9月28日にインドネシアのスラウエシ島を襲った地震と津波は徐々に死者数を増やし、最終的には5000名をはるかに超えると考えられている。津波が死者数を増やしたと考えられているが、その津波は現地入りした日本の研究者によると、段階的に何度も訪れたようで、そのため家に戻りかけた人々を飲み込んだ形跡が強い。さらに海岸から遠く離れた地域では、液状化現象によって集落が丸ごと湧き出た泥水に飲み込まれていった。したがって、なかなか正確な数字が把握できないのだ。私の住む札幌でも9月に地震が来て清田区などで液状化現象が起こった。地震のように一瞬ではなく、半日くらいかけて徐々に水かさを増すのが液状化の怖いところだ。そのような形でいくつもの集落が大地に飲み込まれたのだ。なぜか日本ではあまりこのニュースが大きく報道されない。さらに地震との関係が判然としないが、同じスラウエシ島の北部では10月3日にソプタン山が爆発的に噴火した。その噴煙は5000メートルに達した。私は7月に書いている《「爆発的噴火」にオマケは附く⁉》として、バリ島のアグン山が噴火した時、そう遠い場所ではなくて“オマケ”が起きる可能性を指摘した。赤道に近い火山の島国インドネシアが“危ない”ことはハワイの噴火の時点ですでに記してある。5月に予感したようにインドネシアは確かに危なかった。けれども、私は地震としての危機を警告したのではなかった。爆発的火山噴火だった。そして、それは文字通り“オマケ”の形で的中はしたが、そのこと自体が“大きな災難”をもたらしたのではない。その直前に起こった地震と津波、そして液状化だった。今年、赤道に近い火山の島国は確かに危ない。10月6日にも、カリブ海の島ハイチでマグニチュード5.9の地震が発生し、11人が死亡した。そういう点から言えば、大枠で外れていないのだが、それでも“正確な予知”からは程遠い。もっと“正確に予知”出来れば、多くの人は救えただろうか。いや、おそらく私の“言葉”など誰も取り上げず、的中したなら、反って虚しい想いをしたに違いない。
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