8月, 2023年
2023-08-07
或る意味で“宗教”と似たような意味合いで暮らし方を“制御している”のが「ベジタリアン」の人々だ。つまり“菜食主義”で動物に由来する食品は食べない、という生き方である。厳密に言うと、大きく二種類あって、ベジタリアンではあるが乳製品、はちみつ、卵、チーズなどは食するという人たちと、その種のものも含めて排除し“完全な採食主義”を貫くという人たちである。今回、39歳の若さで命を失ったベジタリアンのインフルエンサーであったジャンナ・サムノソワ氏の場合、完全な採食主義者の方で6年前タイに入国して暮らし始めた時から、そういう方針を貫くようになったようだ。その頃の写真などを視ると、とても健康そうで亡くなる少し前の“痩せ衰えた状態”とは比べ物にならない。元々はロシアに属するタタールスタン共和国のカザンというところの出身だが、やがて東南アジアを放浪するような形となり、タイに定着してベジタリアンとしてのシェフ兼インフルエンサーとなった。SNSでは頻繁に情報を発信し、そのフォロワーは数百万人とも言われている。ただ、ここ数か月前から体調を崩しがちで、故国の友人などが心配をしていた。彼女には放浪癖があったのか、現在も東南アジアをめぐる旅行の途中であったと言い、結局、瀕死となって担ぎ込まれたマレーシアの病院で餓死により亡くなったと伝えられる。この種の人たちには、或る程度の年月ベジタリアンを続けると、もう元に戻れなくなるケースが珍しくない。野菜や果物ばかり食べていると、どうしてもビタミンD群やカルシウムなどが不足してくる。ヨガ行者など菜食主義者の多いインドでは豆類をたくさん取ることで、なんとか健康を維持しているらしい。また欧州のベジタリアンにははちみつや牛乳を飲むことで、それらを補うらしい。長年の蓄積の中で、菜食主義でも身体を維持していく方法を彼らは知っている。どうも、亡くなられたサムノソワ氏はそういう点で、いつから頑なに必要な食品をも拒否してしまうような部分が出て来てしまったのではないだろうか。或る種の主義思想と結びついてしまうと、本来は健康のために推奨していたはずの採食が命取りとなってしまう。やはりなんでも偏り過ぎるのは考え物なのだ。
2023-08-06
何でもそうだが“慣れ”というのは良くない。最初の時の感動を忘れさせるからだ。ここに引っ越してきたとき、徒歩6分以内に“三つのもスーパー”が存在していることに、私は感動した。当たり前の話だが、それぞれの店には、それぞれの商品があり、それぞれの陳列方法があった。前に住んでいたところには三つものスーパーがなかった。その代わりのように“四つのコンビニ”がすく近くにあった。ローソンがあり、セブンイレブンがあり、ファミリーマートがあり、セイコーマートがあった。それらにはそれぞれ“魅力的な商品”があって、だから、今日はどのコンビニに行こうかというより、どの商品が欲しいか、で行く店を決めていた。ところが、引っ越し先にはスーパーは三つあるのだが、コンビニは近くに一つしかない。ローソンしかないのだ。これまで、わたしはあまりそういうことで迷ったことがないのだが、四つのコンビニに慣れてしまっていたせいか、どうも一つだけだと使い勝手が悪い。そこで“三つのスーパー”から択ぶことになる。最初、ここに来た時、わたしは“それぞれのスーパー”に感動を覚えたものだ。スーパーにはスーパー独自の魅力があったからだ。商品数もコンビニなどとは比べようもない。それなのに、最近はスーパーに行っても別に感動しなくなってしまった。慣れてしまうと、商品数の多さや安さは当たり前で、特に“目新しい印象”も無くなってしまう。あんなに商品数がたくさんあって、どれにしようか択び放題だなって……感動できたのに、その光景が日常になってしまうと、別に感動もクソも無くなって、その安さも当たり前になって、いつも“似たようなものばかり”購入してしまう。そうなると、その他大勢の商品は“無駄なモノ”にさえ見えてくる。いったいどうしたというのだ。結局、なんでも慣れというのは“感動を奪っていくもの”なのだということに気付いた。つまりは、どこに暮らそうと、感動するのは最初の2~3か月だけであって、それを過ぎてしまえば“平凡で退屈な日常”が待っている……その中に“新たなる感動”を見つけ出さなければ……。
