国土交通省の調査だから多分、本当なのだろう。日本の場合、20代の若者よりも、70代の老人の方が“多く外出している”という驚くべき結果が公表された。この若者の外出が減ってきていること自体は世界的な現象らしく、或る意味で“時代の流れ”としては自然なことらしい。確かに、現代は生活そのものが便利になっているので、いちいち外出しなくても間に合う、というのが減ってきた一番の理由かもしれない。ただ70代の老人たちの外出が増えているのは日本固有の現象らしく、この部分が気になる。つまり、日本の老人たちには“健康な人が多い”ということだろう。そうでなければ頻繁に外出できない。それ以外では“好奇心旺盛”な人達が多いとか、“経済的余裕がある”とか、“寂しがり屋が多い”とか…一応それなりの理由はいろいろ考えられる。同じ20代でも男女比では、圧倒的に男性の外出率が低いらしい。これをどう考えれば良いのだろう。一つの理由として20代男性の場合、“非正規雇用”の割合が半数以上となり、休日に外出して遊べるほどの収入がないというネット上の声がある。確かに外出すれば、お金はかかる。今はスマホなどで友人や仲間とも常に連絡を取り合うケースが多く、実際に外で逢わなくても用が足りるとか、会話が出来るということも、外出を抑える原因かもしれない。そうは思うものの、やはり70代よりも20代の方が家に“ひきこもりがち”というのは、何かがおかしい。私なども、仕事で一日中家の中に“ひきこもる”ことは多い。ただ何日も外出していないと、何となく“外へ出てみたい”欲求が、身体の内部から湧き上がってくる。だから、天気の良い時には“健康”のことも考え、なるべく外出するようにはしている。もしかすると、老人たちの外出が多いのは、自らの“健康”を意識しているからかもしれない。20代前半の時、私は徒歩で会社まで通った。下駄をはいて国道沿いを一人歩き続けたものだ。長い時には徒歩で50分くらいの距離を雨の日以外は毎日歩いた。歩きながら、いろいろと空想するのが好きだった。おそらく、車でビュンビュン通り過ぎる人たちには“貧しい孤独な若者”に映っていたに違いない。けれども、私には昔から下駄をカラコロ鳴らしながら、歩く時間が無性に幸せだった。
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