8月27日の朝、釧路市桂恋の海岸で一部白骨化した遺体が発見された。溺死体で服装などから見て“行方不明”となっていた中国人女性・危秋潔さんであろうことはほぼ間違いない。彼女は7月18日に中国の福建省から単身やって来て25日までの予定で“北海道観光”を愉しんでいた。少なくとも表面上は、そう見えた。SNSで美瑛町の写真なども掲げているが、大変美しく撮れていて“北海道の美”を堪能しているように見える。予定では22日に旭川などに行く予定となっていたが何故か変更し、午前中は札幌に居て昼からJRで釧路へ行き、その足で阿寒湖へ向かった。そして記録によれば、午後7時半頃ホテルにチェックインして翌朝、7時過ぎチャックアウトしている。朝に湖畔をぶらつき、一人で観光船に乗ったらしいが、その後、釧路に戻っている。それから釧路市内の繁華街を歩いて喫茶店に立ち寄ったのが目撃の最後らしい。その店主によれば、1時間くらい黙って前方を見つめて声を掛けられない雰囲気だった…と話している。「行方不明」のニュースが流れたのは7月28日になってからだった。私はその翌日、ここに「不明女性は元気で発見される?」とニュースのあらましを書き、自分の「勘」としては何故か渡辺淳一の小説『阿寒に果つ』がすぐ思い浮かんだが、占いでは“誰かについて、どこかに行った”形なので、やがて元気で発見されるのではないか…という風なことを書いた。ところが実際には、私の「勘」の方が正しく、あとで判ったことだが、彼女は渡辺淳一氏の小説のファンだったらしい。つまり、かなりの日本通なのだ。実は『阿寒に果つ』という小説は、かなり特殊な小説で、作者自身の高校生時代の自伝的要素が盛り込まれている。一応、小説なのだが、実在した札幌の少女画家が主人公で“初恋の女性”でもあった。けれども、その天才少女画家は冬の阿寒湖に自ら赴き、雪に包まれて一人誰にも知られず死んでいくのだ。私がニュースを知って何故すぐ『阿寒に果つ』を思い浮べたのか、正直解からない。けれども、明らかに危秋潔さんの行動は『阿寒に果つ』を意識したものである。本当は阿寒湖で死のうとしたのだが難しかったのだ。実は「易占」による占いでは「沢雷随」が出ていた。易を知っている方なら誰もが「誰かについて行った」と思うだろう。私も、そう思った。しかし、そうではなかった。彼女がついて行ったのは、実在の人物ではなく『阿寒に果つ』の主人公・札幌の若くして亡くなった少女だったのだ。
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