2023-08-05
日本人は基本的に“みんな一緒”というタイプの占いが好きである。だから、こういうタイプの占いが受ける。昨日は暦で「大安」「天赦日」「一粒万倍日」が重なった。それゆえに芸能人たちが何組も入籍したようだ。本来であれば、占い師として“悦ぶべき現象”なのかもしれないが、正直、残念な気持ちの方が強い。なぜ残念なのかというと、この「暦日占い」に用いられている資料は江戸時代のそれと何ら変わらない。つまり江戸時代の頃の人たちと同じような感覚で「幸運な日」のスタートと信じて“入籍日”として選んでいるのだ。たとえば「大安」だが、これは“六曜”と呼ばれる占いから来ているもので、6日ごとの循環暦である。したがって、幸運ではあっても6日に一日はやってくる日なのだ。つまりは、その程度の幸運だということなのだ。「天赦日」にしても二か月に一度はやってくるもので、「一粒万倍日」は一か月に二度とか三度とかやって来る。だから、これら全部が重なったからと言って“特別幸運な日”とは言えないのだ。ところが近年は、この三つが重なる日を“最高の吉日”として喧伝する人たちがいる。いわゆる“エセ占い師”の人たちで、彼らのおかげで江戸時代の「暦日占い」は未だに健在なのだ。日本人というのは“みんな一緒”であることを好むので、こういう占いが昔からもてはやされる。極端な話、昨日がそういう日だったとしても当然のことながら、みんな一緒に幸運を享受できるわけではない。そんなことは芸能人たちだって知っているのだが、それでも“倖せの御裾分け”的な感じで、この日に入籍するカップルが多いようだ。ただ偶然というべきか、ホロスコープや四柱推命式の個人的な出生図で観ても、結婚にとって“好ましい日”に該当しているカップルが多かった。ちなみに「天赦日」というのは「恩赦」と似たような意味合いで、たとえ罪を犯していてもこの日だけは許される日…のような意味合いの日だ。また「一粒万倍日」は一つの種から無数の実がなっていくような繁栄を約束する日…のような意味だ。その割には該当日が多いのはちょっと気になるところなのだが……。
2023-08-04
いまやSNSの恩恵で「世界中の宿」が比較対象とされる時代になった。そうすると日本の「旅館」は、外国人たちにとってホテルとはまたひと味違った印象を与える。一昔前の“日本らしさ”を与えてくれるのはホテルよりも「温泉旅館」の方にあるからだ。特に最近、海外から熱い眼差しを寄せられているのが、箱根にある高級な日本旅館だ。一泊10万円以上の高額な部屋ほど、人気が高いという。一時期は“寂れた印象”を受けた箱根の温泉街だが、いまや外国人富裕層の間での人気が高まって、金乃竹などは日本を代表する高級旅館街としての脚光を浴びている。われわれの感覚で言うと一泊10万円以上は高級旅館にしても高い印象だが、実際に泊まっている外国人たちにお金を惜しむようなようすは視られず、高額な部屋から順に予約が埋まっていく。部屋に温泉が備え付けられていることがいちばんの理由のようだ。欧米人は人前で裸になる習慣がないので、日本の温泉の“大浴場”というシステムは苦手なのだ。ただ単に温泉付きの部屋というだけでなく、高額な部屋の場合には“露天風呂”まで備わっている場合も多い。和風旅館の場合、懐石料理などが出て来るのが普通だが、和食フルコースというのも、外国人たちにとっては魅力的なようだ。いまや世界にとって“和食”“日本料理”は最高級の料理として知られている。もちろん、和食を苦手とする人たち用に“洋食コース”も選択できる。