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今日の迷言・余言・禁言

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マスコミに踊らされた「現代の陰陽師」の末路


ときどきマスコミというのは思いもかけぬ形で“風雲児”を作る。そういう風雲児の一人に「現代の陰陽師」としてもてはやされた石田千尋氏がいる。2001年から2008年にかけて日本では何故か“陰陽師”のブームがあった。そのブームに“のっかる形”でTVや雑誌などに登場したのが「現代の陰陽師」という肩書を背負って引っ張りだことなった石田千尋氏であった。彼に関しては、正直、私はよく知らない。その名前やネット画像などを何回も観た記憶があるが、実際にどういうことを行っていたのか、どういう経歴の持ち主なのか、どういう人物なのか、ほとんど知らない。要するに“陰陽師ブーム”がやって来たときに、たまたまタイミングよく“マスコミにのっかって”教祖的な感じに祭り上げられていった人物であろうと思われる。それが証拠に、彼は元々神社仏閣に由来のある人物ではない。血統とか家系的に“陰陽師”の血をひくような出所ではない。多分、古典的な衣裳が良く似合っていて、それがマスコミの演出も加わって、いつの間にか「現代の陰陽師」に仕立て上げられたのであろうと、わたしは思う。ただ人気は、時として本人をも狂わせる。いつの間にか本人は自分自身の中に「陰陽師としての力が宿っている」と錯覚するようになっていったのだろう。TVとか雑誌とかが、陰陽師の「わざ」の一つとして“怨霊退治”を売り物にし出してから、おかしな方向へと本人を追い立てた。小説や映画やマンガなどに描かれた陰陽師は、謂ってみれば“特異な霊能力”の持ち主だった。ところが、それはあくまでも“作りものの世界”で、実際の平安時代の陰陽師は“行政府の役人の一種”だった。天変地異など有れば、占術や天文呪術などで、その防衛策を考えるような役割が与えられていたにすぎない。実際に“怨霊退治”などやっていたとは思えない。後世の伝承が安倍晴明などを神格化したに違いないのだ。ところが、マスコミで持ち上げられているうちに、石田氏は徐々に自らの中に“そういった能力”が発現し出したように錯覚したのだ。でなければTVで“怨霊退治”など行なうはずがない。ところがブームというのは、急に“潮が引くように”去っていく。彼はそれに気付かなかった。こうして彼はTVから消えた。その後は転々とし、知り合いを頼って暮らしていたらしい。そうして昨年の12月31日、誰にも看取られることなく54歳の若さでひっそりと息を引き取ったのだった。
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