12月, 2022年
2022-12-07
時代の変化はさまざまな部分に現れる。その一つが結婚の時「夫選び」の基準の変化だ。1980年代~90年代前半にかけて「夫選び」の基準は「3高」と言われた。つまり「高学歴・高収入・高身長」が、多くの女性たちから“択ばれる基準だ”とされていたのだ。ところが現代は大いに異なる。今年10月に行った既婚女性たちの調査では「3高」を望む女性は消えてしまっていた。この調査は20代~50代のすでに結婚して2年以上経過している女性たちを対象として行っている。それも“世帯年収が2000万円以上の既婚女性”300人が答えている。世帯年収が2000万円以上と言えば、現在の日本では“高収入家庭”に属する。そういう既婚女性たちの回答であることが興味深い。彼女たちが「夫選び」の基準として第一に掲げたのは「人柄(51%)」であった。まあ、当然と言えば当然なのかもしれないが“令和の夫”として「3高」は求めてはいない。もちろん「経済力(37%)」も求めてはいるが、高収入としてではなく「結婚できる程度の…」経済力なのだった。さらに「価値観の共有(33%)」「性格が善い(29%)」「相性が合う(27%)」と続いている。つまり、経済力以外は“高学歴”も“高身長”も出て来ない。そういうもので“結婚の倖せ”を得ることは出来ないと悟っている。彼女たちの求める“令和の夫像”というのは「Y・S・K」なのだそうだ。つまり「優しく」「自然体で居られて」「価値観が合う人」というのが“理想の相手”なのだ。要するに“人柄に尽きる”ということらしい。確かに現代は高学歴の人物はどこにでもいて、高収入の人物もそれなりにいるが、外貌だって昔とは比べ物にならないほど整った男性が多くなったが、だからといって“それらの人物”と一緒に暮らせば幸せになれるとは限らない。やはり“占い”ではないが「相性」というものが厳然としてあり「人柄」というものを外すことが出来ない。極端な話、顔が悪いのは許せるが、性格が悪いのは許せない。結局、オトコもオンナも“一緒に居て丁度良い”相手こそ「最高の相手」なのだ。
2022-12-06
世界が“ウクライナ侵攻”に関心を寄せている間、世界各地でもう一つの“火だね”となりかねない地域が着々と準備を進めている。その“火だね”の一つが南北朝鮮の国境付近だ。北朝鮮では今年に入って矢継ぎ早に弾道ミサイルの発射実験を繰り返している。身体を鍛えた格闘家が、早くリング上で“実践したい気持ち”の表れでもあるかのように「火星17型」の発射を繰り返す。そうして自国に対して「名実ともに核強国になった」と太鼓判を押した。これまで北朝鮮がアメリカを怖れていたのは、大陸間弾道ミサイルが“アメリカ本土”までは届かない可能性が強いからだった。それが、もう“射程距離に入った”と確信したから「核強国」の表現を使った。金正恩氏の野望が見事に達成された。世界から“経済制裁”を加えられながら、秘かに進めてきたのが“核武装強国”なのだ。もはや、これで「アメリカ怖れるに足らず」の心境に至ったのだろう。ところが、ここに来て、北朝鮮政府には“頭の痛い問題”が発生している。若者たちの間で秘かに“韓流もの”が浸透し始めていることだ。元々距離的に近いのだから、禁じてはいても映像はどうしても視聴される。これを防ぐには公開死刑しかない、ということで何日か前にも10代の学生二人が公開処刑された。ただ単に韓国の映像コンテンツを視聴しただけでなく、それを「流布しようとした」からだ。国民みんなに踊り出されてはたまらない。韓流ドラマや韓流ポップスは今や“全世界”に浸透し始めている。特にアジア圏では圧倒的な支持を集めている。国家予算を投じて“韓流ドラマ&韓流ポップス”を世界に向けて広めようとしてきた成果が見事に結実しつつある。80年代までは日本が国家予算など投じなくてもアジア圏を席巻できたが、バブルがはじけて経済力が低下すると同時に見放されてしまった。なぜか日本国内ですら“誰もが歌う歌”が消えてしまったのだ。やはり「隠れてでも視たい」ドラマとかポップスのある国を取り戻さなければならない。簡単にだれもが歌手になれるとか、だれもが俳優になれるとか、そういう国であってはならないのだ。本当に“天才的な素質”を持っている人物だけ、或いは血の滲むような努力を重ねた人物だけ“スターとなれる国”に呼び戻さなければならない。そうして北朝鮮の人々が「殺されても観たい」というようになった時、われわれは文化芸能によって“世界を制した”と言えるのだ。
