●観相学上では古来「流年法」と呼ばれる特別な見方・判断方法があります。これは文字通り個々の顔面上の各部位に年齢を当てはめていくもので、その流年付近に、ホクロや、キズや、アザや、シミや、クボミや、シワや、イボやなどがあった場合、それを基に判断する方法です。つまり、流年法で与えられた年齢を当てはめて、何歳には何が起こる…と予知・予測する技法です。ただ、この判断技法にも何種類もの見方があって、未だ統一された見解は示されていません。比較的知られているものだけでも、「五官流年法」、「仙伝の流年法」、「飛び流年法」、「万法流年法」、「三主の流年法」があります。さらに、それらの変形的な見方、複合的な見方などもあります。

★万法流年法★

万法流年法

この流年法は、顔面の中でも「眉とその上部」、「眼と下まぶた」、「鼻と法令線」の三か所に分けて観察するのが特徴です。そして「眉とその上部」では、主に親・兄弟との縁や関係、さらに交友関係や金運について判断し、左眉頭を1歳とし、左眉尻を30歳と見立てます。また右眉頭を31歳とし、右眉尻を60歳に見立てて判断するのです。したがって、眉の切れ目とか、眉にあるホクロなどは重要な判断材料となります。

「眼と下まぶた」では、主に子供や孫との縁や関係、さらに愛情関係や人気運について判断し、左下まぶたの眼頭部分を1歳とし、眼尻部分を30歳と見立てます。また右眼頭部分を31歳とし、右眼尻部分を60歳に見立てて判断するのです。したがって、小さなホクロやキズ、クボミなどは重要な判断材料となります。

「鼻と法令線」では、主に仕事運や健康状態、財運の善し悪しなどについて判断し、左法令の起点を1歳とし、左法令の終点を30歳と見立てます。また右法令の起点を31歳とし、右法令の終点を60歳と見立てて判断するのです。この場合も、ホクロや斑点、シミ、切れ目などは重要な判断材料となります。このように見ていくのが「万法流年法」です。

★正規の三主流年法★

正規の三主流年法

この流年法の本来の観方は比較的単純で、額髪際から眉までの天停部位の「正中帯」を1歳から20歳までとし、眉下から鼻先までの人停部位の「正中帯」を21歳から40歳とし、鼻下から頤先までの地停部位の「正中帯」を41歳から60歳とし、頤脇から頤のラインを上昇していく帯を61歳から80歳とし、耳朶手前から眉尻下まで帯を81歳から100歳とし、こめかみから額側面を通って上昇する帯を101歳から120歳と見立てて判断していくのです。この場合、ホクロ、クボミ、シワ、キズ、シミ、アザ、班点、イボなどの一般的判断要素に加え、血色・気色も判断に加えようとするのが特徴といえます。或る意味では「人生50年」と言われた時代にすでに120年を見据えていた判断方法に興味深い点があります。?

★飛び流年法★

飛び流年法

この流年法の特徴は、髪際中央から頤先までは15歳から71歳とするものの、それ以外は顔面上の特定部位に対して飛び飛びに年齢を当てはめていくもので、実占上はかなり応用のきく観方となっています。大掴みな捉え方をすれば、左耳を1歳から7歳、右耳を8歳から14歳とし、額全体に対して15歳から30歳までを当てはめ、眉には31歳から34歳を当てはめ、両目には35歳から40歳を当てはめ、鼻には41歳から50歳を当てはめ、人中から食禄にかけては51歳から55歳を当てはめ、法令付近には56歳から59歳を当てはめ、口唇は60歳から61歳、頤周辺を62歳から71歳としているようです。さらに顎のラインに沿って年齢を上昇させ72歳から75歳までを配しています。ここまでが実質的な流年で、それ以降76歳から99歳にかけての年齢配布は、顔面上に12支方位を当てはめ、「子=76・77歳」「丑=78・79歳」「寅=80・81歳」「卯=82・83歳」……と時計回りに進んで「亥=98・99歳」で終わっています。一見、バラバラなように見えますが、実はそれなりの順序をたどって流年が流れるように考慮されているのです。