妖しい「出会い系サイト」は、残念ながら「出逢えないサイト」が多いことは、今や暗黙の常識となりつつある。彼はおそらく、それを知らなかったのだ。「サクラ」がいることも知らなかった。ただ通常は何度かやり取りをするうちに「おかしい」と気付くものだ。ましてや“出逢えない”ことが続けば、このサイトでは無理なのかな、と気付きそうなものである。ところが、その男性は気付かなかったらしい。もしかすると、途中からは何となく感じていたが、引くに引けないような気持ちで意地になってつぎ込んだのかもしれない。結局60代のその男性は総額5000万もの大金を“出会い系サイト”につぎ込んだらしい。結果、出逢えず、彼はその運営会社に対して訴訟を起こす。通常、こういう訴訟は受け付けられないケースが多いと思うのだが、金額が金額なので裁判所側も味方したのであろう。結局、争点は、相手をしていた女性が“実在する女性”なのか、完全なサクラで“実在しない女性”なのか、という一点で争われたらしい。その結果、裁判所は、この女性が明らかに“サクラ”であり“存在しない女性”であると認定、運営会社には“賠償金”を支払うよう命じる判決を下した。この訴訟事件は、さまざまなことをわれわれに教える。まず、第一に、そんなにもの大金を「出会い系」につぎ込む人物がいるということ。その一方で、逆に、そんなにもの大金をつぎ込ませる「サクラ嬢?」がいるということ。もし、これが同一のサクラ嬢(?)だとすれば、3年間もの間、ずっとメールの相手をしていたなら、大体どれくらいの金額がつぎ込まれているか当然気付いている。良心の呵責はなかったのだろうか。仕事として“大きなカモだ”くらいに思っていたのだろうか。追いかける方も、追いかけさせる方も、あまりにさもしく、そして哀しい。当然、会社側だって、彼の存在には気付いていたはずだ。“儲けられれば、客などどうなっても良い”という意識が感じられる。近年は、女性アイドルに“大金を注ぐ”男性も多くなった。AKB48や地下アイドルの“総選挙”とか“握手会”にしても、結局は“集金システム”である。そういう商法が増えている。表立った「結婚サギ」ではないが、それに近い状態を生み出す“各種の仕事”は、今後ますます増えていきそうで怖い。
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