人相上の「顔面紋理」には、誰もが知っている小鼻脇から刻まれる「法令筋(ほうれいすじ)」や、額の横皺である「節条線(せつじょうせん)」以外にも、興味深い「シワ」がいくつかあります。ここでは、それらの中でも比較的よく見かけるシワに関して、意味のあるものを述べていきます。
【イ】 | 「懸針紋」(けんしんもん)=眉間中央から額に向かって立つ1本の深い筋 性格的には、意志が強く負けず嫌いで仕事熱心な人たちが多いようです。その道の「権威」と呼ばれるような人たちにもしばしば見受けられます。日常生活では不満多く、口うるさく、金銭に対して几帳面で、潔癖な点も見受けられます。生地を遠く離れて成功する運命を持っています。 |
【ロ】 | 「剣難紋」(けんなんもん)=眉頭から額中央へと向かってやや斜めに立つ筋 向かって右(本人の左)側から立つ場合は、闘争心強く、カッとなりやすく、自ら人を傷つけるとか、危害を与えていく人の相となります。向かって左(本人の右)側から立つ場合は、本能的な恐怖心が強く、敵や暴漢から襲われるなどしやすい相です。眉間の両側に立つ皺は思索家の相です。 |
【ハ】 | 「兼業紋」(けんぎょ うもん)=眉を上から取り巻くかのように出る皺 古典的な人相の教科書では「副業を持っている人の相」とされていますが、必ずしもそういう人たちばかりではありません。本人が持っている知識や、アイディアや、特殊技術などを、お金儲けに結び付けていくことに対して特別な才能を持っています。多少、強欲な傾向も見受けられます。 |
【二】 | 上瞼(うわまぶた)に重なるような形の長い横皺 眼下が落ち窪んでいる人に多く出現しやすい相ですが、家庭運の良くない相の一つで、特に親子縁の薄い生まれとされています。したがって、早くから親と離れて暮らす運命を持っています。極めて稀ですが、一緒に暮らし続けた場合には、親子間でトラブルの多い状況が生じて来ます。 |
【ホ】 | 「魚尾紋」(ぎょびもん)=目尻のシワがやや上曲して髪際に達する 目尻の皺は、中高年になると誰でも出現するものですが、特にその中の1本がクッキリ長く刻まれるのは、統率力があり、多くの人の上に立ち、部下・後輩達からの信頼の厚い人の相となります。後継者運も良く、配偶者運にも恵まれますが、時として愛人が出来やすい傾向も窺われます。 |
【ヘ】 | 「重操紋」(じゅうそうもん)=二重瞼の起点と終点とが眼から離れている 通常、二重瞼の線と云うのは、目頭か、眼尻か、そのどちらかが眼に繋がっているものですが、接近はしていながら、その両方とも眼から離れているのは、早熟で早くから性に目覚め、女性の場合は十代から男性遍歴を重ねる相ですが、正式な入籍・結婚には縁のない人に多いものです。 |
【ト】 | 「涙堂紋」(るいどうもん)の一種=眼頭から斜線の筋が明確に出ている この相は比較的長い皺として出現することが特徴ですが、男女とも子供縁の薄い人に多く、運命的な事情から、子供と離れ離れに暮らさなければならないようなケースに多く見られます。片側だけに出る場合と、左右とも出る場合がありますが、長いほど一緒に暮らすのは難しくなります。 |
【チ】 | 眼頭から鳥のくちばしのような短い筋が出ている この相はあまり目立たない相ではありますが、女性に多く見受けられます。異性運の良くない相の一つで、なかなか結婚できないとか、恋人や配偶者によって大変な苦労を強いられることが多いものです。男女とも再婚相であって、最初の結婚のまま上手くいっている例は極めて稀です。 |
【リ】 | 「二重涙堂紋」(にじゅうるいどうもん)=眼頭から目尻まで涙堂紋が重なるように出る きれいな線として二重線が出現する場合は、部下・後輩の運と、子孫運の両方に恵まれる形で、汚い印象の涙堂や皺となっていないことが条件です。位置的には二重線の上部が子供運、中間部分が部下運です。事実上、二つで一つのように見える部位です。膨らんで見えることが大切です。 |
【ヌ】 | 眉間のやや下部、又は山根部分に横筋が出る 横筋が1本の場合を「一挙」と云い、初婚に敗れるか、我が子が家業を継がぬ人の相とされます。この横筋が2本以上出現するのは「権威家の相」で、常に命令を発するような立場の人にしばしば見かけるものです。ただ、気難しい点を持っていて、家族関係はあまり良い相ではありません。 |
【ル】 | 「養子紋」(ようしもん)=山根付近から鼻頭に向かって縦筋が出る この養子紋に関しては、普段から出現している人と、笑ったときだけ出現する人とがいるようです。通常は1本で、実子に縁の薄い人です。3本出現する場合、真ん中の筋が長ければ自らが養子におもむく相となり、真ん中の筋が短ければ養子を迎える人の相となり、婿養子も含まれます。 |
【オ】 | 鼻峰の途中から、左右とも斜めに骨が浮き立つ これは実際には紋理とは言えないのですが、「十三部位」の「年上」辺りから、骨が斜めに浮き立って見える相なのであって、大変に嫉妬深く、些細なことから身近な人に対して怨恨を抱いて生きていくことになる人の相です。性格的に執念深く、対人関係でも支障が生じやすいようです。 |
【ワ】 | 法令筋の内部、「食禄」の部分に放射線状の筋が出ている これは必ず放射線状に何本も出て来るのが特徴で、その多くは老齢に至って出現するものです。種々の事情から義理のある子を養い、晩年になって、その子から生活の援助・面倒を見てもらうようなことになる人の相です。この場合、離婚した息子の嫁や孫である場合なども含まれます。 |
【カ】 | 下唇と下頤との間に現れる弓状の横筋 この弓状筋がクッキリと出現しているのは、味覚に対する特別な才能、又は飲食関連分野における大いなる成功・繁栄を物語る相であって、ソムリエや料理長などとして活躍する人にしばしば見受けられるものです。晩年運の良いことも表し、家庭的にも恵まれ、財産も得ていくようです。 |
【ヨ】 | 口角より出現して下る独特の形状をした皺 口角から出現する皺には「法令」と並行する縦皺もあるのですが、この場合はやや異なり、若いときから出現する場合もあり、口角下だけに深く刻まれ、口角上には出ていないことが特徴です。この紋理は何らかの主義・主張を持って生きていて、その実践者であることを意味しています。 |
【タ】 | 両頬に出る独特の形状の深い縦筋 人と対話し、接客し、交渉し、取引することに対して、特別の才能を発揮する人の相であって、外交手腕巧みな人にしばしば見受けられるものです。特に、野外における交遊を通じての交渉事に関しては、絶対の自信を持っているようです。商社マンやホテルマンとしても成功する相です。 |
【レ】 | 「歓待紋」(かんたいもん)=上下唇、特に下唇の方に多数刻まれる縦皺 この唇の縦皺が多数刻まれている人は、情感豊かで、多情多感な傾向を持ち、人と談笑したり、会食したり、接客したりすることに喜びを感じる人です。女性の場合は、やや誘惑に弱い傾向があって、騙されやすく、尽くしたり、貢いだりしやすい傾向もありますが、人気運があります。 |