2022-12-05
ときどきマスコミというのは思いもかけぬ形で“風雲児”を作る。そういう風雲児の一人に「現代の陰陽師」としてもてはやされた石田千尋氏がいる。2001年から2008年にかけて日本では何故か“陰陽師”のブームがあった。そのブームに“のっかる形”でTVや雑誌などに登場したのが「現代の陰陽師」という肩書を背負って引っ張りだことなった石田千尋氏であった。彼に関しては、正直、私はよく知らない。その名前やネット画像などを何回も観た記憶があるが、実際にどういうことを行っていたのか、どういう経歴の持ち主なのか、どういう人物なのか、ほとんど知らない。要するに“陰陽師ブーム”がやって来たときに、たまたまタイミングよく“マスコミにのっかって”教祖的な感じに祭り上げられていった人物であろうと思われる。それが証拠に、彼は元々神社仏閣に由来のある人物ではない。血統とか家系的に“陰陽師”の血をひくような出所ではない。多分、古典的な衣裳が良く似合っていて、それがマスコミの演出も加わって、いつの間にか「現代の陰陽師」に仕立て上げられたのであろうと、わたしは思う。ただ人気は、時として本人をも狂わせる。いつの間にか本人は自分自身の中に「陰陽師としての力が宿っている」と錯覚するようになっていったのだろう。TVとか雑誌とかが、陰陽師の「わざ」の一つとして“怨霊退治”を売り物にし出してから、おかしな方向へと本人を追い立てた。小説や映画やマンガなどに描かれた陰陽師は、謂ってみれば“特異な霊能力”の持ち主だった。ところが、それはあくまでも“作りものの世界”で、実際の平安時代の陰陽師は“行政府の役人の一種”だった。天変地異など有れば、占術や天文呪術などで、その防衛策を考えるような役割が与えられていたにすぎない。実際に“怨霊退治”などやっていたとは思えない。後世の伝承が安倍晴明などを神格化したに違いないのだ。ところが、マスコミで持ち上げられているうちに、石田氏は徐々に自らの中に“そういった能力”が発現し出したように錯覚したのだ。でなければTVで“怨霊退治”など行なうはずがない。ところがブームというのは、急に“潮が引くように”去っていく。彼はそれに気付かなかった。こうして彼はTVから消えた。その後は転々とし、知り合いを頼って暮らしていたらしい。そうして昨年の12月31日、誰にも看取られることなく54歳の若さでひっそりと息を引き取ったのだった。
2022-12-04
人が生きていくうえで「働く」ということの意義は大きい。100歳以上の長寿者たちの簡単な生涯をまとめたものを読んだとき、そこに出て来る人達の多くが、高齢となっても働き続けていた。働き続けることによって生活のリズムがつくられ、それなりの健康が維持され、或る種の「生きがい」が生まれているように思われた。したがって、そういう意味では「働く」ということは好ましい。ところが「働き過ぎ」はどうなのかというと、これは必ずしも“良いこと”とは言えない数多くの実例がある。11月30日、長崎市で「過労死防止のためのシンポジウム」が開かれた。これに出席していた一人が2017年2月に自殺して後“過労自殺”として労災認定を受けた会社員男性(享年25歳)の母親(68歳)であった。彼女は、そのシンポジウムの中で「若者が長時間労働で命を絶つことがない社会になって欲しい」と生前の状態を語りながら出席者たちに訴えた。彼女の息子は食品の卸売会社に勤めていたのだが、あまりの超過勤務の連続で精神が崩壊し、ついには自殺をした。大学を卒業して入社し、3年後のことであった。