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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「白い仮面に黒タイツ」世界は「昭和」を好む


最近、どうも「世界」というのは、日本の“昭和の繁栄期”を理想としているような…そんな気がしないでもなくなっている。昭和の繁栄期と言っても、昭和の“バブル期”を指していっているのではない。むしろ、その少し前の“1970年代頃”のことを、わたしは勝手に“昭和の繁栄期”と言っているに過ぎない。この時期、日本には実にさまざまな文化が登場した。この時期のことを「日本」の“高度成長期”というふうに捉える人がいるかもしれないが、実際には微妙にずれている。高度成長期は60年代から始まっているからだ。この“昭和の繁栄期”に大きく成長したものの一つに、日本の「漫画」と「歌謡曲」と「推理小説」とがある。或る意味では、これらが日本の文化全般を導いていた…と言ってもいい。今年の英国の世界的に知られる文学賞であるダガー賞の翻訳部門の最終候補作として注目を浴びたのが、日本の覆面ホラー作家として知られる雨穴著『変な絵』だった。残念ながら受賞とはならなかったようだが、英国に招待されていたようだ。実は、わたしはこの作家も作品も知らなかったのだが、既に270万部も売り上げ、世界40カ国に翻訳出版されているのだという。翻訳出版の作品が“売れるかどうか”は、日本人作家の場合は特に“翻訳者”の腕にも掛かっているところが大きい。世界40カ国に翻訳出版されているということは、一つには“文学的である”というよりも“翻訳しやすい小説作品”だということに他ならない。この作家は“覆面ホラー作家”というだけあって、英国であっても、その覆面姿で全身黒タイツ姿でインタビューなどに応じて、より注目を浴びたようだ。昔、日本の江戸川乱歩氏などが、盛んに“この種のやり方”を推理小説に取り入れていた。だれなのかわからない「謎めいた姿」で最初から登場する…という出没の仕方だ。要するに、こう言っては悪いが、昭和のど真ん中に“使い古されていた手法”なのだ。ところが、この手法が“今の世界”には受ける。日本の「漫画」や「歌謡曲」や「推理小説」でも、だから“昭和のど真ん中”を持って来ればいい。なぜなら、今の若い世代の日本人は“それら”を知らないから“新鮮”に映るし、より“新鮮”に受け止めてくれるのが「世界」の人々なのだ。漫画だって、歌謡曲だって、今のモノばかりでなく“昭和のど真ん中”をアレンジして“現代風”に味付けすれば、間違いなくそういう方が「世界」には受ける。言ってみれば、その当時の「日本」は文化の面で“世界の最先端”を走り抜けていたのだ。
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