日本の高級旅館では要望があれば世界各国の料理を提供できるサービスもある。もう一つ見逃してはならないのが、和風旅館の持つ“きめ細やかなおもてなし”だ。もちろん日本の“おもてなし”は温泉街でもホテルでも大変に優秀なのだが、旅館系の宿は特に、そういう点において伝統的に優れている。海外において、そのホテルのオーナーが直接部屋までやって来て“挨拶をする”などということはあり得ないが、日本の場合、オーナーに付随する女将がやって来て丁重に挨拶をする。この種のことも欧米人からすると“異色のサービス”として映る。さらに現在は“円安”で日本における“高額な料金”は彼ら富裕層にとって大した額ではない。世界の富裕層たちを喜ばせることは世界との取引を行っている各種企業においてもプラスに作用するに違いないのだ。苦境にあえいでいたホテル業界だが、もしかすると海外勢を呼び込む絶好の機会がやって来たのかもしれない。
2023-08-03
アメリカは今になって「UFO問題」にきわめて積極的だ。今回は「議会証言」と呼ばれる公式な場で宣誓をしての発言である。それも一人ではなく別々の形で証言している三人が出席。元米海軍のパイロット、元米空軍で情報機関に属していた人物、元米軍パイロットでカメラマン。これらが証言台に立っての「UFO公聴会」なのだ。つまり別々の形で働いていたパイロットたちであり、空飛ぶものを“見分けられる眼”を持っている人物たちの証言なのだ。中でも「人間以外の生物は、このUFO回収品の一部と一緒に出て来た」と証言したのは情報機関にも所属していたグラッシュ氏だ。これまで噂として拡散していた“UFOと宇宙人の回収話”が実際にあったとの証言だ。もっとも、この発言に対しては真っ向から否定する現調査員も居る。ただ、こういう議論が「UFO公聴会」という公的な場で行われ、世界中から広聴希望者が集まっている中で証言されたことに意義がある。日本では昔も今も「UFO」と言えば“あやしい人達が信じるもの”のように扱われてきた。少なくとも“公的な場”でまともに議論することはためらわれている。1970年代から80年代にかけて“UFOブーム”にのる形でさまざまなTV特番などが放映されたが、それはあくまで“オカルトの一種”としてだった。それに、そのブームにあやかって、確かに“あやしいUFOおじさん”等がたくさん出て来た。或る意味では“大食いタレント”と似たような位置にそれ等の人々はいて、年末などになると駆り出されたりもしていた。そういう人たちに比べると、今回の証言者たちははるかに信用が置ける。但し“証言”だけで“証拠品”が乏しいのが気になる。こういう証言は、あとになって何故か「あれは偽証だった」などと言い出すケースが多いからだ。結局、言葉だけでは増々疑問が膨らむばかりだったりする。もしも実際に「人間以外の生物」も回収していたなら、必ずどこかにその写真なり映像なりが存在するはずで、それらと共に証言台に立つ人物が現れることを期待しないではいられない。
2023-08-02
新しい時代には“新しい商品”が次々に出現する。その中にはナルホドと思うものもあれば、ちょっと考えてしまうようなものもある。このほど合板販売などを手掛ける広葉樹合板が“立ち寝”できる仮眠用BOX「ジラフナップ」を発表、今月22日から「ネスカフェ原宿」において試験導入されることになった。通常ベッドの半分くらいのスペースで「仮眠環境が整えられる」ということで、ジラフナップは、頭、知り、すね、足裏の4か所を支え、脱力・リラックスした“立ち寝姿”をそのままキープし続けられるそうだ。「ネスカフェ原宿」ではコーヒー1杯と“立ち寝席”利用で30分毎825円程度での利用販売を考えているようだ。ネットによる“予約制”にするらしい。ナルホドと思う部分もあるが、正直、そんなところで“立ち寝”するほど疲れているなら、会社のソファとかで寝転んでいた方がまだ良いような気が、わたしにはするのだが……。