イギリスはイタリアやフランスと並んで“ファッション最先端”の国であったはずである。美的意識の高さは、近年まで街のいたるところで感じられたものだ。ところが最近は、どうも“美的感覚”が鈍っているようで、ブレグジット(英EU離脱)記念硬貨を今月31日から発売することになったが、昨日、公開されたデザインはあまりにお粗末である。まず、記念硬貨にしては材質が良くない。おそらく、これまでの“50ペンス硬貨”と同一なのだろうが、そうだとすれば銅とニッケルとを混ぜたもののはずである。したがって、まず輝きが乏しい。色合いも、どこかくすんで見える。さらに、外形の形がおかしい。丸でも多面形でもない。奇妙にカーブの入った“七角形”である。どうせなら“正七角形”にすべきだった。また、表には文字が浮き彫りとなっている。「平和、繁栄、そして全ての国との友好」この言葉自体は素晴らしい。けれども、要するに“それだけ”をぎっしりと浮き彫りにしている。その下に小さく記されているのは、発行日の2020年1月31日の日付のみである。要するにデザインと言っても、これだけなのだ。何の図柄もマークも紋章もない。いや、文字を記入したいなら、せめてその文字だけでも、もう少しデザイン的にセンスを見せて欲しいのだ。さらに裏面は、これまでの“50ペンス硬貨”と同様エリザベス女王の横顔らしい。一応、予定では年内に1000万枚の発行を予定しているらしい。実は、今回の発行は“三度目の正直”で、最初は昨年3月29日に、次は昨年10月31日に、それぞれ発行予定だった。けれども、そのたび、合意出来ずに中止となった。そのためか、今回のデザインも、実は最初の時と全く変わらない。日付だけが入れ替えられている。そういう意味でも、記念硬貨にしては“手を抜いている”ような印象を受ける。しかも、最初の時には、金、銀、白銅の三種のコインを予定していたようなのだ。ところが、その準備に金を掛け過ぎたとかで、批判が大きく、何んとも“見栄えの良くない”記念硬貨の発行となった。イギリスの国会が時々テレビで放映されるが、その椅子など前時代的で古めかしく、あまりに質素な印象を与える。その割には極端に家賃が高騰している。もしかすると我が国以上に大変なのがイギリス国民なのかもしれない。
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