冬が来るたびに、私が毎年願っていたことが、ついに実現する。「雪下ろし事故」を“防ぐ秘策”の登場だ。私はいつも、自ら家の屋根に上って“雪下ろし”をする人々が、毎年、必ず、そのうちの何人かが落下して亡くなることを憂いていた。雪国や北国の場合、大雪が屋根に降り積もったままにしておくと、その重さによって屋根が押しつぶされる危険が出てくる。したがって嫌でも屋根に上がって“雪下ろし”をしなければならない。けれども、当然のことながら屋根は斜めになっているから滑るのだ。高齢になった人物が屋根に上がって“雪下ろし”をしている最中に滑り落ち、雪に埋まって亡くなってしまう事故が毎年繰り返される。科学が進んだ現代、このような“痛ましい事故”を防ぐための“方法”は無いものなのか、私は何度も“そのための秘策”の必要性を訴えてきた。大昔ならともかく、現代のような科学全盛の時代に、それを解決する“手段”が見つからないわけがない。まあ私の親戚に“雪国暮らし”の人はいないのだが、手立てがないのは、あまりにも哀しすぎる。それが「天」に通じたかのように、太陽電池パネルの製造販売を手掛ける「アンフィニ」という企業が「雪国型パネル」の開発に成功したのだ。元々「太陽光発電」に関しては国からの支援も受けられる。新しい「雪国型パネル」は、センサーが雪が降って来るのを感知して、パネル表面を温め、すぐに雪を解かす仕組みになっている。これを取り付ければ“雪下ろし”のため屋根に上がって、滑り落ちて命を失うという事故を繰り返さずともよいのだ。もちろん費用は掛かるが、人を頼んで“雪下ろし”をして貰えば数万円は掛るという。それを思えば“安いもの”ではないか。実際には、まだ実証実験の段階で、来年度から販売開始の予定であるという。最近“科学的なもの”には“幸福”を生み出すものよりも、“不幸”を生み出すものの方が多いような気がして滅入っていたが、この「雪国型パネル」の開発だけは、科学が人間に“幸せ”をもたらす大切な贈り物なのだ。
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