だいいち、仮眠って、ネット予約までしてするものだろうか。たぶん、商店街だから騒音もするだろう。とても“安眠”できる環境にあるとも思えない。それに基本は“30分程度”になっているようだが、30分で仮眠できるだろうか。ほんとうに疲れているようなときには、少なくとも1時間くらいは寝てしまいそうな気がする。わたしなど疲れていなくてもベッドに入ると1時間とか2時間とか平気で昼寝してしまったりする。それに4か所を支えてくれるとは言うが、やっぱり“立ち寝”は慣れないとなかなかに難しそうな気がする。逆に、立ち寝が慣れるというのも、なんだかおかしい。果たして、この商品は売れるのであろうか。おそらく、この店では実験的な導入だと思うのだが、もし流行れば“全国展開”していく可能性はある。もっとも、都会でなければ通用しない商品のような気はするが、仮眠室などを作れない零細企業が社内の狭いスペースに導入する可能性はあるかもしれない。奇妙なことに新しい商品なのに“業務用”と考えているのか、このボックス自体の価格というのが記されていなかった。一般販売は考えていないのか。家族の雑音から逃れたい若者などが狭い自室の中に置いておく、というのも一つの方法かもしれないのだが……。
2023-08-01
2023-08-01
最近、中国と韓国とで同じように若者たちの“失業率の高止まり”が問題となっている。韓国では大学新卒者の就職率が60%~65%程度と低いし、中国では16歳~24歳までの若者の失業率が今年4月に20.4%、5月に20.8%で、これまでの最高値を2か月連続で記録した。しかも、この数字には特徴があって、大学院、大学、専門学校と学歴が高いほど、その比率が高くなっているというのだ。つまりは、現在の中国では高学歴の人ほど新卒での就職が難しい、ということになる。韓国において就職率が低いのは、企業側が新卒者をそのまま採用したがらないからで、どの分野でも“それなりの研修期間”を経てから採用するのが普通であるらしい。その代わり、それらの企業は高収入が約束されているということで、どうしても人材枠の少ない一部企業への就職を希望する若者が多くなるというわけだ。そのせいか、最近では中国でも韓国でも最初から新卒での就職をあきらめてしまっている者たちも多い。中国の場合、その経済成長が鈍化してきたことで昔ほどの“採用枠”が無くなって来ていること、産業構造の変化で製造業よりサービス業の求人率が高くなっていることなども関係しているらしい。つまり高学歴であればあるほど新卒での失業率が高くなってきている。そうなると、よほど優秀でもなければ、新卒でそのままストレートには就職できない。高学歴者には田舎から都会に出て来ている若者も多いので、就職できないからと言っておいそれと田舎には戻れない。それでなくても中国では「結婚を希望しながら結婚できない若者」が増えて来ている。就職したくても就職出来ない。結婚したくても結婚出来ない。そういう若者が多くなってきているのだ。或る意味では、若い年齢で就職し、若い年齢で結婚することが“幸福者の証し”と変わりつつある。そういう中国や韓国に比べると、まだ日本の若者たちは“恵まれている”と言えるのかもしれない。日本は韓国ほど一流企業とその他の企業との間に“差がない”し、エリートのみが優遇される社会構造でもない。また結婚事情も、中国の男性ほど経済力がなくても良い。男女間の比率も、それほど違わない。中国では”一人っ子政策”が男女の比率を狂わせ、こと結婚に関しては“女性優位社会”となっている。日本では経済的に“足踏み”が続いていて、それがいちばんの問題点だが、少なくとも中国や韓国のように、社会への出発点においてはまだまだ希望が失われていない。
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