奇妙な会見である。ギザの大ピラミッド内に“隠れた空間”を二つ発見したというのだ。そういう記者会見だが、今一つ盛り上がらない。ニュースの伝え方もなんとなく地味である。なぜなのか。一つには画像がない。今時、お話しだけでは“この手の話”誰も納得しない。そんなことは解っているはずなのに、誰もが納得できるような画像がない。調査方法がラジオグラフィや3次元再構築技術やサーモングラフィといった方法なので“すぐ形に出来ない”のだろうか。そうなら、何故、図解が出来上がってから発表しないのか。「北壁の裏側に空間がある」「もう一つの通路も形成している可能性がある」「北東の側面部にも空洞がある」実は、彼らの地味な調査は二年ほど前から始まっていた。地元エジプトの研究者だけでなく、フランス、カナダ、日本の研究者が加わった四か国混成チーム「スキャンピラミッド」だ。最新の科学技術を用いているので、その話自体は信頼できる。大体、あやしいエジプト学者が混じっていない。けれども、彼らの話を聞いても、誰も驚かない。感動などしない。何しろ、その話“初めてのような気がしない”のだ。というか、前から言われていたよね、と誰かがささやく。そう、80年代~90年代の雑誌『ムー』などで、盛んに語られてきた話ではないか。日本の単独チームが、既に同じことを主張していたではないか。そして何よりも、それって見ることができるのですか、という話なのだ。せめて“精密な図解”として公開できるものなのですか、という話なのだ。実は、このチーム、間もなく解散することが決まっている。タイムリミットでの発表なのだ。最初から予算は限られている。なんとなく、誰もが、そうだったのか、と納得してしまいそうで、それが怖い。
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