例えばプロ野球選手でも、絶好調の時には「ボールが止まって見える」という。実は同じようなことが、ごく普通の人たちの日常生活においても起こっている。つまり、運気の良い時には自分が「どう動けば良いのか」が何となく判るのだ。なぜなら、目の前の状況がよく“見えている”からだ。ところが、運気が低迷するとか、環境が急変しようとしているようなときには、見えていたものが“一時的に見えなくなる”状態が起こる。つまり、人間は本能的に“目の前の出来事=直後に起きてくる状況”を、潜在意識下ではすでに把握している。そして、それを不透明な幕の向こうで“映像化”している。通常は“不透明”なのだが、絶好調時には不透明な幕が消え、はっとするほど“鮮明な映像”となる。だから迷わず選択できるのだ。危険なことを回避できたり、素晴らしい相手に出逢えたりする。ただ、それは瞬時の出来事で、じっくりと観察できるようなものではない。だから多くの人は“何となくこちらのほうが良いような…”という曖昧模糊とした感覚で正しい選択をしている。けれども、運気が低迷するとか、環境が急変するようなときには、元々“不透明な映像”がますます不透明となり、何も見えなくなるので「どうしてよいか分からない」状況を作る。それが自然なのだ。ほとんどの人は気付いていないが、運勢が私たちの「眼力」を変え、別人のような“映像”を映し出す。足を踏み出すのが“怖くなる”のは、見えないのだから“当然”なのだ。
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