日本人は他の人種に比べて「執念」というものが、それほど強くない。「和食」で“こってり”とか“とことん”とかいう表現はほとんど出て来ない。どちらかと言えば“あっさり”や“さっぱり”を好むのが日本人なのだ。愛情面に関しても、日本人はあきらめが早いというか、程度なところで“妥協・和解”したがる傾向がみられる。だから通常7回も結婚する人はいない。稀に居るかもしれないが、私は知らない。さて、欧米人には時々、何回も結婚し続ける人がいる。アメリカのキャスターとして世界的に知られるラリー・キング氏は御年85歳であるが、現在7度目の結婚生活にピリオドを打とうとしている。85歳で7度目で「もう和解し難い」と裁判所に離婚を申し立てたのだ。これを日本人はどう思うか。少なくとも私は「すごい執着心だな」と感心する以外ない。執着を感じる部分は三つあって、その一つは「愛情」、その一つは「財産」、その一つは「生命」で、その三つ共に対してものすごい執着を抱いているからこその離婚訴訟だと思うのだ。その婦人は現在59歳で、実はこちらも4度目の結婚である。つまり、お二人とも「結婚」が好きなのだ。でなければ、そんなに何回も結婚しない。そして、より結婚に相応しい「愛」を求め続けているに違いない。でなければ、もう85歳なのだから別れるなどと思うはずがない。しかも彼は今年4月に心臓の病気で外科手術を行っている。実はその時に「あと3日の命」と病院の方から宣告を受け、婦人は財産の書類の名義変更などを弁護士に促されて行おうとしたらしい。おそらくだが、そのことが離婚を決断した夫の一番の理由かもしれないのだ。というか、どうして「3日の命」が蘇ってしまったのか。これも生命へのあくなき執着力のなせる業なのに違いない。彼としては、自分がまだ元気でいられるうちに、きちんと離婚してしまわないと、死後の財産がすべて“愛が失われた(?)”妻のものになっていくと恐れたのだろうか。まあ仮に「3日の命」でも、日本人ならそのベッドに“名義書き換え”を迫るようなことはしないと思うが…。つまり、どっちもどっちとでもいうか、日本人には理解しがたい「愛」と「金」と「命」に対するアメリカ人の執着力なのだ。
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