通常「過労死ライン」と呼ばれているものは“月80時間以上の超過勤務”だが、この男性の場合の超過勤務は165時間にも及んでいた。つまり“過労死”を招く危険ラインをはるかに超えていた。明らかに会社側の勤務体制に問題があり、本来なら“労働組合”的なところを通じて、或いは“労働監督署”に訴えて、早急に改善を図らなければならない状況だった。けれども、この男性は真面目で大人しかったに違いない。入社1か月目で、母親からの“昼の弁当”を拒否した。「食べる時間がないから、もうつくらなくて良いよ」と言ったのだ。この時点で既に問題が発生している。昼食時間を与えない企業が未だに存在することに私は驚く。もし私自身なら絶対に抗議するだろう。大体、長時間働かせるなら、食べなければ身体が持たないではないか。やがて男性は母親に「仕事を辞めても良いか」と相談するようになる。毎日、深夜にならなければ戻らない息子を見て、当然、母親もそれに賛成する。ところが上司に退職を願いだところ、引き留められたというのだ。この上司こそ“諸悪の根源”だ。息子は「辞めたらほかの人に迷惑が掛かる、自分は若いから大丈夫」と母親に伝えた。その言葉は、そのまま上司の言葉に違いなかった。その後、自殺する一か月前、突然、息子は「頭がおかしい」と言って母親に抱きつき、そして号泣した。もう限界だったのだ。母親はだから、あの時点で強引にでも病院に連れて行って辞めさせるべきだった……といまも煩悶している。「適度に働く」それこそが生きがいを感じながら長寿を全うする秘訣なのだ。
2022-12-03
世の中には「宗教もどき」とでもいうような団体がたくさんある。12月2日に兵庫で“妖しいヒーリング団体”を主宰していた下川絹代(71歳)とその息子の和哉(45歳)が逮捕・送検された。二人は主宰しているヒーリング団体から“脱会”しようとした女性に暴行を加えた容疑、及び貴金属を“売っていた”容疑が持たれている。この団体が設立されたのは4年ほど前で、現在は数十人の会員が居るらしい。団体代表は母親が務め、会員への勧誘は主として息子が受け持っていた。事件は今年5月、この団体の会員男性から警察に通報があったことに始まる。どういう通報かというと、この団体から離れたいが脱会する者は“集団暴行を受ける”ので「怖くて切り出せない」という内容だった。そこで警察が慎重に捜査を進めたところ、何年も前に脱会しようとした女性(43歳)が集団暴行を受けて怪我をしていたことを突き止めた。こうして、ようやく教祖ともいうべき女性とその息子が逮捕されたのだ。教団内では「浄化」と称して会員同士が“頬を叩き合う”行為や「気を送る」と称してお腹に“手かざしをする”行為が日常的に行われていた。「手かざし」自体が悪いこととは言えないが、その延長から“貴金属”等を購入させるなどしていたとすれば、明らかに「ヒーリング団体」を逸脱している。何となく、さまざまな“妖しい教義や宗教”からパクってきた行為や行法の“寄せ集め”のような印象を受ける。何よりも「脱会」を許さないというやり方に“危険な香り”がするではないか。どういうものか、こういう“妖しい団体”に心身の悩みを抱えている人は引寄せられやすい。教祖の息子はカイロプラティックを仕事としていたようで、そこに来る“体の不調”を持つ人たちを勧誘していた可能性が強い。心霊宗教や祈祷師系統やヒーリング団体で盛んに使われる「浄化」という言葉には魔力がある。なんとなく心身が“癒されそう”な気がするからだ。けれども“頬を叩き合う”など何かがおかしいことは最初に感じるはずなのだ。誰でも興味半分、そういう集会のようなところに顔を出すことはある。そこで「違う」と思ったなら、それ以上、踏み込まないことが自らを“守る”ことになる。
2022-12-02
