東国原宮崎県知事が、国政に打って出る条件として提示した「次期総裁候補」発言が注目を集めている。このところ不透明な話題しか政界にはなかったので、その意味では食傷気味の一般の人々を惹きつけ、中々にインパクトがあった。今、世の中は不況で暗い話題が多い。本来なら政治に対しての期待感がもっとあって良いのだが、いつの頃からか多くの人達は政治、及び政治家に対して期待を抱かなくなっている。それが証拠にどの地域で選挙を行っても、投票率は極めて低い。どんなにマスコミが騒ぎたてても投票率が80%を超えることはない。中には50%そこそこの地域さえある。政治に無関心と云うよりも、どこの党がやっても、誰に変わっても、自分の生活にそれほど大きな変化はないだろう…と思う人が多くなっているのだ。
政治、及び政治家への不信は日本ばかりではなく、世界的な傾向でもある。アメリカのオバマ大統領にもかつての勢いはない。ヨーロッパ諸国はそれぞれが火種を抱えていて、イタリアの首相など下半身が火種を抱えていて、各国とも政府は今一つ求心力がなく、国民から信頼感を失っている。インドも、中国も、韓国も、北朝鮮でさえ統制に陰りが見えている。本当に安定感のある国民から信頼を寄せられている国や政府を見出すのが難しいほどだ。
世論調査によれば、今の日本では民主党への支持が自民党への支持を上回っている。安部政権→福田政権→麻生政権と、いずれも何となくギクシャクした政治が続いたので仕方がないが、では民主党が政権を取って、鳩山由紀夫政権となったなら安定するのだろうか?熱い支持や人気を国民から得られるのだろうか?どうも、今一つ、そういう雰囲気でもない。背後霊のような小沢一郎の存在がちらついて見える。それに「友愛」などと云う抽象概念を政治の世界に掲げているようでは熱狂的な支持など得られるわけがない。すでに安部政権の時「美しい国ニッポン」と云う抽象概念は無残にも打ち砕かれているではないか。お坊ちゃま政治家として、国民からそっぽを向かれたではないか。鳩山氏は何故あそこから教訓を学ばなかったのか。
鳩山氏と云えば、このところやっと沈静化したが自民の方にも鳩山邦夫氏がいるではないか。そこで次期選挙を大いに盛り上げ、国民の関心を政治に向けさせる秘策がある。民主党の鳩山由紀夫氏と自民党の鳩山邦夫氏とでガチンコ対決をさせれば良いのだ。つまり、自民党は総裁選を前倒しし、鳩山邦夫を自民党の「顔」として衆議院選を戦えば良い。そうすると嫌でも兄弟対決と云うことが前面に出て、マスメディアが盛り上がることは間違いがない。その総裁選には鳩山邦夫氏だけでなく、舛添要一氏や東国原英夫氏や石原伸晃氏や野田聖子氏も出て、自民党の「新しい顔」を競い合えば良い。そういう中で鳩山邦夫氏が出て来たのであれば大いに盛り上がるだろう。(誤解を避けるため記しておくが、私自身は別に鳩山氏の発言や行動を支持しているわけではない。誰が出て来ても良い)
鳩山邦夫氏や東国原氏の場合、もう一つの選択もある。鳩山邦夫氏を中心として、自民党総裁選以前に、大阪府知事の橋下徹氏も誘って新党を立ち上げてしまうのだ。鳩山・東国原・橋下の三氏が中心となった新党であれば大きな票が入る。正義感の強い渡辺喜美氏も加えた方が良い。もっとも橋本氏は鳩山氏や渡辺氏より中川秀直氏との方が相性は良さそうであるが…。ただ中川氏は新党結成には動きそうもない。新党結成に動くとすれば鳩山氏の方なのだ。もちろんこれらは選挙戦が面白くなり、政治離れの人達を呼び戻す一つの方法として、提示しているに過ぎない。
大体、自民党も姑息な手段を使って票集めをもくろむから、逆効果で党内からさえ批判されるのだ。どうせ人気取りで票集めをするなら、堂々とそれが判るような形で行えば良い。今回のような一人に絞るのではなく、票に結びつきそうな種々な分野の著名人達を多数担ぎ出せば良いのだ。黙っていてもマスコミが集まり、政治から距離を置いている人たちも投票したがるような人達を国政へとひっぱりだせば良い。庶民派の経済アナリストとして人気がある森永卓郎氏、裕次郎人気も取り込める石原良純氏、TVでの活躍で知名度抜群の島田紳助氏、かつての風雲児・堀江貴文氏、世界で最も美しい女性政治家となった藤川優里氏、橋本・丸山の元弁護士(現政治家)と法律相談で論戦を張った北村晴男氏、現役を引退し放浪を続けているサッカーの中田英寿氏、格闘家を引退後は作家として活躍している須藤元気氏などの面々だ。
もちろん、これらの人物が政治家としての適性があるかどうかは微妙なところだ。ただこれらの人物が政治に関心を持っていることは間違いないし、出馬するとすれば自民党だろう。それに何よりも票が集まる。政治に無関心な層からの票が集まる。これが何よりも強みだ。アイデァ面でも優れた人物が多いだけに、不謹慎かもしれないが選挙と政治を面白くしてくれそうなことだけは間違いがない。
掲載日:2009年07月08日
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