5月16日、福井市にある禅林寺の境内で室町時代に建てられた3.7メートルの五輪塔内部から“立派な骨壺”が発見された。通常、骨壺は五輪塔の下に埋めるのが普通だが、この壺は五輪塔そのものに空洞を作ってはめ込む形で存在していた。ではなぜ発見されたのかというと、五輪塔が傾きだしてきたため修復作業を行って石を解体していたからである。3.7メートルの五輪塔というとかなり大きい。万が一のことがあると危険なので、修復は当然だった。発見された骨壺の中は遺骨でいっぱいだった。室町時代に活躍した太田道灌(どうかん)の“やしゃご”である「太田資武(すけたけ)」の遺骨らしい。五輪塔には、その戒名である「霊顔道鷲庵主」と没年が刻まれている。それにしても、400年の時を超え、真新しい感じで“立派な骨壺”が発見され、その人物も特定できるのは大変に珍しい。研究者は、当時の葬祭方法を知る貴重な手がかりだというが、五輪塔の中に“はめ込み式”で納骨するなど聴いたことがない。もしかすると、この骨壺が“盗掘される危険”があったので、あえて五輪塔の中に“埋め込む”という方式を取ったのではないだろうか。本来、運命学的には、遺骨というのは“土に還す”のが良いとされる。だから、土で作った壺に遺骨を入れて、土の中に埋め込む形が良いのだ。近年、多く行われているのは、コンクリートの納骨堂だが、これでは“土に還す”ことが出来ない。肉体は“土に還す”形が理想であり、精神の元である「魂魄」は“天上に還す”形が理想なのだ。つまり、朽ち果てた肉体は地下に消え、朽ち果ては魂魄は天上に消える、神は“新たな人間”を産出す時、地下から“肉体”を掬い出し、天上から“魂魄”を手繰り寄せ、そうしてここに「新たな生命」が誕生する。
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