サッカーのワールドカップがカタールで開かれているが、盛り上がる試合とは別な形で「日本人」が注目されている。今回、多くの海外のマスコミが取り上げた日本人サポーターたちの様子は、日本人のわれわれからすると特別なことなどではなく、当たり前の日常だ。つまり、試合後のスタジアムでゴム袋を持って清掃作業をしていたという姿だ。自分たちが盛り上がってゴミを散らかしたのであれば、それらを自分たちで拾って帰るのは当然ではないか。この“当たり前の行為”が海外マスコミから称賛されたのだ。米国人作家として知られるブライアン・ドッズ氏は実に奇妙なことを書いている。《日本のファンは暴動を起こさない。建物を破壊しない。パトカーに火を点けない。街中も荒らさない。ゴミ袋をもってスタジアムをきれいにしている》何なんだ、この“誉め方”は……。おかしくないか。彼は「7つのリーダーシップ」ということを題材にした本で有名らしいのだが、このヘンテコリンな観察力というか、把握の仕方というか、どうみても優れた観察力の持ち主とは思えない。彼はファンだけでなく選手たちも褒めちぎっているのだが、自分たちが使ったロッカールームをきれいに清掃して戻っていくことを捉えて、次のような“七つのリーダーシップ”を備えている、と指摘している。《「優しい文化」「他人を期待しない」「細部までの注意力」「高い人格と行動力」「他者への貢献」「健全なプライド」「才能を必要としない」》……正直、よく、わからない。大体、これらがリーダーシップなのか。「優しい文化」って、リーダーシップと関係があるのか。「才能を必要としない」っていうのは、日本人は才能はないけど……っという意味なのか。「他人を期待しない」っていうのは、部下後輩を信じていないってことでは……それがリーダーシップなのか⁉ もしかすると、自分の本を売りたくて無理にこじつけただけなのかもしれないが、どうも巨大なハンバーガーで育っているアメリカ人の考えることは繊細な頭脳や感性を持っている日本人には理解しがたくて……。
2022-12-01
2022-12-01
このところ方向性が定まらなかった日本株だが、アメリカの利上げペースの減速がパウエルFRB議長から示唆されたことで、ようやくダウやナスダックが持ち直し、それに伴なって「日経平均」も上昇への道筋が見えてきた。アナリストの中には“利上げ継続”を予想する人も多かったが、どっちに転ぶかわからない「日経平均」は、このところ“どっちつかずの動き”を繰り返していた。いつも書くように「日本株」の動きは、そのまま“1~2年先の日本経済”の上下の動きを表す。したがって誰であっても“無関係”ではないのだ。日本の経済なのに、なぜアメリカの経済指標が左右するのかというと、日本には輸出企業が多く、それも経済の“先行指標”となる製造業関連の企業が多い。そこでアメリカをはじめとする「世界」の“先行き”が企業業績に反映されやすい。だから「先読みの不思議なグラフ」である「日経平均」には、世界のどこよりも早く“1~2年先の世界が反映されていく”という仕組みなのだ。もちろん、そういう科学的な根拠などはない。あくまでも、何となくそうなっている、という“世界的認識”に過ぎない。だから、今回のパウエル議長の発言は“アメリカの利上げ”について言っているのだが、日本株の今後について語っているのも同様なのだ。つまり、利上げはもう“打ち止め”だから「日本株を買っても良いよ」と言っているのも同様なのだ。こうして、どっちつかずで“よろけながら上昇してきた”日本株は、ようやく“力強く上昇できる”道筋が見えてきた。何よりも良いのは、これまで敬遠していた外国人たちが「日本株」を購入してくれる可能性が強いことである。それは、もちろん日本株そのものの上昇もあるのだが、それよりも重要なのは「円安に歯止めが掛かったことがハッキリとした」からだ。円安に歯止めが掛かることによって、外国人は「日本株」を購入してくれる。それは“ドルで購入する”人たちが多いからだ。円安が止まらなければ、どんなに日本株が上昇しても、ドルベース換算では儲からないからだ。こうして「日本株」は一部の人たちが予測していた「バブル期を上回る日経平均の時代」に徐々に近づいていく……。
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