している。「ベッキー不倫騒動」があり「スマップ独立失敗」があり「甘利金銭疑惑」があり「宮崎育児不倫」があり「清原覚せ 続きを読む