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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「海の神」が“75歳冒険家”の「命」を奪った


日本にも“太平洋の単独横断”を試みる冒険家は居るが、さすがに75歳で“単独横断”を試みる人はいない。欧州人の場合は「太平洋」が「大西洋」に変わるだけで、実際には“単独横断”へのチャレンジ精神はそれほど大きく違うとは思われない。フランス人男性ジャンジャック・サバン氏(75歳)の場合、おそらく体力に自信があったのだろう。今回の「大西洋単独横断」は三年ぶり二度目の挑戦となった。前回は「樽型カプセル」を使って127日間で見事成功しており、今回は「全長8mの手漕ぎボート」での挑戦だった。2022年1月1日にポルトガル本土の南端から出航した。彼にとっては「老いへの挑戦」という意味もあった。サポートチームもいるのだが、基本的には「単独横断」に意味を見出している彼が、航海そのものに手助けを求めることはなかった。もし何かあれば「救難信号を発信する」というのが彼のやり方だ。ただ海には“魔物”が棲んでいる。或いは「海の神」と言っても良い。予期せぬ強風や波のうねりは“魔物”からの手洗いメッセージかもしれない。単独横断に挑んだ者たちは、誰もが「海の神」にその意気込みと度胸を試される。ポルトガルのアゾレス諸島沖まで来た時、波のうねりは最高潮に達した。19日、ボートの電動部分に故障が生じた。それでも今の時点では「大きな問題はない」とサポートチームに連絡している。ところが20日夜と21日の夜明け、2回“救難信号”が発信された。サポートチームから連絡を受けたポルトガルの沿岸警備艇がアゾレス沖まで来た時、すでにサバン氏のボートは転覆し、その船内からサバン氏を救出したが、すでに手遅れだった。「山」を愛する者は「山の神」に飲み込まれ「海」を愛する者は「海の神」に飲み込まれる。長い人類の歴史の中で、繰り返されてきた事実だ。そういう人は“魔物”としての「神」から愛され、海に引きずり込まれたのだ。「神」なら“引きずり込んだり”しないと思うのは、大間違いである。“魔物”でもある神は、自分を愛するものを「自分のもとに止めたい」と思うのが自然であり、だから多くの人は知らないが、こよなく「山」を愛せば山に消え「海」を愛せば海に消えるのだ。それは“魔物”から、愛された証拠なのだから祝って良い。サポートチームは、彼のために「祝杯」を挙げてやるべきなのだ。
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