記号としての島型が意味するもの 掌に表われる記号の中で、最も多く見かける記号が「島型」、又は「目型」・「袋型」と称される記号です。注意深く観察すれば、5、6人に一人は、何らかの形で、この記号を掌に備えていると気付かれることでしょう。時としては、島型が数珠繋ぎで見出される場合もあります。ただ、この記号は、大きく出現するよりも、小さく出現する方が、重大な意義をもたらすこともあり、その点からも見逃せない相です。 一般的に島型は、主要線に付随して表出している場合が多く、単独に表われることは稀です。その主要線の表す線の意味合いに対して、腐敗作用・停滞作用・不毛作用をもたらすものです。例えば、生命線上に表出されれば、重い慢性的な内部疾患を意味していることが多く、肉体の一部分が、病原体によって蝕まれていることが多いものです。ただし、この相の特徴の一つは、それが内部的に進行して行くことで、病気らしい病気として、なかなか表面化しないケースも見受けられます。癌などのように、発見されたときには、既に手遅れ、となっているような症例も見受けられます。しかし、その一方、島型そのものが、いつの間にか表われ、いつの間にか消えていくケースもあって、一概に深刻な病状、大きな病気、と決め付けられないのも現実です。もちろん、内部的に進行していく病気は、癌ばかりとは限りません。

1図の島型

1図の島型 (1)のように、生命線の中央やや下部付近に長めの島型が出るのは、消化器系統の慢性的疾患、胃や肝臓に弱点を持っている場合が多いものです。時としては、腎臓である場合もあります。また、この島型の位置が少し下がると、女性は婦人科系疾患を表すケースもしばしば見かけます。

(2)のように、生命線の終末に近い位置に、小さな島型が二つ、三つ出来るのは、大腸や直腸に癌などの腫瘍やホリープを持つケースが多く、排便時に苦痛を伴うようになります。

(3)のように、生命線と頭脳線とが分離する部分に、比較的大きな島型が出来るのは、呼吸器系統に弱点を持っている場合が多く、喘息患者や、肺病、肋膜を患ったことがある人、体力的に無理の利かない体質を持っている場合が多いようです。ただ、二十代後半以降になって、急速に体質改善され、健康になっていくケースもあります。

(4)のように、頭脳線の終末近くに、やや大きめの島型が出現するのは、頭脳そのものに何らかの障害を抱えている形で、精薄児として生まれ、「裸の大将」放浪の画家として著名となった山下清氏がこの相です。

(5)のように、運命線上に島型があるのは、仕事上・経済上の困難・窮地に、徐々に巻き込まれていく形で、やがてそれが世間にも知られるほどの抜き差しならない状況を作り出していきます。

(6)のように、運命線上の島型が感情線上に掛かっているのは、複雑な愛情問題から人生上の行く手に暗雲が立ちこめる形で、それまで築き上げてきた立場や生活を、失ってしまうことになりやすいものです。

(7)のように、金星環(又は土星環)上に島型が出現するのは、燃えるような情熱を内に秘めて生きていく形で、芸術・芸能の分野に適性があるけれども、不倫などの問題を引き起こしやすいようです。女優の南野陽子さん、斉藤由貴さん、沢口靖子さん、男性では沢田研二氏等の手に見ることが出来ます。

(8)のように、太陽線上に島型が出現するのは、新聞の社会面を賑わすような事件や世間的スキャンダルに巻き込まれていく形で、かつて大麻事件などで世間を騒がせた俳優・勝新太郎氏や金銭問題などで映画会社と対立しがちだった俳優・田宮二郎氏の手に見受けられます。

(9)のように、感情線上の薬指と小指の間辺りに、形の崩れた島型が重なり合うように出現するのは、心臓や循環器に持病を抱えている形で、複雑な愛情問題なども生じやすい傾向を持ちます。

(10)のように、独特の形状をした結婚線が、大きな袋状の形を作っているのは、三度の結婚がことごとく失望の結果を招き、体調を崩して、一挙に老けてしまった女性の手に見受けられました。


2図の島型

2図の島型 (1)のように、生命線内部の金星丘上に、横長の島型が見受けられるのは、その多くは、身内・家族のことに関して悲しみの出来事が起きてくる形で、人には言えない心痛が長期的に及ぶ場合が多いのが特徴です。けれども時には、恋愛上の内に秘めた悩みや悲しみとして出現することもあります。

(2)のように、手首に至る生命線の終止点が、そのまま島型の形で終わっているのは、ケティという手相家によれば、癌の印だということになりますが、必ずしもそうとは言えず、重い内部疾患により生命が蝕まれて、死を迎える可能性の強いことを示しているようです。激症肝炎によって死亡した、かつての名横綱・不滅の69連勝を記録している双葉山氏が、この相の持ち主でした。

(3)のように、生命線の下部から、まるで搾り出したかのような島型の枝線が出現するのは、多くの場合、生命力を失わせていく疾患が存在している形で、癌が進行中の手相に多いようです。

(4)のように、生命線の上半部に、数珠繋ぎのような小さな島型が何個か続いているのは、食道癌に犯されている人にしばしば見受けられる形です。時としては、重い慢性的な摂食障害に悩む人の場合にも出てくるケースがあり、飢餓意識が強く、実生活にも支障が出やすいので注意しなければなりません。

(5)のように、生命線終末付近に起点を持つ、健康障害線の下部に長めの島型が出現するのは、呼吸器系統の疾患を抱えているケースが多いようです。ただ、ねじれたような島が数珠繋ぎとなるのは、肝臓や腎臓に疾患を持つ場合にも見受けることがあり、健康障害線の形自体にも注意が必要です。

(6)のように、太陰環(放縦線)上に島型が出現するのは、神経質で理由のない不安感に苛まれ、幻覚・幻聴などに悩みやすい人の手に見受けられます。又、膀胱炎にもなりやすいようです。

(7)のように、頭脳線からの枝線が島型となるのは、神経痛や視力障害を引き起こしやすく、それが仕事上の支障をも招きかねない人の相です。

(8)のように、頭脳線上の中指下の位置に、小さな島型が出現するのは、物事全てを深刻に受け止めやすく、デリケートで、ちょっとしたことから精神や神経に支障をきたしやすく、仕事上の問題を抱え込みやすい傾向が窺われます。女優の伊藤美咲さんの頭脳線には、このような相が見受けられます。

(9)のように、感情線から頭脳線、生命線にかけて、やや大きめの袋状の形が出現するのは、喘息などの呼吸器疾患を持っている人たちに多く、この線が、生命線内部まで深く喰い込んでいる場合は、その症状の重いことを表しています。

(10)のように、水星線(財運線)の先端付近に小さな島型が出現するのは、今現在の金運に恵まれていないことを表し、借金で窮地に陥ったり、保証人問題で災難が降りかかってきたり、入る予定であったお金が滞って、生活が困難になるなどしやすい傾向が見受けられます。

(11)のように、感情線の小指下に島型が出現するのは、子供認知や妊娠問題や生殖能力などで、金銭が絡んで不運を招いていく形で、愛人の子供認知問題の発覚から財運を失い始めた歌手・千昌夫氏や、性転換の先覚者として知られるカルーセル・麻紀さんの手に見受けられます。