丸い顎真正面から頤を観た時、丸くて角の感じられない相の人は、家庭的愛情が豊かで包容力ある人の相です。この場合、同じ丸い頤でも、小児のように小さく付いているのではなく、やや大きめの印象を与える頤であることが重要です。むっちりとした丸い頤は女性に多いものですが、一見、美人には見えなくても、良い夫や子供たちに恵まれ、幸福な家庭生活を送っているケースが多いものです。顎の丸い人は愛するものに対しては献身的です。頤は晩年運にも関係が深く、肉付きの良い丸い頤は60代以降の運勢が良く、心身とも豊かに過ごせることを暗示しているものです。
 尖った顎真正面から頤を観た時、細長く見える頤の多くがこれに属します。ただ、細長くても角張っていることがあり、全体的には丸く短くても頤先の部分だけ尖っていることもあります。いずれにしても頤が尖って見えるのは、愛情に対して理想を追うタイプで、常に美しいもの、良いものを求めて日常生活を送っている人の相です。尖った頤の相は、口の大小が観察のポイントで、口が大きい場合は芸術・芸能・美容・ファッションなどの分野で若くして成功している例が多いものです。口が小さいと「お人形さん」顔となって、行動力に乏しく、恋愛で悩みやすい相となります。
 角張った顎真正面から頤を観た時、頤全体の骨が目立って角張った印象を与えるのは、男性に多い相ですが、近年は女性にも増えて来ました。この角張った頤の印象が目立つのは、愛情面では執着心の強い相となります。ただ男女とも家庭的とは言えず、仕事中心の生活となりやすいものです。それに仕事そのものに対して、強い愛情を抱いているケースが多いのです。したがって、どうしても家庭生活より社会生活を優先するような状態が生まれやすいのです。女性の場合、結婚で幸福を得られにくいことも特徴です。また、住居以外に店舗や事務所などを所有する人の相でもあります。
 二重顎真正面から頤を観た時、頤の下に肉が付き明らかに二重頤となっているのは、肉がだぶついていなければ良相であって、部下・後輩に恵まれ、愛情豊かな生活を送れる人の相となります。世話好きで人の面倒見もよく、周囲からの人望も厚い人が多いようです。中年以降になってマイホームなど土地・不動産の運に恵まれ、それによって財産を築いていく人の相となります。ただし、肉がだぶついて、やや醜い形の二重頤は良相とは言えず、何らかの持病を持ち、何事に対しても実行力に欠け、不平・不満の多い人の相となります。体質改善に成功すれば晩年運は良好です。
 頤先が分けれる相真正面から頤を観た時、下顎の中央部分が窪んで頤が二つに分かれているように見えるのは、欧米男性に多い相ですが、日本人でも時折見かけることがあります。芸術家や芸能人、ファッション・美容関連の人に多く、理想主義的な人物が多く、熱い情熱を何かに捧げずにはいられない人の相です。恋愛をすると、相手のために火の中、水の中、突き進んでいくような熱烈さを発揮します。この相には「家を2軒所有する相」と云う見方もあり、本来の住居とは別にセカンドハウスや別荘、事務所や店舗、愛人邸など、二つの家を股にかけて生活しやすい傾向が窺われます。
 豆頤真正面から頤を観た時、極端に小さく未発達で、幼児のような印象を受ける頤を「豆顎」と呼びます。顎の発達は運動機能と関係がある小脳との関係が深く、その意味で豆顎は幼少時より外に出て活発に動き回るとか、激しいスポーツに打ち込むとかいう機会のなかったことを表しています。そして大人になっても、体力には自信がなく、ひ弱な印象は否めません。愛情面でも受け入れることはあっても、自分から愛する気持ちを表す行動力は乏しい点が見受けられます。また住居の落ち着かない相でもあり、晩年運のさびしい相でもあるので、その点への備えが必要です。
 巨大頤真正面から頤を観た時、極端にその面積が大きい頤を「巨大頤」とします。豆顎とは逆に子供時代の運動や基礎訓練から小脳の発達した相であることを表しています。家庭的愛情が豊かで、体力に自信があり、実生活に強い人の相と云えます。滅多に弱音を吐くことがなく、がむしゃらに物事に打ち込んでいく情熱を秘めています。あまりに巨大な頤は、自分本位の愛情観を物語っていて、時として過剰な愛情表現や執着、ストーカー的行動を示すこともあります。また部下・後輩に対しての面倒見がよく、晩年の運が強く、土地・不動産に恵まれ、広い家で暮らし続けます。